国土交通省No.134
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18長野県の東部に位置する上田市は、市の中心部を東西に千ちくまがわ曲川が流れ、北は菅すがだいら平高原、南は美うつくしがはらヶ原高原と、四方を美しき山々に囲まれた自然豊かな地域である。全国有数の晴天率と昼夜、冬夏の寒暑の差をいかし、水稲、果樹、野菜の栽培が、また、かつての蚕さんしぎょう糸業技術を受け継ぎ、精密電気機器などの製造業が盛んな、人口約16万人の地方都市である。市民の想いが全国にそんな上田に平成26年5月ビッグニュースがもたらされた。平成28年のNHK大河ドラマ「真さなだまる田丸」の放送決定である。群ぐんゆうかっきょ雄割拠の戦国末期から天下統一への時流にあって、異彩を放つ漢おとこ“真田信のぶしげ繁(通称:幸ゆきむら村)〟と彼をとりまく人々の波はらんばんじょう瀾万丈の物語である。実は、この放送決定をひときわ感慨深く聞いた方がいる。“日ひのもといち本一の兵つわもの 眞田幸村公 放映の実現を願う会〟侍大将の中村さんである。願う会では幸村を大河ドラマに取りあげてもらおうと、平成21年12月署名活動を開始した時空を超えてー真田三代の郷ーのだ。「最初はね、私の知り合い6人と“何か上田が元気になることをしたいなあ〟とほんの遊び心で始めたの。目標は真田氏の家かもん紋“六ろくもんせん文銭〟にちなみ、66万6666人。これも遊び心だよ。町々の自治会を通じて、一軒一軒お願いした。そうしたら2カ月で5万くらい集まった。そうしたら、知らず知らずのうちに、市役所や商工会議所も協力してくれるようになったの。もちろん、署名活動が真田丸放送を決定させたなんて思っていない。故郷上田に対する想いは人それぞれ別々であっていい。でも、幸村を大河に! という“ひとつの夢〟を市民みんなで共有することができたと感じた。うれしかったね」願う会 侍大将中村さんひげがダンディーな上田大好きおじさん

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