国土交通省No.139
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・ ICの出入り情報だけでなく、経路情報の把握が可能となるなど、格段に進化した機能を有しており、道路利用者はもちろん、道路政策にもさまざまなメリットをもたらし、ITS推進に大きく寄与するシステムです。ETC2・0から得られる車線ごとの旅行速度などのデータを分析することにより、高速道路の速度低下の原因箇所を特定し、効果的・効率的に是正する﹃ピンポイント対策﹄の取り組みが進められています。現在は、首都圏渋滞ボトルネック対策協議会が発表した「主要渋滞箇所における対応の基本方針」に基づいた取り組みが進められており、例えば、特に激しい渋滞が発生している東名高速海老名ジャンクションは、東名高速から圏央道へ向かうランプ車線を1車線から2車線に増設。それにより、ほぼ毎日3時間以上発生していた渋滞が解消されました。今後は東名高速大和トンネルの上下線で付加車線設置、中央道上り線小仏のトンネル増設などが予定されています。また、ETC2・0による速度変化の把握はリアルタイムで可能なため、対策の効果検証も迅速にできます。問題箇所の発見↓対策の計画・実行↓効果検証といったサイクルをスピーディに行うことで、より効果的かつ迅速に渋滞の解消を図ります。利用重視の賢い新料金体系で車の流れを最適化道路の利用判断に大きな影響を与える「高速道路料金」。これを見直すことで渋滞緩和の効果が得られることが実証されました。本年4月1日に首都圏の新たな高速道路料金を導入。整備の経緯の違いなどから、料金水準や車種区分などが路線や区間によって異なっている「整備重視」の料金体系を、大都市近郊区間の料金水準に統一するとともに、5車種区分に統一するなど、対距離制を基本とした「利用重視」の料金体系に移行しました。その結果、前年同月と比べて都心を通過して東名高速と東北道を行き来する車は約5割減少する一方で、圏央道の交通量は約3割増加。首都高速道路の交通量は約1%程度減少し、渋滞時間は約1割減少しました。また首都高速では走行距離に応じた料金となる一方、下限料金の引き下げで短距離利用が増加し、港区青山近辺の一般道の交通量が約7%減少しています。今後は、例えば都心部が混雑している場合は圏央道の料金を安くするなど、混雑状況に応じて変動する機動的な料金体系の導入についても検討を進める予定です。今後は圏央道などのネットワーク整備や物流施設の立地も進展している中、新料金体系の効果と相まって、さらに首都圏の交通流動の最適化が進むことが期待されます。特集生産性革命元年未来を切り拓き、さらなる経済成長へ海老名ジャンクション 外回り方面ランプウエイ2車線運用起終点を基本とした継ぎ目のない料金の実現至八王子名古屋方面からのランプ(1車線)東京方面からのランプ(1車線)●運用開始前●運用開始後ランプ合流部 1車線ランプ合流部 2車線至八王子名古屋方面からのランプ(1車線)東京方面からのランプ(1車線)大和トンネル付近の渋滞状況(上り線)料金都心経由圏央道経由3,930円5,050円厚木IC~桜土浦ICの場合3,930円へ引き下げ東 京 外 か く 環 状 道 路圏央道経由の料金都心経由の料金八王子IC大泉JCT練馬IC境古河IC成田IC成田空港羽田空港松尾横芝IC新空港IC大栄JCT東金JCT千葉東JCT宮野木JCT高谷JCT京葉口葛西つくば中央ICつくばJCT久喜白岡JCT戸塚終点高井戸IC東京IC玉川IC厚木IC海老名JCT海老名南JCT寒川北IC伊勢原JCT八王子JCT東京湾中央道京葉道路東関道千葉東金道路東北道館山道常磐道関越道東京湾アクアライン圏央道第三京浜圏央道東名高速東京湾岸道路 新東名圏央道の利用が料金面において不利にならないよう、経路によらず、起終点間の最短距離を基本に料金を決定圏央道経由の料金>都心経由の料金圏央道経由の料金を引き下げ7
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