国土交通省no141
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~世界遺産を支える日本初の免震改修~免震レトロフィット フランスの建築家ル・コルビュジエによって設計された国立西洋美術館本館※1は、本年7月に世界遺産に登録されました。文化的価値を世界から認められたこの建物が今日まで守られてきた背景には、国土交通省(当時:建設省)が日本で初めて採用した「免震レトロフィット」という工法があります。免震レトロフィットとは? 免震レトロフィットとは、既存の建物の基礎などに免震装置を新たに設け、建物のデザインや機能を損なうことなく地震に対する安全性を確保する補強方法です。建物の下に免震装置を挟んで地面から浮かし、地震のエネルギーを免震装置で吸収することによって、建物の揺れを小さくする仕組みです。 国立西洋美術館本館では、計49台の免震装置を使用しています。ゴムと鋼板を交互に重ね合わせたミルフィーユのような構造となっており、1台あたり、約140~300tの建物の重さがかかっています。地震により建物が横方向に40cmずれてゴムの層が斜めに変形した状態でも、建物の自重と地震による大きな力を安全に支えられるようになっています。かけがえのない空間を守るために ル・コルビュジエは20世紀における世界中の建築に大きな影響を与えた建築家です。国立西洋美術館本館は、彼が構想した「無限発展美術館」のコンセプトがいくつも実現され、また、ピロティ(2階以上の建物の1階部分に壁を設けず、柱だけの空間にしている形式)、モデュロール(人体寸法と黄金比を基にした美しい空間の寸法体系)など、ル・コルビュジエの設計要素を随所に見ることができます。 平成7年の阪神・淡路大震災では、多くの建物や美術品が被害を受けました。国立西洋美術館本館も、必要な耐震性能の半分以下の性能しかない状態であったため、早急に耐震改修をする必要がありました。 当時の一般的な耐震改修方法は、耐震壁を追加したり、柱・梁を補強によって太くしたりするものでしたが、この方法ではル・コルビュジエの考えた空間構成が損なわれてしまい、オーセンティシティ※2を保持することができません。 そこで、国土交通省関東地方整備局(当時:関東地方建設局)では「国立西洋美術館本館等改修検討委員会」を設置し、改修方法の検討を行い、文化的価値と耐震安全性を両立する方法として、日本初の「免震レトロフィット」 を採用しました。在来建物免震装置が地震力を受け流し、ゆっくり揺れることで地震に強い建物に地震により斜めに変形した免震装置でも安全に支える免震建物外観中央ホール※1 第2次世界大戦後の日仏国交回復を象徴し、西洋美術の変遷を学術的に日本の人々に伝える美術館として昭和34年東京都に完成した。※2 真実性、信憑性。主に建造物の保存や修復において、それらが持つ美的価値や歴史的価値のことをいう。ゆっくり揺れる、壊れない建物激しく揺れる建物めんしんじ じゅう23
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