国土交通省no142
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19平成28年5月に「地域おこし協力隊」※として北海道出身の三ツ野さんが高千穂町にやってきた。高千穂町のまちづくりに新風を吹き込むべく、多岐に渡る事業に携わっている。「地元の方たちが、当たり前すぎて気付いていないこの町の魅力などを再確認できるお手伝いをしたい」と語る。高千穂について尋ねると、地元住民さながらに詳細・丁寧に説明してくれた。移り住んで半年が過ぎ、地域にもうまく溶け込めていると言う。「皆さんが温かく迎えてくれて恵まれた環境です。任期中には、『よそ者』の視点を活かして私にしかできない足跡を残したいです」と三ツ野さんは何度も口にした。大自然の産物「高千穂峡」、神話と伝説のふるさととして知られる高千穂町。「観光は、まちづくりに欠かすことができません」と企画観光課の佐藤さんは言う。「平成27年3月に東九州自動車道路(大分から宮崎)が開通し、さらに4月には北方延岡道路が全線開通しました。その効果が如実に表れて、同年に高千穂町を訪れた観光客は162万人に達しました」と過去最高の観光客数に思わず笑みがこぼれた。「しかし、これからも持続して観光客の入り込みを図らなければいけません。そのために、昼間はボートで近づくことができる高千穂峡の『真まない名井の滝』を、夜も楽しんでいただけるようにライトアップしたり、英語・中国語・韓国語にも対応できる高千穂町問い合わせ専用ダイヤルの設置などをして、観光客数年間200万人を目指したいです。観光産業に潤いを持たせ、町がさらに活性化していければと願っています」と期待を込めて語る。農林業や畜産業が主産業である高千穂町は、町内での就業の選択肢が限られ高千穂町企画観光課観光振興係長佐藤健次郎さん高千穂町地域おこし協力隊(まちづくり担当)三ツ野寛人さん晴れた日には色鮮やかな世界が広がり、雨の日には神秘的な風情が漂うなどさまざまな表情を見せてくれる。ボートに乗り、真名井の滝を見上げながら大迫力の峡谷を楽しめる。※ 人口減少や高齢化などの進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PRなどの地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民への生活支援などの「地域協力活動」を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、地域力の創造を図ることを目的とした制度。高千穂峡高千穂町観光協会が運営。高千穂牛のコロッケなど高千穂の恵みを楽しめる。店内に設置している観光パンフレットは英語・中国語・韓国語版もあり、インバウンドにも対応している。Cafe & Buet GOKOKU

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