国土交通省no142
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20ており、就業や進学を契機に若者が町外へ流出してしまう状況に陥っていた。そんな状況を打破すべく誕生したのが、コワーキングスペース「四しごつ五二」※である。本事業に携わった児嶋さん(当時:企画観光課)にお話を伺った。「起業家を誘致するためには、金銭的な支援をするのではなく、働く場所や起業しやすい環境を提供することの方が大事ではないかと考えました」。そこで高千穂町の中心街にあった空き店舗を利活用して、低コストで気軽に利用できるスペース「四五二」を平成27年6月にオープン。利用者同士の交流も盛んで「先日も一年近く四五二を利用していた方が、新たに町内に移転することになり、みんなで送別会を開催しました。また、地域の方を講師に招き、毎回テーマを変えて朝活や夕活を開催するなど、働く場だけではなくコミュニケーションの場としても活用しています」と、とても嬉しそうに語った。高千穂観光の中心は、高千穂峡や高千穂神社がある「三田井地区」と、天安河原や天岩戸神社がある「天岩戸地区」の二つに大きく分けられる。天岩戸地区には、それまで住民主体のまちづくりを考える団体が四つ存在していたが、このままではまちづくりが進みにくいとの問題意識から、平成28年11月に「天岩戸まちづくり協議会」に一本化した。会長である栗原さんは「延岡市内から車で一時間ほどと交通のアクセスが良くなり便利になった反面、短時間の滞在で天岩戸地区を観光する方が増えています」と懸念する。「天岩戸神社には西本宮と東本宮がありますが、多くの観光客が訪れるのは天岩戸をお祀りする西本宮で、東本宮はあまり知られていません。天岩戸からお出になられた天照大神が、最初に住まわれた場所をお祀りする東本宮にも、ぜひ足を運んでいただきたい。そのためにも天岩戸神社西本宮・東本宮、門前通りや天安河原などの周遊ルートを整備して、観光客だ八百万の神々が相談されたと伝わる場所。祈願に訪れた人たちの手による無数の積み石が、神秘的かつ幻想的な雰囲気を一層引き立てている。本殿奥の御神木「七本杉」9本に見えるが、7本根っこがつながっている。崖ぎりぎりにあり危険なため立入禁止であったが、平成26年8月に遊歩道が完成した。東本宮本殿天岩戸まちづくり協議会会長栗原智昭さん高千穂町農林振興課 児嶋尚憲さん(四五二オープン時:企画観光課)オープン後オープン前(空き店舗)四五二の室内横の戸棚は可動式で、複数のスペースをつなげて広く利用することもできるように工夫されている。※ 高千穂地方の方言:仕事=「しごつ」から名付けられた。天岩戸神社 東本宮天安河原四し五ご二つ御利益は必勝・商売繁盛。全国から会社経営者やスポーツ選手が訪れるという。八はちだいりゅうおうすいじんじゃ大龍王水神社

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