国土交通省no143
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10近年、台風や集中豪雨を起因とした河川の洪水氾濫被害が発生しています。平成27年9月の関東・東北豪雨では、国が管理する鬼き怒ぬ川がわにおいて、越えっ水すいや堤防決壊などが発生しました。これにより流域の広い地域にわたり約一万棟の家屋が浸水し、約4300人もの孤立者が発生した他、流域の田畑にも甚大な被害をもたらしました。これを踏まえ国土交通省は「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」という意識のもと、社会全体で洪水氾濫に備えるため、同年12月に「水防災意識社会 再構築ビジョン」を策定しました。河川管理者・都道府県・市区町村などからなる協議会を新たに設置して、減災のための目標を共有し、ハード対策とソフト対策が一体となった取り組みを推進しています。ハード・ソフト両面からの水防災対策ハード対策として、洪水氾濫を未然に防ぐために、堤防から水が溢れないようにしたり、もし堤防から水が溢れてしまった場合でも、堤防決壊までの時間を少しでも引き延ばす工夫をしたりするなど河川整備を行っています。またソフト対策としては、新たな情報インフラツールを構築します。水害リスクの高い地域を中心に、携帯電話事業者が提供する緊急速報メールを活用した「洪水情報のプッシュ型配信」など、住民の皆さまが自らリスクを察知し主体的に避難できるよう、住民目線での対策を重点的に取り組んでいます。避難行動のきっかけとなる洪水情報をリアルタイムで提供新たに取り組んでいる洪水情報のプッシュ型配信とは、国土交通省が発信元になり、NTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー、ソフトバンク(ワイモバイル含む)といった携帯電話事業者が提供する緊急速報メールサービスを活用して、洪水情報を携帯電話のユーザーへ国土交通省が直接周知するものです。緊急速報メールは、多くの方が一度は体験したことがあるのではないでしょうか。地震発生時などに携帯電話やスマートフォンから自動的に通知されるシステムです。従来の洪水情報は、河川管理者が関係自治体や報道機関に配信して、これを元に自治体が避難指示や避難勧告を出しています。また、テレビ・ラジオ・インターネットなどを通じて住民個々へ情報を発信しています。これらの情報提供に加えて、洪水時における住民の皆さまの小貝川鬼怒川国道294号(常総バイパス)中妻駅関東鉄道常総線水海道中学校北水海道駅大生小学校水海道第二高等学校八間堀川排水機場常総市役所鬼怒川の氾濫による被災状況主体的な避難行動を促進する取り組みとして、国土交通省が洪水情報を直接住民個々の携帯電話やスマートフォンへメール配信します。配信するタイミングは「河川氾濫の恐れがある」状態、「河川の水が堤防を越えて流れ出ている」状態、「堤防が壊れ河川の水が大量に溢れ出している」状態で洪水情報が配信されます。避難指示や避難勧告は各自治体が行いますが、住民の皆さまには緊急速報メールが届いた洪水の危険性をいち早く知らせる洪水情報のプッシュ型配信を開始
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