国土交通省no143
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11「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」という意識のもと身を守る行動を国土交通省の各河川事務所や都道府県のホームページでは、住民の皆さまに平時より水害リスクを認識してもらうため、当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を「洪水浸水想定区域」として指定し、指定の区域および浸水した場合に想定される水深、浸水継続時間を洪水浸水想定区域図として公表しています。現在、国土交通省では、想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図の作成作業を行っています。こちらの情報は順次公開しており、本年中には全て公表できる予定です。また、平成28年3月には「川の防災情報 スマホ版」を公開しました。「雨の状況」「河川の水位と危険性」「河川の予警報」などをリアルタイムでお知らせするウェブサイトで、スマートフォン向けにより見やすい画面になっています。サイト内でも洪水浸水想定区域図を確認することができます。鬼怒川の洪水氾濫被害の際、早くに避難指示や避難勧告を出した自治体もありましたが、特集防災情報を活用し 命を守るら、自治体の情報を確認し河川管理者からの情報も参考にしながら、適切な防災行動をとっていただきたいと思います。洪水情報のプッシュ型配信は、「水防災意識社会 再構築ビジョン」において、平成32年度までに国土交通省が管理する109水系での配信を目標としており、国土交通省、自治体、携帯事業者の準備が整った地域から順次開始する予定です。平成28年9月、国土交通省が管理する109水系の自治体に先んじて、鬼怒川流域にある茨城県常じょうそうし総市と、過去に水害経験がある肱ひじ川かわ流域の愛媛県大おお洲ず市しで配信が始まりました。平成29年2月現在、実際の洪水時に洪水情報のプッシュ型配信を実施した事例はありませんが、常総市では、県・市と鬼怒川流域を管理する関東地方整備局下館河川国道事務所が共同で、鬼怒川が氾濫したという想定のもと、実際に住民へのメール配信を含む、情報伝達訓練が実施されました。河川管理者(国)・気象庁洪水予報作成・発表(地方整備局)一般住民メール・FAX等関係自治体、報道機関等携帯電話会社(NTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー、ソフトバンク(ワイモバイル含む))洪水情報テレビ・ラジオインターネット等緊急速報メール従来追加追加従来豪雨の時間帯が夜間であったことや、豪雨のため防災無線が聞こえなかったなどの理由で、多くの住民の避難が遅れました。「まだ大丈夫だろう」という思いから避難をしなかったという声も聞かれます。住民一人一人が情報インフラツールから洪水情報を的確に把握できれば、迅速かつ適切な防災行動を取る可能性が高まると思います。「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」という意識のもと、洪水時の被害を最小にとどめるために、そして自分の身を守るためにも、これらの情報インフラツールを活用していただきたいと思います。●川の防災情報 スマホ版 http://www.river.go.jp/s/xmn0105010/洪水情報のプッシュ型配信イメージ常総市へ配信される鬼怒川の洪水情報の例(河川氾濫のおそれ)平成28年9月に常総市内の体育館で行われた情報伝達訓練の様子【見本】(件名)河川氾濫のおそれ(本文)鬼怒川で氾濫のおそれ鬼怒川の◯◯(◯◯市)付近で、水位が上昇し、避難勧告等の目安となる「氾濫危険水位」に到達しました。堤防が壊れるなどにより浸水のおそれがあります。防災無線、テレビ等で自治体の情報を確認し、各自安全確保を図るなど、適切な防災行動をとってください。このメールは、常総市域に配信しています。(国土交通省)

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