国土交通省no143
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19て毎年参加する國分町青年会女子部の幕内さんは「この町に生まれ育ち、石岡のおまつりは私の体の一部、生きがいです。普段はもの静かな性格だと思っているのですが、友達から『1年で祭りのときだけは、人が変わったみたいに“声を張るね!”』って笑われます」と、はにかみながらも祭りへの熱い思いを語ってくれた。櫻井さんは言う。「石岡のおまつりを次世代へ継承していくためにも、若い世代の減少は大きな課題です。しかし、祭りとは人の心に根ざしているもの。たとえ、石岡から離れて暮らしていても、祭りにはみんな石岡に帰ってきてくれる。子どもたちも学校で、踊りもお囃子も稽古してくれている。幕内さんのような若い方たちもいる。石岡っ子のDNAはなくなりませんよ。石岡のおまつりは大丈夫です」石岡市西部の八や郷さと地区は筑波山、足尾山などの筑波山地の山々が連なる盆地で田園風景が広がる。ここに、有機農業を営む「暮らしの実験室 やさと農場」がある。5名の方が従事しているが、いずれも県外からの移住者である。その一人、関西出身であるという茨木さんにお話を伺った。「私は大学で環境経済学を専攻していたので、経済発展と環境問題の関係、特に有機農業には大変興味がありました。学生のときに、実際に有機農業の生活を経験してみたいと思い立ち、本で調べたり、紹介されたりして、この地に出会いました。卒業後、同じ志を持つ仲間5人と共に、農作物の生産だけでなく、有機農業を通じた循環型の暮らしをここで実践しています。家畜を飼い、肥料を作り、土を作り、有機農業による生産、生産後は、例えばわらを使った鍋敷きなどの生活雑貨を作るなど、おじいちゃん、おばあちゃ大神輿。御分霊を仮殿へ渡と御ぎょする(運ぶ)。十六弁菊花紋が施されている。幌獅子。獅子頭の後ろに囃子衆が乗り込む小屋が隠されている。笑いの踊り國分町青年会女子部では、耳の不自由な方にも祭りを楽しんでいただきたいと、掛け声に手話を用いるなど、また来たいと思っていただけるような祭りを目指し、積極的に取り組んでいる。大きな獅子頭に外国人も興味津々。「石岡のおまつり」には、祭りの趣旨を十分に理解の上、市(町)外の方も参加できる。海外からの参加者もいるという。絢けん爛らん豪ごう華かな山車が街中を練り歩く。昨年は試験的に総すべての山車と数台の獅子にGPSを搭載し、街中のどこにいるのかが分かるよう工夫し、見物客の便宜に供した。幌獅子と大群衆(写真提供:石岡市)

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