国土交通省no143
20/24

20推進を図る「NPO法人 まちづくり市民会議」がある。市民の声がまちに反映されるために、市民が集い、まちの課題について話し合う場が必要との問題意識から、平成11年6月に発会。平成12年6月には、中心市街地活性化の提言書「きらめく石岡・銀河計画」を提出し、平成13年6月に現在のNPOになった。以来「まちかど情報センター」の運営など、さまざまな形の市民参加型まちづくり推進事業を展開している。理事長の白井さんに石岡市のまちづくりについてお話を伺った。「私は千葉県で生まれ、東京で暮らしていました。縁あって今は石岡市民です。『風土』という言葉があります。『風』は他の地域からの移住者、『土』はその地域で生まれ育った方に例えられるのではないでしょうか。そして『風』と『土』が合わさって、新しい『風土』が生まれる。新しい石岡のまちづくりには、多くの風と土が合わさることが、まず必要だと思います。次に、核家族化の進展からか、石岡でも地域社会における人と人とのつながり、支え合いの機能が弱くなってきてしまっていると感じます。あらゆる世代で孤立する人たちが増えていると感じます。私が今最も力を入れているのが『困窮世帯の教育支援』です。放課後に孤立する子どもがいないように、居場所をつくりたい。さまざまな方からの寄付や助けを得て、支え合って実現できました。そこでは、先生役などさまざまな形で大人も参画しています。小さな小さなコミュニティが形成されています。これを、今度はお年寄りの中でもつくりたい。病気などで出歩けない方に対しては、こちらから出向いて行ってでもコミュんの知恵から学ぶ暮らしです。また、昔は当たり前だったであろう『共助のしくみ』も実践しています。余った野菜を融通し合ったり、パソコンを教える代わりに犬の散歩をしてもらったり、お金にはならないけれど『自分にできること』を融通しあう生活態様です。少し変わった考え方かもしれませんが、自分たちの手でつくる暮らしをしてみたいのです」県外からの移住者の目から見た石岡の魅力について尋ねてみた。「この土地の最大の魅力は、その地質だと思います。ここではなんでも栽培できます。米はもちろん、根野菜、葉野菜、果樹……、みかんもリンゴも栽培できます。実は、こんな土地は珍しい。台風などの自然災害が少なく、雪も少ない。年間の気候も農業に適しています。農業をする私たちにとっては絶好の場所です」石岡市には、市民参加型まちづくりのニティをつくる。そんな仕組みをつくりたい。石岡の中に今一度、人と人とが関わり動く、小さなコミュニティをたくさんつくりたい。そして、その小さなコミュニティがつながれば、気付けば、住みやすい、住みたいと思える『石岡家』ができている。そんなふうになれば、うれしいです」  ●   ●   ●   ●   ●一見どこにでもあるように見えるまち「石岡」。しかしここには、人口減少という現実に対たい峙じしながらも、このまちを愛し、懸命に考え行動する人たちがいる。「子どもたちが誇りに思い、石岡大好きと言えるまち」石岡の“獅子”も優しく微笑み見守っていてくれるに違いない。NPO法人 まちづくり市民会議 理事長 白井さんまちかど情報センター。「こんにちは!」「これ何?」元気な子どもたちの声が部屋中に響く。写真は、子どもたち手作りのお化け屋敷。まちづくり市民会議のモットーはSNS。「S(その件)、N(なんとか)、S(しようよ)」と気軽に手助けできる社会になりますように……。「暮らしの実験室 やさと農場」の皆さん右から:茨木さん、竹沢さん、早川さん(写真提供:石岡市)(写真提供:石岡市)

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る