国土交通省no143
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4「新たなステージ」に対応した 防災気象情報へ ~命を守るための分かりやすい情報提供を開始~近年、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化していることなどを「新たなステージ」と捉え、さらなる防災・減災対策に取り組んでいくことが必要です。気象庁では、平成27年度からこの「新たなステージ」に対応した防災気象情報の改善に着手し、より分かりやすい情報をより早いタイミングで、災害が予想される地域の自治体や住民の皆さまに提供する仕組みづくりを強力に推進してきました。そして本年夏頃から、最新の技術を駆使し、命を守るための「危険度分布」の予測情報などの提供が始まります。重大な気象災害を受けて防災気象情報の改善がスタートわが国では近年、水害や土砂災害など、重大な気象災害が後を絶ちません。平成25年の台風第26号による伊豆大島の土砂災害、平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害、さらに平成28年の台風第10号により高齢者福祉施設で多数の犠牲者を出した岩手県岩泉町の小お本もと川がわの水害など、深刻な被害が全国各地で発生しています。気象庁では、政府の中央防災会議や内閣府、国土交通省などの関係機関と連携し、こうした事態に対応できる新たな防災気象情報の仕組みづくりに平成27年度から着手しています。ここでは、本年夏頃から提供する具体的な施策を紹介します。「危険度を色分けした時系列」は、これまでは文章のみで発表されていた気象警報・注意報を、一目で分かるように危険度を時間ごとに色分けした図表で表示するように改善します(図1)。また「警報級の可能性」では、例えば台風の接近などの時に、現時点ではさほど荒れていなくても、警報を発表するレベルの悪天候が予測された場合には、5日先までの警報発表の可能性を〔高〕・〔中〕の2段階で発表し、これについても色分けした図表を用いることで、一目で分かるようにします(図2)。このように、気象庁では国民の皆さまや自治図2 5日先までの警報級の可能性を色分けした図表(本年夏頃から気象庁ホームページで公開)平成28年8月30日5時19分 盛岡地方気象台発表岩手県の注意警戒事項 沿岸北部、沿岸南部では、30日朝から31日明け方まで土砂災害に、30日昼前から30日夜のはじめ頃まで暴風に、31日明け方まで高波に警戒してください。岩泉町 [発表]大雨(土砂災害),暴風警報 [継続]波浪警報 雷,洪水,高潮,濃霧注意報 30日昼過ぎまでに洪水警報に切り替える可能性が高い 30日昼過ぎまでに高潮警報に切り替える可能性が高い で着色した種別は、今後警報に切り替える可能性が高い注意報を表しています。各要素の予測値は、確度が一定に達したものを表示しています。警報は、警報級の現象が予想される時間帯の最大6時間前に発表します。図1 危険度が高まる時間帯が色分けによって一目で分かる(本年夏頃から気象庁ホームページで公開)平成28年 8月28日11時00分 盛岡地方気象台発表岩手県沿岸北部の警報級の可能性 沿岸北部では、 29日までの期間内に、 大雨警報を発表する可能性がある。[高]:警報発表中、又は、警報を発表するような現象発生の可能性が高い状況。[中]:[高]ほど可能性が高くはないが、警報を発表するような現象発生の可能性がある状況。岩手県沿岸北部種別夕方まで12-1818-66-24[中][高][高][高][高][高][高]夜~明け方朝~夜遅く30日31日1日2日大雨暴風波浪警報級の可能性28日29日──────────────
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