国土交通省no143
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竜巻注意情報の信頼度が大きく向上県単位からより細かなエリアごとの情報提供へ現 状改善後改善茨城県栃木県埼玉県千葉県全域に竜巻注意情報を発表県全体で注意、ということは分かるけど、実際に危険度が高まっているのは限られた地域だろうし、どこまで対応すべきか?「◯◯県」と言われても、県は広いし、自分は大丈夫だろう。茨城県南部栃木県南部埼玉県北部埼玉県南部千葉県北西部に限定して竜巻注意情報を発表県内でも南部が危険。すぐに防災対応を!すぐ近くかも!空の様子を見て身を守ろう!より自らの危険として認識できる!地域に即した情報で、竜巻の危険を自分のこととして認識竜巻注意情報については、平成28年12月から発表方法が新しくなりました。最新の技術を導入し、竜巻注意情報の精度を大きく向上するとともに、発表区域をこれまでの県単位から、天気予報と同じ「○○県南部」のように変更して、よりきめ細かな情報提供をしています。平成18年に発生した北海道佐呂間町の竜巻被害を契機に、気象庁では積極的な現地調査とその結果の記録を行うようになりました。そうした調査・記録の蓄積で、竜巻などの突風が発生するときに共通した大気状態の性質が明らかとなり、今回の新しい発表方法での竜巻注意情報において、確実に良い結果をもたらしています。こうした予測精度の向上には「竜巻発生確度ナウキャスト」※と呼ばれる最新システムの性能向上が貢献しています。このシステムにより、スーパーコンピューターの大気解析情報やレーダーの積乱雲情報などから、竜巻などの突風が発生する可能性を10分ごとに高い精度で予測することが可能になっています。もちろん、従来の県単位からより絞り込んだ細かい区域ごとの情報提供が、迅速かつ正確に行えるのも、こうした最先端技術の導入の成果です。●気象庁ホームページ http://www.jma.go.jp/jp/yoho/※ 竜巻などの突風は、規模が小さいゆえにレーダーなどの観測機器で実体を捉える事ができないため、気象ドップラーレーダーによる積乱雲の回転や発達の観測などから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、発生確度という用語で情報提供している。防災機関などに提供するほか、気象庁のホームページでも確認ができる。5 新しい技術と特長❶ 雨水の振る舞いに基づいて、  災害危険度をリアルに予測これまで雨に関する災害の恐れについて、あらかじめ設定した雨量の基準値に達すると予想される場合に大雨警報・洪水警報を発表してきましたが、今後は、雨量そのものを用いるの体の防災担当者にとって利用しやすい防災気象情報の「見える化」に取り組んでいます。命を守るための「危険度分布」の予測の提供開始本年夏頃からは、従来の雨量予測だけでなく、地質、傾斜、河川流路などの国土に関するデジタル数値情報も駆使した、まったく新しい特集防災情報を活用し 命を守る「危険度分布」の予測の提供が始まります。これにより、従来は知ることのできなかった地域ごとの詳細な分布情報を基に、これまでよりもわが事感を持った避難行動が取れるようになることが期待されています。次に「危険度分布」の予測に用いた新しい技術と特長について紹介します。

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