国土交通 No.145
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17資格取得希望者就職乗船履歴取得筆記試験身体検査口述試験免 許 申 請海技免状交付身体検査口述試験・レーダー講習・救命講習・消火講習・海事英語講習 など国家試験免許講習登録船舶職員養成施設「水先人」とは、航行が難しい水域や港湾を航行する船舶に乗り込んで、船舶を安全に目的地まで案内する、船長や航海士の頼もしいパートナーです。一言でいえば海上での案内人で、海の世界では「パイロット」と呼ばれています。「パイロット」と聞くと、多くの方が飛行機の操縦士を思い起こすかもしれませんが、実は「パイロット」の語源は、この「水先人」からきています。船舶を安全に目的地まで案内する重要な任務だけに、水先人の免許を取得するには、必要な乗船経験と3級海技士(航海)以上の海技免許があること、登録水先人養成施設の課程を修了すること、水先人試験に合格することが求められます。免許は1~3級の3種類と自分が担当する区域(水先区)ごとに分かれています。どんな大きな船でも案内できる1級水先人の免許を取得するには、船長を2年以上1級水先人2級水先人3級水先人1級水先人免許2級水先人免許3級水先人免許船長2年以上一等航海士2年以上新卒者、航海士など(1年以上の乗船経験)養成施設養成施設養成施設●座学(3カ月)●シミュレータ(1.5カ月)●タグ乗船(0.3カ月)●水先実務(3.7カ月)●座学(5カ月)●シミュレータ(3カ月)●タグ乗船(0.3カ月)●水先実務(6.7カ月)●座学(6カ月)●シミュレータ(5カ月)●タグ乗船(1カ月)●水先実務(9カ月)●商船乗船訓練(2カ年)※国家試験(身体検査、筆記試験、口述試験)●無制限●5万GT以下の一般船●2万GT以下の危険物船●2万GT以下の一般船(危険物船は不可)(注) 3級→2級、2級→1級に進級するには、おのおの2年間の当該級の水先人経験を得た後、  養成施設の修了及び国家試験合格が必要(この場合、養成・試験とも一部は省略・免除)。※商船乗船訓練は、航海士・船長の乗船履歴が1年以上ある者(平水区域を除き、1,000GT以上)には求めない。対象対象対象8.5カ月間1年3カ月間3年9カ月間キャリアに応じて選べる、海技士国家試験合格までの道のりもし皆さんが海技士になって船舶の仕事に就きたいと思ったら、どうすればこの資格を手にすることができるのでしょうか。答えは一つ。「海技士国家試験」に合格することです。海技士国家試験は、年4回行われる「定期試験」と、必要に応じて実施される「臨時試験」があります。海技士国家試験を受験するためには、3種類ある海技士の資格ごとに必要な乗船履歴が定められており、今まで仕事などで船舶に乗った経験のない人は、受験することはできません。ただし、独立行政法人海技教育機構や商船系の大学や高等専門学校など国土交通大臣の登録を受けている船舶職員養成施設を卒業すると、在学中に受験に必要な乗船履歴を得られるほか、筆記試験が免除されます。もし中学生、高校生の皆さんで将来は船舶での仕事に就いてみたいと考えている人は、こういった教育機関を進学先に選ぶのもよいでしょう。Vol.08「海技士」「水先人」着岸作業の様子大型船へ乗船。乗船するときは縄梯子や可動式の階段を使うので細心の注意が必要!勤めた経験が必要です。一方、3級水先人の免許を取得するには船長経験がなくても、1年以上の乗船経験があれば足り、3級水先人免許の取得後、必要な水先人の経験を得て進級試験を受ければ、2級、1級とステップアップすることもできます。水先人は、水先区がどうなっているか、常に最新の情報を知らなくては務まりません。このため、原則として5年ごとに講習を受けて免許を更新する必要があります。また、身体検査も毎年受けるよう義務づけられています。「海技士」になるには どんな方法が?「水先人」は、 港や航路を知りつくしたプロフェッショナル「海技士」「水先人」の業務や資格制度の詳細については、国土交通省のホームページをご覧ください。http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk10_000006.html海技士国家試験の受験から海技免状交付までの流れ水先人の免許制度

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