国土交通 No.149
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4増大する航空需要に向けて全国の空港を機能強化首都圏空港の発着容量は現在年間約75万回ですが、約100万回へ増加させることを目標としています。現在も、アジア地域の主要都市ではトップクラスの発着容量を誇っていますが、今後100万回が実現すれば、ロンドン(114万回)、ニューヨーク(126万回)に匹敵する世界最高水準の発着容量になります。首都圏空港の機能強化は、観光ビジョンの目標達成や、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催のためだけではなく、わが国および首都圏の国際競争力の強化、また、日本全国の地域活性化のためにも必要です。世界の主要な44都市を対象に都市の力を表すさまざまな分野を総合的に評価した「世界の都市総合力ランキング2017」(森記念財団発表)で、東京はロンドン、ニューヨークに次ぐ世界第3位の評価を得ました。前年と同じ順位でしたが、訪日外国人の増加や、国際線の直行便就航都市数の増加などにより、2位との差を縮めました。分野別でみると、交通・アクセス分野が前年11位から大きく上昇したものの6位にとどまっており、さらにランクアッ政府が平成28年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」(以下、観光ビジョン)で、訪日外国人旅行者数2020年4000万人、2030年6000万人という目標が掲げられました。訪日外国人旅行者の9割以上が航空機を使って日本を訪れています。この目標を達成するためには、空港の機能強化が不可欠であり、これにより国際・国内のネットワークが強化され、わが国の国際競争力の強化や、人口減少が進む地方の活性化にもつながります。国土交通省では、首都圏空港を中心とした空港の機能強化や、航空イノベーションの推進などに取り組んでいます。地元の理解を得て首都圏空港を機能強化し、世界最高水準の発着容量を目指す観光ビジョンの目標を達成するためには、空路で入国する外国人の4割強が利用する、東京国際空港(羽田空港)と成田国際空港(成田空港)の首都圏空港の機能強化が必要不可欠です。総 論114162375942706510051837297126129100ヒースロー、スタンステッド、ルートンガドウィック、シティ349都市(国際334、国内15)シャルルドゴール、オルリー279都市(国際249、国内30)JFK、ニューアーク、ラガーディア224都市(国際123、国内101)成田、羽田150都市(国際102、国内48)チャンギ国際134都市(国際134、国内0)香港国際(チェクラップコク)142都市(国際142、国内0)北京首都、南苑(国内のみ)242都市(国際108、国内134)仁川、金浦145都市(国際137、国内8)ロンドン(5)パリ(2)ニューヨーク(3)東京(2)シンガポール(1)香港(1)北京(2)ソウル(2)凡 例総発着回数【万回/年】総旅客数【百万人/年】※乗り継ぎ客 は含まず国内国際都市名(空港数)対象空港就航都市数(国際、国内)119目標(150)(59)(70)(81)(46)(61)(83)(47)(72)(79)(12)(16)(22)(21)75+25旅客数も増加今後の増加予定分平成29年度時点の空港処理能力世界各都市内の空港の就航都市数・発着回数・旅客数〈出典〉・発着回数、旅客数:ACI Annual World Airport Trafc Dataset, 2017 Edition(2016年のデータ) ・就航都市数:OAG時刻表(2017年3月26日~4月2日の定期旅客便のデータ)
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