関西空港事務所では、関空を発着する航空機はもちろんのこと、近畿圏の4空港に加え、中国四国地方の高松、岡山、高知空港に対し、レーダーを使用した管制業務も行っています。東は三重県から、西は岡山県、高知県までの2府8県にまたがる広大な空域を担当し、一日およそ1200機の航空機を取り扱っています。各空港からの出発、到着経路が複雑に交錯しており、この混雑した空域を全ての航空機が効率よく安全に飛行できるよう、関西空港事務所では「広域ターミナル管制」を行っています。

一般的な空港事務所では、管制官はひとつの空港を離発着する航空機を管制します。「出発機を担当する管制官」と「到着機を担当する管制官」といった具合です。しかし、広域ターミナルでは、一人の管制官が、「出発地や目的地は違うけれど、同じ空域を飛行する航空機」を管制します。具体的には、関空、伊丹、神戸空港からの出発機は経路が重なるので、一人の管制官が取り扱います。各空港から出発した航空機が同一の空域を飛行しますが、管制官によって安全かつ効率よく飛行させています。同様に東京や北海道から神戸、高松、岡山の各空港へ向かう航空機も、同じ経路を飛行するため、一人の管制官が担当する事で空域の有効利用をしています。