とりまとめを終えて
1998年3月に閣議決定された「21世紀の国土のグランドデザイン」は、21世紀の我が国経済社会を展望しつつ、長期的な国土のあるべき姿とその実現に向けた課題や施策の方向を示したものです。現在、国、地方公共団体等の関係機関においては、これを踏まえ、国土づくりに関する各般の取組が進められています。
「21世紀の国土のグランドデザイン」は、国土の利用、開発及び保全に関し、政府にとっての政策の基本方針となるとともに、地方公共団体、民間事業者、国民各々の施策や活動を望ましい方向に誘導するガイドラインを示すものです。このため、国民の日常生活に極めて関わりの深いものから、我が国の産業経済に関するものまで、その内容は極めて多様で多岐にわたるものとなっています。このことがややもすると網羅的でわかりにくく、また、国民の関心を呼ばないとの指摘を受ける要因ともなっています。
こうした指摘を踏まえ、今回、21世紀の我が国において目指すべき国土像を、国民にとって身近な生活の視点から提示する「国土の未来像」を取りまとめました。取りまとめにあたっては、
1) 国民生活に身近なものを、
2) 生活者の視点から捉え、
3) 国民にとってわかりやすく、
4) 国民の参加や協力を前提としたメッセージとして、
提示することを基本方針としました。
今後、広く国民が、21世紀の私たちの国土のあり方を自らの問題として捉え、どうあるべきか考える際に、「国土の未来像」が一助となることを期待しています。
2000年12月
国土庁