【今後の国土利用における中心的課題】 | |
○ 人口減少に対応した国土利用への転換ついて | |
・ | 人口減少を是認するのか問題視するのかとい う基本的な考え方をどうするのか。海外からの人の受け入れという緊急に選択を迫られている問題について議論を行う必要がある。 |
・ | この研究会で人口減少の是非までさかのぼっ て議論するのは困難であり、人口減少は前提条件とした上で、人口減少によって引き起こされる土地利用上の課題を考えるべきである。 |
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○ 国内での持続可能性を高める国土利用への転換について |
・ | 国内の資源の持続可能性を高めれば海外との貿易摩擦となることは明ら
かであり、どのような論理であればそうならないかが重要である。木材や食料のみを扱うのであれば個別政策そのもので、個別施策間の論理の矛盾をつなげてい
くのが、国土計画の役割ではないか。 |
・ | 今後は国内だけでなく国際的な空間軸で考えていくべきであり、海外資
源への依存ではなく、役割分担であるという視点もあるのではないか。 |
○ その他 |
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国土利用計画を今後どのように転換していくべきかの議論をする前に、これまでの具体的な問題事例や施策の考え方を明確にし、地に足のついた議論をすべきで
ある。 |
【 今後の国土利用における国の役割 】 |
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人口減少問題についても地域差があり、それぞれの地域ごとに最適な方向を選択し進み始めている。国の役割としては、それら個別の最適解が、景観の例のよう
に全体としてみると共倒れにならないような調整と、個々の場所で魅力的な状態になり得るような方向性のサジェスチョンと誘導であると考える。 |
・ | 地方分権が進むなかで、今後は良いことばかりではなく痛みを伴うもの
も多くなり、合意に達することが困難であることが予想される。合意できる枠組み・仕組みをどのようにつくるかが国の役割として不可欠である。 |
・ | 過去に本当に中央集権的だったのかは検証が必要である。例えば、東京
一極集中是正は国の目標だったが、マーケットメカニズムに任せた結果、全く実現しなかった。地方分権の流れの中で国土計画を地方へというのはよくわかる
が、どこまで地方におろし、どのような目標を立てるのか。 |
・ | 人口配分など国土をどう活用するかは国の役割であろう。 |
・ | 国が目標設定することに疑問を持っており、人口配分も国が決めること
ではないと考えている。そもそも国の役割があるのかないのかの議論がある。今後の国土計画は課題提起型になるべきである。 |
・ | 地方では県全体の人口が減少している一方、中心市に人が集中してお
り、県内で集中と減少の問題が同時に起こっているところもある。人口という資源がなければ国土資源の管理はできず、労働に対してどのようなインセンティブ
を与えていくかといったことが資源配分の問題として重要である。 |
【 都市的土地利用の整序・集約化と自然環境の再生等 】 |
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・ | 人口推計が楽観的すぎる。地方は将来的にはもっとひどい状況になるの
ではないか。特に、農業などでは労働力の観点から人口の年齢構成が重要である。 |
・ | 都市部の人口密度の高い地域が減少するというが、現在は都心回帰の方
向性もあるので、単純には判断できない。データをもう少し深掘りした方が良い。 |
・ | 西日本と東日本では、西日本の方が人口減少の影響が深刻である。地域
性を考える必要がある。 |
・ | 都市的土地利用の集約化の目的のなかに、安全・安心を入れるべきであ
る。また実現施策をどうするか。特に税制との関わりを議論して欲しい。 |
・ | 都市的土地利用の拡大については、今まで現状追認的につじつまを合わ
せてきたというのが本音ではないか。そろそろ日本の都市をどのようにするかという都市のイメージを持っても良いのではないか。 |
・ | 地方都市では公共施設等の中心部への回帰というが、すでに郊外の施設
の周辺に店舗等が集積している。これを再び中心部に戻しては、都市全体がどうなってしまうのだろうか。集約化は全ての都市に適用できる前提にはならないと
考える。 |