我が国において発生した、ダイヤモンド・プリンセス号、コスタ・アトランティカ号の事案を踏まえ、国土交通省では、クルーズの安全・安心の確保のための検討を行って参りました。
感染症、危機管理等の専門家を含む多様な有識者の皆様からの意見を踏まえ、令和2年9月18日に「クルーズの安全・安心の確保に係る検討・中間とりまとめ」を公表するとともに、関係業界団体が策定したクルーズ船及び受入港の感染予防対策に関するガイドライン(国内クルーズを対象とした初版)も公表されました。
邦船クルーズ事業者においては当該ガイドラインに基づき、感染予防対策の実施、トライアル運航時における有症者発生対応訓練の実施などにより日本海事協会(NK)による第三者認証を取得するなど、安全安心のための取組が進められた結果、本格的な国内クルーズ運航が順次再開されました。
また、トライアル運航により得られた知見を踏まえ、令和2年10月23日には国内クルーズを対象とする第二版のガイドラインが公表されました。
〇 中間とりまとめ (概要等)
〇 業界ガイドライン
「外航クルーズ船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(第九版)
「クルーズ船が寄港する旅客ターミナル等における感染拡大予防ガイドライン」(第九版)
上記とりまとめでは、邦船クルーズ事業者に対して、新型コロナウイルス感染症への感染予防のための措置等を講ずることが重要としています。
これを受け、令和2年11月2日に「海上運送法施行規則」を改正し、海上運送法に基づく「安全管理規程」に定めるべき事項として感染症予防に係る措置に関する事項等を追加することにより、邦船クルーズ事業者に対して衛生管理規程(感染症対策マニュアル)の届出を義務付けることとしました。
〇 省令改正概要 (省令・告示)
<日本海事協会について>
日本海事協会は、我が国唯一の国際船級協会として、船舶の設計図面の審査及び承認、船級及び設備の登録検査、船級及び設備の登録維持検査等の承認といった船舶のハードに関わる業務から、船舶安全管理システム審査や船舶保安システム審査登録のような船舶のソフトに関わる業務まで幅広くサービスを提供しています。
また、造船所、機器製造所、船舶管理会社等に対して、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO 14001(環境マネジメントシステム)、OHSAS 18001(労働安全衛生マネジメントシステム)の認証も行っています。
<日本海事協会による第三者認証について>
日本海事協会は、各種マネジメントシステム認証で培った知見・経験を活用し、感染症対策に貢献すべく、邦船クルーズ事業者、学識経験者、医療専門家、旅行会社などから構成される検討会を設置しました。バイオセーフティマネジメントシステム規格(BSMS 規格)の検討を本年5月から開始し、本年7月にはBSMS規格を策定しました。
これらの取り組みを踏まえ、各邦船クルーズ事業者において感染症対策を徹底しています。詳細は以下URLをご参照ください。
〇 にっぽん丸(商船三井客船株式会社)
https://www.nipponmaru.jp/news/20201001-1486/
〇 飛鳥2(郵船クルーズ株式会社)
https://www.asukacruise.co.jp/coronavirus_information/