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次世代人材育成支援事業

<問い合わせ先>
国土交通省海事局造船課
(内線43713)
TEL:03−5253−8111(大代表)

 我が国の造船産業は、ほぼ100%の国内生産を維持しながら新造船建造量において半世紀近くにわたり世界第1位を維持し、その後も韓国とトップを争っている希有な産業となっています。その要因の1つとして、工程の全自動化が困難な製造現場において、高度な判断と自己裁量性に対応できる優秀な人的資源の存在があります。
 しかしながら、オイルショック後の造船不況期に各社が技能者の採用を控えたため、技能者の半数近くが50歳以上の高齢技能者となっており、その一方で、30歳台の技能者が全体の10%強程度しか存在しないという、業界全体の技能者の年齢構成に大きな偏りが生じています。このため、今後10年間には、かつて経験したことのない大規模な世代交代の時期を迎えることになります。

造船技能者の年齢構成

造船技能者の年齢構成

 

 今後起こる急速な世代交代の中で有効な対策を講じなかった場合、これまで我が国造船業の国際競争力を支えてきた製造現場の技術レベルが一気に低下競争力を喪失することにつながりかねない状況にあります。
 このような中、新卒・中途採用者の即戦力化のための座学・実技研修や、中堅技能者への専門技能研修など、技能習得の各ステップにおいて効率的な訓練を施すことにより造船に関する「匠」の技能を円滑に伝承する必要があります。また、人材データベースを構築し、高齢技能者の指導者としての活用を図る必要が生じています。このため、平成16年度から(社)日本中小型造船工業会を通じ、これらの研修事業等に対する支援を行っているところです。
 本支援事業を受けて、平成16年4月には、造船関係3団体(※1)が連携して、(社)日本中小型造船工業会内に造船技能開発センターを設置し、研修用教材の作成や研修用機材の整備など、各地域の造船産業集積地で行われる研修事業を支援する事業を開始するとともに、平成16年度には因島地域及び今治地域において、平成17年度には東日本地域及び大分地域において集中研修事業が開始されたところです。さらに、研修指導者育成のための取組みや、製造現場におけるOJT(オンザジョブトレーニング)指導用教材の作成・提供なども開始され、総合的な取組みが行われています。海事局では、今後も引き続き積極的な支援を行うこととしています。

造船技能(ぎょう鉄)

造船技能(ぎょう鉄)(※2)

※1 (社)日本造船工業会、(社)日本中小型造船工業会及び(社)日本造船協力事業者団体連合会
※2 鋼板にガス火炎で線状に熱を加え、水冷することにより目的の3次元曲面に加工する造船特有の作業


各地域における造船産業人材育成事業への取組み

1.大分地域造船技術センター

「大分地域造船技能研修センター」入所式

「大分地域造船技能研修センター」入所式

 九州運輸局管内における造船産業人材育成への取組みとして、平成18年1月に大分県佐伯市に「大分地域造船技術センター」が設立され、4月4日には、入所式が行われました。本年度は、大分県内の造船関連企業の新規採用者など34名の受講生が、約3ヶ月間にわたり図面の見方や溶接技術など造船業の基礎知識の訓練・教育を受講。16人体制の講師陣のうち、半数は地域の造船業界を定年退職した技能者で構成され、長年培った「匠」の技能はもちろん、ものづくりの喜びや尊さ、さらには安全教育、造船業の責任ややりがいを受講生に伝えたいとしています。

2.東日本造船技能研修センター
  関東運輸局管内の造船関係協力事業者が中心となって、造船産業人材育成への取組みとして、平成18年2月「東日本造船技能研修センター」が横浜に設立されました。同センターは、北は北海道地区から南は東海地区に至るまで幅広い地域を対象として研修生を受け入れており、業集積度の高い西日本の造船産業集積地とは違った形での取組みを行っています。
 本年度は、4月5日から、41名の受講生により約3ヶ月にわたって実施される「新人研修」では、クレーン操作、玉掛け、溶接などの基礎的技能教育のほか、図面の見方や安全教育などを実施。また、技能レベルの向上した技能者を対象とする「溶接専門技能研修」についても実施予定です。

「大分地域造船技能研修センター」入所式

「東日本造船技能研修センター」入所式