●2015年3月18日に国連防災世界会議の関連イベントとして国際砂防シンポジウムを開催し、16カ国約280名の方に参加をいただきました。
●基調講演、話題提供、パネルディスカッションを通して、気候変動や都市化等の観点から土砂災害対策に関する各国共通の課題について意見を交換しました。
●今後も各国が協力し対策を検討するとともに情報交換を行うことで合意しました。
開催日時・場所
- 平成27年3月18日(水)10:00~16:10
- AER情報産業プラザ 多目的ホール(宮城県仙台市)
当日のプログラム
基調講演 |
[1] 大野 宏之 |
国土交通省水管理・国土保全局砂防部長 |
「日本における気候変動と都市化に伴う土砂災害リスク増大への挑戦」 |
[2] マリア・パテック |
オーストリア農林環境水資源管理省砂防部長 |
「オーストリアにおける土砂災害リスク対応:リスク管理からリスクガバナンスへ」 |
[3] ユーリ・ジュスティーナ |
ブラジル都市省都市計画局部長 |
「自然災害リスクの統合管理に関する国家戦略の強化」 |
話題提供 |
[1] ファウスト・グゼッティ |
イタリア国家研究評議会水文地質防災研究所長 |
「イタリアにおける地すべり予測事業:全国地すべり早期警報システムの開発」 |
[2] アシリ・カルナワルデナ |
スリランカ国家建築研究所長 |
「スリランカにおける地すべり災害管理」 |
[3] ジョセフ・ヘス |
スイス環境・交通・エネルギー・通信省環境局次長 |
「スイスにおける土砂災害の統合リスク管理」 |
[4] 陳樹群 |
台湾国立中興大学教授 |
「台湾における気候変動と都市化による土砂災害リスク増大への挑戦」 |
[5] 鈴木研司 |
国土交通省東北地方整備局河川部長 |
「東北の砂防」 |
パネルディスカッション |
コーディネーター:水山 高久 京都大学大学院教授 |
パネリスト:上記話題提供者に加えて、
渡 正昭 国土技術政策総合研究所 土砂災害研究部長 |
提 言 |
当日の様子

関係者集合写真

パネルディスカッション
講演、パネルディスカッションの主な意見
【パラダイムシフト】
- 多様な利害関係者の合意形成のためリスク管理からリスクガバナンスへのパラダイム転換が求められている(オーストリア)
【気候変動への対応】
- 氷河後退、永久凍土融解により、生産土砂量が増加(スイス)
- 大型台風により深層崩壊、天然ダム等による複合災害が発生。超過外力に備え、防災施設の強靱化が必要。
- 気候変動により局地的豪雨の増大が予測され、土砂災害の発生頻度、規模等の増大が想定。不確実性を考慮し、ハード・ソフト組み合わせた統合的なリスク管理が重要。
【都市化への対応】
- 人口増加と経済発展に伴い都市人口が急増。山麓の危険な地域に市街地が拡大。特に貧困層の不法な居住が対策を難しくしている(ブラジル)。
- リスク評価を土地利用計画・都市計画へ反映することが重要
- 土地利用規制や移転等について実効性を上げるため、リーガルバインド(法的拘束力)の確保が重要(スイス)。
【早期警報システム】
- 地域を特定した早期警報システムが必要(スリランカ)。
- 土砂災害の避難基準雨量には不確実性があり、住民理解のため防災教育が必要。
【研究開発への投資拡大】
- 早期警報、リスク評価、防災施設の計画・設計等に関する技術開発が重要。そのための研究開発投資を拡大すべき。
【国際協力・交流の推進】
- 研究者、政府関係者等の情報交換・交流を促進すべき。

- 国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部 砂防計画課 地震・火山砂防室 室長岡本 敦
- 電話 :03-5253-8111(内線36151)
- 直通 :03-5253-8468
- ファックス :03-5253-1610
- 国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部 砂防計画課 地震・火山砂防室 課長補佐杉本 宏之
- 電話 :03-5253-8111(内線36152)
- 直通 :03-5253-8468
- ファックス :03-5253-1610