新住宅市街地開発法は、昭和三八年七月一一日法律第一三四号として公布施行され、同法施行令は一一月一五日政令第三六五号として、同法施行規則は一二月二八日建設省令第二五号として、それぞれ公布施行された。現下の宅地難に対処するためには、本法に基づく新住宅市街地開発事業を積極的に推進する必要があるので、本法の施行にあたつては、左記の諸点に留意の上、遺憾のないようにされたく、命により通達する。
一 新住宅市街地開発事業は、人口の集中の著しい市街地の周辺の地域において低廉で良好な住宅地を大規模かつ計画的に供給することを目的とする事業であるので、今後これらの地域において宅地難を緩和するため、全面買収による大規模な宅地開発を行なう場合には、本法に基づく新住宅市街地開発事業の積極的活用を図ること。
二 新住宅市街地開発事業を施行するにあたつては、長期の宅地需給の見通しの下に事業実施の計画を策定するとともに、事業の円滑な遂行を期するため組織機構の整備を図ること。
三 新住宅市街地開発事業は、大規模かつ総合的な町づくり事業であり、都市計画事業として施行されるものであるので、本事業の施行にあたつては、関係部局間の密接な連絡協調を図ることはもちろん、交通施設その他の諸施設の担当機関との十分な調整を図り、本事業の円滑な遂行を期すること。
四 本法においては、新住宅市街地開発事業が施行された土地の区域が健全な住宅市街地となることを確保するため、本事業の施行に関し所要の規制が加えられ、また、処分後の造成宅地等の利用に関し処分計画の基準等が決定されているが、これらのほか、必要に応じ、特別用途地区、空地地区、高度地区、容積地区、特定街区、防火地域、準防火地域及び美観地区の制度、壁面線の制度、建築協定の制度を活用して、その実効を確保すること。
五 造成施設等の処分計画の策定にあたつては、当該地域における宅地需要の実態を勘案して、公営住宅用地、公団住宅用地、協会、公社住宅用地、一般分譲住宅用地等への配分を適正に行なうこと。
六 新住宅市街地開発事業に対する住宅金融公庫の住宅用地造成事業資金の貸付けに関しては、特別の取扱いをする旨関係諸機関において了解済みであること。
七 新住宅市街地開発事業の施行に伴い必要となる公共施設の整備に関する資金の援助その他必要な援助に関しては、本省においても十分配慮して取り扱う方針であること。