経宅発第一二九号
昭和六三年九月一日

関係都府県知事・関係指定都市の長あて

建設省建設経済局長通達


大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の施行について


標記については昭和六三年九月一日付け建設省経宅発第一二八号をもって建設事務次官名により通達したところであるが、同法の実施に当たっては、さらに左記の点に留意し、遺憾のないようにされたい。
なお、貴管下関係市町村に対しても、この旨周知徹底方をお願いする。

記

1 宅地開発事業計画の認定について

(一) 本法に基づく建設大臣の認定は、宅地開発事業に関する既存の法令を前提として緊急に促進すべき優良な宅地開発事業を特定する性格のものであり、都市計画法(昭和四三年法律第一〇〇号)等に基づく許認可等とは別個のものであって、これらの許認可等は別途各個別法に基づき行われるものであること。したがって、認定の対象となる宅地開発事業計画は、都市計画法の開発行為の許可申請の際に必要とされるようなものではなく、当該宅地開発事業の基本的事項を定めるものであること。
(二) 本法の認定の基準は、このような認定の趣旨に従い運用されるものであるが、その運用について次の方針を考えているので了知されたい。

一 事業区域について

事業区域に関する認定の基準は、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法(以下「法」という。)第四条第一項第二号及び大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法施行規則(以下「規則」という。)第四条第一号に規定されているが、この基準は、災害の危険性のある区域、適切な交通手段の確保の可能性のない区域等宅地開発事業を実施する区域としては好ましくない区域において実施される宅地開発事業に関する計画は認定を行わない趣旨であること。
また、次のような区域において実施される宅地開発事業に関する計画についても認定を行わない趣旨であること。
イ 環境保全上問題があり、又は問題を生じるおそれがある区域(例えば、航空機騒音の著しい区域等が考えられる。)
ロ 国立・国定公園特別地域、原生自然環境保全地域、自然環境保全地域及び国設鳥獣保護区特別保護地区
ハ 農業振興地域の整備に関する法律(昭和四四年法律第五八号)第八条第二項第一号の農用地区域の土地又は森林法(昭和二六年法律第二四九号)による保安林、保安施設地区及び保安林予定森林、並びに保安林整備臨時措置法(昭和二九年法律第八四号)に基づく保安林整備計画において保安林の指定が計画されている土地の区域

なお、前記に掲げる区域は、規則第三条第八号に規定する図面において明らかにされるべき土地の利用の現況としての重要事項であること。

二 宅地の造成及び公共施設の整備に関する計画について

法第四条第一項第五号の基準は、良好な居住環境の確保のために適切な配置及び規模の住宅用地、公益的施設用地、業務施設用地及び公共施設が確保される宅地開発事業に関する計画のみを認定する趣旨であり、法第四条第一項第六号及び第七号並びに規則第四条各号の規定は、これを具体化したものであるが、これらの基準については、さらに、次の点が重要であること。
イ 事業区域内に立地させる業務施設は、居住者の雇用機会の増大及び事業区域の昼間人口の増加に寄与するものであり、当該施設の立地により追加的に人口、業務機能の集積をもたらすことが予想されるものは含まれないが、業務施設用地を設ける場合においては、法第四条第一項第七号に定める宅地開発事業に該当しないものにあっても、当該宅地が良好な居住環境と調和しつつ適切に確保されているとともに、農林漁業が行われている周辺地域の環境に適切に配慮されていること。
ロ 宅地の造成及び公共施設の整備に関する計画については、生活排水の適切な処理、例えば、下水道への接続等が予定されているものであること。

(三) 宅地開発事業計画は、一の宅地開発事業ごとに作成するものであり、当該宅地開発事業に係る宅地開発事業者が複数である場合には、連名で認定の申請をするものであること。

2 都府県知事の経由について

都府県知事は、宅地開発事業計画の提出を受けたときは、当該宅地開発事業計画を速やかに建設大臣に送付するとともに、その後行われる左記3の意見聴取に対して円滑に意見を述べられるように関係市町村に対する当該宅地開発事業計画の概要の周知についても配意すること。

3 関係地方公共団体の意見聴取について

関係地方公共団体の意見聴取の趣旨については、昭和六三年九月一日付け建設省経宅発第一二八号の事務次官通達において記したところであるが、意見聴取は、宅地開発事業について、地方公共団体の立場で、立地を可と認め得るかについての判断を求めるものであり、当該宅地開発事業の実施に伴って調整が必要となる事項についての詳細な意見を求めるものでないこと。また、提出された意見は認定に際し十分尊重するものであることを踏まえ、さらに次の点に留意すること。
一 意見を述べるのは、聴取があってから二ケ月以内とし、二ケ月以内に意見が述べられないときは、その理由を明確にして建設大臣に通知すること。
二 意見は、立地の可否についての協議調整を完了した段階で述べることとし、各個別法令毎の事前の審査までは要しないこと。
三 意見を述べようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴くこととされているが、この意見聴取も市町村の立場で宅地開発事業の立地の可否についての判断を求めるものであり、都市計画法第三二条の協議等は従来のとおり開発許可の手続きの中で行われるものであること等を周知して、できる限り速やかに関係市町村の意見を得るように努めること。

4 認定計画事業の適正な実施について

認定計画事業の適正な実施を図るため、法の運用について次の方針を考えているので了知されたい。
(一) 宅地の造成等の開始の届出について

法第八条の規定は、認定計画が宅地開発事業についての基本的事項を定めるものであることから、開発許可等により事業の細部が確定した段階で、宅地の造成等の内容を了知するとともに、その内容と認定計画との整合性について審査するものであり、この届出は、開発許可等が行われた後、最初の工事に着手する前にのみ行うものであること。

(二) 宅地の造成等の確認について

法第九条の規定は、宅地の造成及び公共施設の整備に関する工事が完了し造成宅地の処分を行う前に、造成宅地及び公共施設の配置、規模等が認定計画に従って行われたかを確認するためのものであり、この確認は、宅地の造成及び公共施設の整備に関する工事の全部又は一部が完了した場合に行うものであるが、事業区域の一部についての確認については、さらに、次の方針を考えていること。
イ 確認を受けようとする区域は、都市計画法第三六条の開発行為に関する工事完了の検査等他の法令による類似制度に基づく措置の講じられた区域とできる限り一致させること。
ロ イによりがたい場合にも、確認を受けようとする区域は、良好な居住環境を備えた一団の土地の区域とすること。

(三) 良質な住宅地の保全について

法第一〇条の規定は、建設大臣の認定を受け、特別にその促進が図られる宅地開発事業によって供給される住宅地については、できる限り良質な宅地ストックとして保全されることが望ましい一方で、過度の権利制限を行えば事業者及び宅地購入者の過大な負担となり、宅地供給の促進という本法の趣旨に反する結果となること等を勘案して、私的契約によって良質な住宅地が保全される建築協定制度を活用することとしたものであり、この趣旨に沿った建築協定が定められることが期待されているものであること。

5 資金の確保等について

認定計画事業については、住宅金融公庫の宅地造成融資の割増融資等資金の確保のための特別の措置が講じられるものであることを了知されたい。

6 開発許可等についての配慮について

認定計画事業は本法の目的を達成するための優良な宅地開発事業であることにかんがみ、都市計画法、宅地造成等規制法(昭和三六年法律第一九一号)による許認可等についての手続の迅速化等に特に配慮すること。
このため、昭和六一年五月一三日付け建設省建設経済局長通達「大規模開発に係る開発許可事務処理マニュアルについて」の定める他法令所管部局との横断的調整組織、窓口業務を担当する組織等を活用して、標準的事務処理期間内に開発許可事務を終了するよう努めること。

7 経過措置について

法附則第三条の経過措置の規定は、現下の宅地の緊急供給の必要性にかんがみ、法の施行時において既に実施中の宅地開発事業についても、法施行後良質な住宅地を供給しうる一定の事業については、特別に本法の対象とすることとしたものであり、法の施行の日から六月間(昭和六四年二月一二日まで)に限り認定の申請を認めるものであることを了知されたい。
なお、この場合における関係地方公共団体への意見聴取については、三にかかわらず極めて簡易・迅速に行うものであること。

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