廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号)は、平成三年一〇月五日付けで公布された廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律(平成三年法律第九五号)により、その一部が改正され、本年七月四日から関係政省令とともに施行されることとなった。
今回の法改正は、廃棄物の増大、多様化に対応して廃棄物の適正処理を確保することを目的として行われたものであるが、事業者がその産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合の基準(以下「委託基準」という。)の明確化、特別管理産業廃棄物の指定等に伴い、建設業においても、適切な対応を図ることが求められているところである。
ついては、改正された廃棄物の処理及び清掃に関する法律の内容を十分理解されるとともに、左記の事項について留意のうえ、貴団体傘下の建設業者に対し周知徹底を図り、その遵守について適正な指導に努められたい。
1 産業廃棄物処理基準等に基づく適正処理の推進
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないものである。産業廃棄物を自ら運搬又は処分する場合は、産業廃棄物処理基準を遵守するとともに、その運搬されるまでの間の保管については、産業廃棄物保管基準を遵守すること。その際、特に次の点に留意すること。
1) 野焼きは軽微なものを除き行ってはならないものであること。
2) 安定型産業廃棄物の埋立処分場において埋立処分を行う場合には、有害な産業廃棄物が混入することのないようにしなければならないこと。
2 産業廃棄物の運搬又は処分の委託の適正化
事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならないものであることから、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合においては、委託基準を遵守し、適正な委託を行うこと。その際、特に次の点に留意すること。
1) 産業廃棄物の委託は、運搬については産業廃棄物運搬業者に、処分については産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託すること。
2) 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、委託する廃棄物の種類及び数量、運搬の最終目的地の所在地、処分の場所の所在地、処分方法等政省令に定められた条項を委託契約書に含めること。
3 特別管理産業廃棄物の処理の適正化
廃棄物のうち、爆発性、毒性等人の健康又は生活環境に被害を生ずる恐れのある廃棄物については、特別管理産業廃棄物として、規制が強化されたところである。建設業に係るものとしては、飛散性アスベスト等が指定されたが、その処理に当たっては、次の点に留意すること。
1) 自ら特別管理産業廃棄物の運搬又は処分若しくは保管を行う場合には、特別管理産業廃棄物処理基準及び特別管理産業廃棄物保管基準等を遵守すること。
2) 自ら特別管理産業廃棄物管理責任者となる事業場以外の事業場について、各事業場ごとに、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置すること。
3) 運搬又は処分を委託する場合には、運搬については、特別管理産業廃棄物収集運搬業者に、その処分については、特別管理産業廃棄物処分業者に委託基準に従って適正に委託すること。
4) 特別管理産業廃棄物の運搬又は処分を委託するときは、特別管理産業廃棄物管理票を受託者に交付しなければならないこと。