建設省都市局長通達
記
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(別紙) 都市環境計画の構成について
都市環境計画の構成を以下に示すが、これは都市環境計画の構成の基本であるべきものを示したものであるので、市町村の実情により、市町村の独自の判断によって、この項目から取捨選択し、また、新たに独自の項目を設けることについては、さまたげるものではない。
1 都市環境計画の理念
都市環境計画の基本理念は、環境負荷の軽減、自然との共生及びアメニティの創出を図った質の高い都市環境の形成であり、この理念に沿って、望ましい都市環境像を明らかにすること。
2 都市環境の現況
都市環境計画策定の基礎的作業として、都市計画基礎調査等既存資料の活用や必要に応じた新たな調査の実施により、都市環境の現況について把握、評価を行うこと。都市環境の現況の評価は、都市環境計画の目標、課題の前提となるものであるので、当該都市の都市環境の特徴が明らかとなるものとすること。具体的な項目については、以下に例を示すので、これを参考とされたい。
1) 都市環境の現況の把握
1) 都市の土地利用及び整備の現状(土地利用の現状、市街地開発事業の現状↑等)
2) 都市の創出的環境の現状(都市の利便性の現状、文化環境の現状↑等)
3) 都市の自然的環境の現状(地形、気候、大気の現状、水環境の現状↑等)
4) 都市環境改善の取組の現状(都市環境改善に資する施設整備の現状、都市環境改善の市民の取組の現状↑等)
5) 都市環境に対する市民意識(都市環境に関する住民アンケートの結果↑等)
6) 都市環境の現状のまとめ(当該都市の都市環境の長所、短所の整理)
3 都市環境形成の目標・課題
1) 都市環境計画の目標・課題
都市環境計画の目標・課題については、環境負荷の軽減、自然との共生及びアメニティの創出を図った質の高い都市環境の形成という都市環境計画の基本理念を踏まえた上で、それに各都市の実情を考慮して定めること。また、既存のマスタープランの目標と整合のとれたものであること。特に、環境負荷の軽減、自然との共生、アメニティの創出については、バランス良くその実現を図るよう、その目標・課題を明らかにすること。
2) 課題・目標の定量的な目標値の設定
都市環境計画の目標・課題の中で、定量的に表せるものは出来るだけ記述すること。
4 目標達成及び課題への取組のための具体的な方策
都市環境計画の目標・課題に対応して、その取組のための具体的方策として、具体の地区を対象とした事業や施策を示すこと。この場合、施設整備事業のようなハード施策のみならず、ソフト施策、あるいはそれらを組み合わせた施策に関する事項についても、明らかにし、総合的な効果が発揮できるように留意すること。この内容は、都市計画と充分な連携をとって定めること。また、緑のマスタープラン、都市交通のマスタープラン、流域別下水道整備総合計画等既存の都市計画に関連する計画がある場合には、その活用を図ること。
具体的な項目については、以下に例を示すので、これを参考とされたい。
1) 水環境の保全・創出方策
2) 都市内の緑化推進、緑豊かな自然環境の保全・創出方策
3) 都市空間の整備方策
4) 都市交通体系の整備方策
5) 省エネ・リサイクル都市システムの整備方策
6) 土地利用の方策
7) その他の方策
5 重点整備計画
重点整備計画は、都市環境計画のうち都市環境を整備・改善するための緊急かつ重点的に実施すべき事項を定めるアクション・プログラムである。重点整備計画は、特定の地区を対象とし、その地区において重点的に都市環境の整備を図る重点整備地区の場合と、特定の施策(事業)を決め、それを都市全体で重点的に整備する重点整備施策の場合と二つのタイプがある。重点整備計画の構成として、以下に例を示すので、これを参考とされたい。
1) 重点整備地区の現状と問題点又は重点整備施策の必要性
2) 重点整備計画の目標
3) 重点整備計画の基本方針
4) 重点整備計画の事業実施のあり方
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