建設省厚発第四五号・技調発第六七号
昭和五三年二月一七日

各地方建設局総務部長・各地方建設局企画部長・北海道開発局建設部長・沖縄総合事務局開発建設部長あて

地方厚生課長・技術調査室長通知


事業執行に関する措置についての運用について


昭和五三年二月一七日付け建設省官技発第六六号により通知された「事業執行に関する措置について」の運用を左記のとおり定めたので通知する。

第1 早期発注の推進

1 通達の記第二項(1)の出水期等の前後にまたがる工期の設定に当たっては、次の事項に留意するものとする。

(1) 一本化して発注することが種々の条件からみて有利であるものに限り慎重に運用すること。
(2) 工期中に含まれる出水期等の中断期間については、現場保全措置等を的確に行うよう計画すること。
(3) 前項の中断期間の限度は、中断期間を設けずに分離発注した場合の現場管理費、一般管理費等の費用及び共通仮設費の和より、一件として発注した場合の全体工期に対する現場管理費、一般管理費等の費用、共通仮設費及び中断期間の経費の和の方が小さい範囲に限ることを目途とするものとする。
(4) 出水期等の中断期間を含めた工期を設定したものについては、契約担当官等は、工事の発注に当たり、その旨を現場説明の際に的確に説明すること。

2 通達の記第二項(2)の余裕期間を見込んだ早期契約制の運用については次によるものとする。

(1) この制度の趣旨は、発注者において最終工事完成期限をあらかじめ定めうる場合に、定められた実工事期間の前に余裕期間を設けることにより、発注者の計画的発注を促進するとともに受注者の円滑な工事施工体制の整備に資することにあること。
(2) 以下において次の各号に掲げる用語はそれぞれ当該各号に定めるところによる。

一 工期 始期と終期の期日を明示した実工事期間をいう。
二 全体工期 余裕期間と実工事期間の合計で始期と終期を明示したものをいう。
三 実工事期間 実際に工事を施工するために要する期間で準備期間と跡片づけ期間を含めたものをいう。

(3) 契約担当官等(会計法第二九条の三第一項に規定する契約担当官等をいう。以下同じ。)は、(1)の趣旨により、必要と認めるときは、契約ごとに実工事期間の三〇%を超えず、かつ、三か月を超えない範囲内で余裕期間を定めることができること。ただし、特別の事情のある場合はこの限りでないこと。
(4) 契約担当官等は、あらかじめ工期を指定するものとすること。
(5) 契約書に記載する工期は、前項の契約担当官等が指定した工期とするものとすること。
(6) 契約担当官等は、入札参加者等に対し、入札通知書、見積依頼書、現場説明等により早期契約制による契約である旨とその契約の全体工期を了知させるものとすること。
(7) 特記仕様書には余裕期間内における資材の搬入、仮設物の設置等工事の着手を行ってはならない旨の記載をするものとすること。
(8) 契約担当官等は、余裕期間を与えることにより繰越しが生じないよう配慮するものとすること。

第2 建設資材、労働力のひっ迫に対する適切な措置

通達の記第六項前段の建設資材、労働力のひっ迫が予期される場合の工期、工程の設定に当っては、次の事項に留意すること。
(1) 当該建設資材、労働力のひっ迫が予想される時期とその調達ないし使用の時期が合致しないような工程を設定するとともに、この時期にはこれに関係しない工種を施工する等の配慮を行い、全体として工事の遅延を来たさないように工夫すること。
(2) 前項の配慮によってもなお、アスファルト、生コン等即時性の強い建設資材のひっ迫の場合など、ひっ迫期と所要工程とが競合する場合にあっては、的確に工事現場の保全措置を講じ、工事を中断し、当該期間経過後、速やかに工期を再開する工程をとることができるものとする。
(3) 前項の中断期間の限度は、中断期間を設けずに分離発注した場合の現場管理費、一般管理費等の費用及び共通仮設費の和より、一件として発注した場合の全体工期に対する現場管理費、一般管理費等の費用、共通仮設費及び中断期間の経費の和の方が小さい範囲に限ることを目途とするものとする。
(4) 建設資材、労働力のひっ迫の状況を勘案し、中断期間を含めた工期を設定したものについては、契約担当官等は、工事の発注に当たり、その旨を現場説明の際に的確に説明すること。
(5) 契約担当官等は、建設資材、労働力のひっ迫を予期して工期、工程を計画する場合にあっても、みだりに予算の繰越しが生じないよう配慮すること。

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