建設省計振発第六九号
昭和五三年一一月一日

都道府県担当部長、建設業者団体の長あて

建設振興課長通達


建設工事共同企業体の事務取扱いについて


今般、茨城県土木部長から標記について照会があり、別添のとおり回答したので、参考までに送付する。



別添

建設工事共同企業体の事務取扱いについて(回答)

(昭和五三年一一月一日)
(建設省茨計振第七七一号)
(建設振興課長から茨城県土木部長あて)
最近改正 平成九年三月二六日経振発第二七号
昭和五三年一〇月二三日付けをもって照会のあった標記について、左記のとおり回答する。
1 建設工事共同企業体の資格審査の取扱いについて

貴見のとおり取り扱うのが適当と考える。
なお、中小建設業者同志以外の者で結成される建設共同企業体(年度間を通して結成される共同企業体)の資格審査については、貴見イにより取り扱うのが妥当であるので、念のため申し添える。

2 建設工事共同企業体協定書(甲、乙)について

昭和三七年一一月二七日付け建設省発計第七九号「中小建設業の振興について」において示した建設共同企業体協定書(甲、乙)は、御指摘のとおり、年度間を通して結成される建設共同企業体を基本とするものであって、同協定書をそのまま、特定の建設工事ごとに結成される建設工事共同企業体の協定書とすることは一部適当ではない面もある。
したがって、建設工事共同企業体協定書(甲、乙)は、別紙協定書を使用することが適当である。
なお、別紙協定書は標準的なものであって、共同企業体の施工の目的に応じて発注者において適宜変更して利用しても差し支えないものであることを念のため申し添える。



別紙

特定建設工事共同企業体協定書(甲)

(目的)

第一条 当共同企業体は、次の事業を共同連帯して営むことを目的とする。

一 ○○発注に係る○○建設工事(当該工事内容の変更に伴う工事を含む。以下、単に「建設工事」という。)の請負
二 前号に附帯する事業
(名称)

第二条 当共同企業体は、○○特定建設工事共同企業体(以下「当企業体」という。)と称する。

(事務所の所在地)

第三条 当企業体は、事務所を○○市○○町○○番地に置く。

(成立の時期及び解散の時期)

第四条 当企業体は、昭和 年 月 日に成立し、建設工事の請負契約の履行後○カ月以内を経過するまでの間は、解散することができない。

(注) ○の部分には、たとえば三と記入する。

2 建設工事を請け負うことができなかったときは、当企業体は、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に係る請負契約が締結された日に解散するものとする。

(構成員の住所及び名称)

第五条 当企業体の構成員は、次のとおりとする。

○○県○○市○○町○○番地

○○建設株式会社

○○県○○市○○町○○番地

○○建設株式会社

(代表者の名称)

第六条 当企業体は、○○建設株式会社を代表者とする。

(代表者の権限)

第七条 当企業体の代表者は、建設工事の施工に関し、当企業体を代表して、発注者及び監督官庁等と折衝する権限並びに自己の名義をもって請負代金(前払金及び部分代金を含む。)の請求、受領及び当企業体に属する財産を管理する権限を有するものとする。

(構成員の出資の割合)

第八条 各構成員の出資の割合は、次のとおりとする。ただし、当該建設工事について発注者と契約内容の変更増減があっても、構成員の出資の割合は変わらないものとする。

○○建設株式会社 ○○%
○○建設株式会社 ○○%

2 金銭以外のものによる出資については、時価を参しゃくのうえ構成員が協議して評価するものとする。

(運営委員会)

第九条 当企業体は、構成員全員をもって運営委員会を設け、建設工事の完成に当るものとする。

(構成員の責任)

第一〇条 各構成員は、建設工事の請負契約の履行に関し、連帯して責任を負うものとする。

(取引金融機関)

第一一条 当企業体の取引金融機関は、○○銀行とし、代表者の名義により設けられた別口預金口座によって取引するものとする。

(決算)

第一二条 当企業体は、工事竣工の都度当該工事について決算するものとする。

(利益金の配当の割合)

第一三条 決算の結果利益を生じた場合には、第八条に規定する出資の割合により構成員に利益金を配当するものとする。

(欠損金の負担の割合)

第一四条 決算の結果欠損金を生じた場合には、第八条に規定する割合により構成員が欠損金を負担するものとする。

(権利義務の譲渡の制限)

第一五条 本協定書に基づく権利義務は他人に譲渡することはできない。

(工事途中における構成員の脱退に対する措置)

第一六条 構成員は、発注者及び構成員全員の承認がなければ、当企業体が建設工事を完成する日までは脱退することができない。
2 構成員のうち工事途中において前項の規定により脱退した者がある場合においては、残存構成員が共同連帯して建設工事を完成する。
3 第一項の規定により構成員のうち脱退した者があるときは、残存構成員の出資の割合は、脱退構成員が脱退前に有していたところの出資の割合を、残存構成員が有している出資の割合により分割し、これを第八条に規定する割合に加えた割合とする。
4 脱退した構成員の出資金の返還は、決算の際行うものとする。ただし、決算の結果欠損金を生じた場合には、脱退した構成員の出資金から構成員が脱退しなかった場合に負担すべき金額を控除して金額を返還するものとする。
5 決算の結果利益を生じた場合において、脱退構成員には利益金の配当は行わない。

(工事途中における構成員の破産又は解散に対する処置)

第一七条 構成員のうちいずれかが工事途中において破産又は解散した場合においては、前条第二項から第五項までを準用するものとする。

(解散後のかし担保責任)

第一八条 当企業体が解散した後においても、当該工事につきかしがあったときは、各構成員は共同連帯してその責に任ずるものとする。

(協定書に定めのない事項)

第一九条 この協定書に定めのない事項については、運営委員会において定めるものとする。

○○建設株式会社外○社は、上記のとおり○○特定建設工事共同企業体協定を締結したので、その証拠としてこの協定書○通を作成し、各通に構成員が記名捺印し、各自所持するものとする。

年  月  日

○○建設株式会社
代表取締役 ○○○○ ((印))
○○建設株式会社
代表取締役 ○○○○ ((印))

特定建設工事共同企業体協定書(乙)

(目的)

第一条 当共同企業体は、次の事業を共同連帯して営むことを目的とする。

一 ○○発注に係る○○建設工事(当該工事内容の変更に伴う工事を含む。以下、単に「建設工事」という。)の請負
二 前号に附帯する事業
(名称)

第二条 当共同企業体は、○○特定建設工事共同企業体(以下「当企業体」という。)と称する。

(事務所の所在地)

第三条 当企業体は、事務所を○○市○○町○○番地に置く。

(成立の時期及び解散の時期)

第四条 当企業体は、昭和 年 月 日に成立し、建設工事の請負契約の履行後○カ月以内を経過するまでの間は、解散することができない。

(注) ○の部分には、たとえば三と記入する。

2 建設工事を請け負うことができなかったときは、当企業体は、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に係る請負契約が締結された日に解散するものとする。

(構成員の住所及び名称)

第五条 当企業体の構成員は、次のとおりとする。

○○県○○市○○町○○番地

○○建設株式会社

○○県○○市○○町○○番地

○○建設株式会社

(代表者の名称)

第六条 当企業体は、○○建設株式会社を代表者とする。

(代表者の権限)

第七条 当企業体の代表者は、建設工事の施工に関し、当企業体を代表して、発注者及び監督官庁等と折衝する権限並びに自己の名義をもって請負代金(前払金及び部分払金を含む)の請求、受領及び当企業体に属する財産を管理する権限を有するものとする。

(分担工事額)

第八条 各構成員の建設工事の分担は、次のとおりとする。ただし、分担工事の一部につき発注者と契約内容の変更増減等のあったときは、それに応じて分担の変更があるものとする。

○○建築工事 ○○建設株式会社
○○土木工事 ○○建設株式会社

2 前項に規定する分担工事の価額(運営委員会で定める。)については、別に定めるところによるものとする。

(運営委員会)

第九条 当企業体は、構成員全員をもって運営委員会を設け、建設工事の完成に当るものとする。

(構成員の責任)

第一〇条 各構成員は、運営委員会が決定した工程表によりそれぞれの分担工事の進捗を図り、請負契約の履行に関し連帯して責任を負うものとする。

(取引金融機関)

第一一条 当企業体の取引金融機関は、○○銀行とし、代表者の名義により設けられた別口預金口座によって取引するものとする。

(構成員の必要経費の分配)

第一二条 構成員はその分担工事の施工のため、運営委員会の定めるところにより必要な経費の分配を受けるものとする。

(共通費用の分担)

第一三条 本工事施工中発生した共通の経費等については、分担工事額の割合により毎月一回運営委員会において、各構成員の分担額を決定するものとする。

(構成員の相互間の責任の分担)

第一四条 構成員がその分担工事に関し、発注者及び第三者に与えた損害は、当該構成員がこれを負担するものとする。
2 構成員が他の構成員に損害を与えた場合においては、その責任につき関係構成員が協議するものとする。
3 前二項に規定する責任について協議がととのわないときは、運営委員会の決定に従うものとする。
4 前三項の規定は、いかなる意味においても第一〇条に規定する当企業体の責任を免れるものではない。

(権利義務の譲渡の制限)

第一五条 本協定書に基づく権利義務は、他人に譲渡することはできない。

(工事途中における構成員の脱退)

第一六条 構成員は、当企業体が建設工事を完成する日までは脱退することができない。

(工事途中における構成員の破産又は解散に対する処置)

第一七条 構成員のうちいずれかが工事途中において破産または、解散した場合においては、残存構成員が共同連帯して当該構成員の分担工事を完成するものとする。
2 前項の場合においては、第一四条第二項及び第三項の規定を準用する。

(解散後のかし担保責任)

第一八条 当企業体が解散した後においても、当該工事につきかしがあったときは、各構成員は共同連帯してその責に任ずるものとする。

(協定書に定めのない事項)

第一九条 本協定書に定めのない事項については、運営委員会において定めるものとする。

○○建設株式会社外○社は、上記のとおり○○特定建設工事共同企業体協定を締結したので、その証拠としてこの協定書○通を作成し各通に構成員が記名捺印し、各自所持するものとする。

年  月  日

○○建設株式会社
代表取締役 ○○○○ ((印))
○○建設株式会社
代表取締役 ○○○○ ((印))



○○特定建設工事共同企業体協定書第八条に基づく協定書
○○発注に係る下記工事については、○○特定建設工事共同企業体協定書第八条の規定により、当企業体構成員が分担する工事の工事額を次のとおり定める。
分担工事額(消費税分及び地方消費税分を含む。)

○○建築工事 ○○建設株式会社 ○○円
○○土木工事 ○○建設株式会社 ○○円

○○建設株式会社外○社は、上記のとおり分担工事額を定めたのでその証拠としてこの協定書○通を作成し、各通に構成員が記名捺印して各自所持するものとする。

年  月  日
○○特定建設工事共同企業体

代表者 ○○建設株式会社 代表取締役 ○○○○((印))
○○建設株式会社 代表取締役 ○○○○((印))



建設工事共同企業体の事務取扱いについて(照会)
(昭和五三年一〇月二三日)
茨城県土木部長から建設振興課長あて
―――――(略)―――――

建設工事共同企業体に関する質問事項

1 建設工事共同企業体の資格審査の取扱いについて

大手建設業者同志などにより特定の建設工事の施工を共同で行うことを目的として結成される建設工事共同企業体の資格審査については、先の昭和五三年三月二〇日付け建設振興課長通知「共同企業体の事務取扱いについて」記1において、当面、発注者において建設工事共同企業体の目的に応じてその資格審査を適宜行うことが望ましいとされており、これに基づき当県では、左記により建設工事共同企業体の資格審査を取り扱いたいと考えているが、この取扱いにより支障はないか。

イ ロに掲げる場合を除き、次により取り扱うものとする。

昭和三七年一一月二七日付け建設省発計第七九号「中小建設業の振興について」の別紙二の「共同企業体の資格審査要領」(以下「資格審査要領」という。)に準じて取り扱う。(ただし、資格審査要領記四に規定する級別格付の調整は行わない。)。
この場合において、大手建設業者と中小建設業者により結成される建設工事共同企業体であって技術の移転又は工事の円滑な施工その他これらに類する目的を含むものにあっては、当該目的に係る中小建設業者については、共同企業体としての点数計算の対象から除くことを原則とする。

ロ 資格審査を受けようとする共同企業体数が指名しようとする共同企業体数と同一かそれ以下となる場合等共同企業体としての点数計算が不要な場合には、次により取扱うものとする。

構成員の級別格付けが異なる場合:上位の構成員の格付け
構成員の級別格付けが同一の場合:当該構成員の格付け

2 建設工事共同企業体協定書について

昭和三七年一一月二七日付け建設省発計第七九号「中小建設業の振興について」において示された建設共同企業体協定書(甲、乙)は、年度間を通して結成される建設共同企業体を基本とするものであって、同協定書を特定の建設工事ごとに結成される建設工事共同企業体の協定書とするには一部改正を要すると考える。この場合どのように取り扱うべきか。


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport