国総建第一七〇号
平成一三年六月一三日

都道府県建設業主管部局長あて

総合政策局建設業課長通知


国土交通大臣が認定した企業集団に属する建設業者に係る経営事項審査の取扱いについて


建設業法(昭和二四年法律第一〇〇号)第二七条の二三第三項の規定に基づき中央建設業審議会の意見を聴いて、平成六年建設省告示第一四六一号(以下単に「告示」という。)が改正され(平成一三年国土交通省告示第八四八号)、告示附則四の規定により国土交通大臣が認定した企業集団に属する建設業者に係る経営事項審査(以下「グループ経審」という。)が平成一三年七月一日から施行されることとなった。
グループ経審については、「経営事項審査の事務取扱い(平成一〇年六月一八日付建設省経建発第一九二号)」と併せて、左記により取り扱うこととしたので、貴職におかれては、事務処理に当たって遺漏なきようお願いする。

1 企業集団の認定について

(1) 企業集団に属する会社は、親会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三八年大蔵省令第五九号。以下「財務諸表等規則」という。)第八条第三項に規定する親会社をいう。以下同じ。)及びその子会社(同項に規定する子会社をいう。以下同じ。)であって、原則としてそれぞれ建設業者であるものとする。なお、関連会社(財務諸表等規則第八条第五項に規定する関連会社をいう。)はこれに含まない。
(2) 企業集団に属する会社には、親会社が含まれなければならないが、その子会社についてはその全てを含むものとする必要はない。なお、企業集団に属する会社の変更は、株式の取得又は売却による子会社の範囲の変動によるもの等相当の理由がある場合に限る。
(3) 同一の会社が複数の企業集団に属することは認められない。

2 企業集団についての数値等の認定について

(1) 審査基準日

原則としてグループ経審を申請する日の直前の親会社の営業年度終了の日とする。
ただし、「建設業者の合併に係る建設業法上の事務取扱いの円滑化等について(平成七年一二月四日付建設省経建発第二九七号)」及び「建設業の譲渡に係る建設業法上の事務取扱いの円滑化等について(平成一〇年一二月二四日付建設省経建発第三五〇号)」に準じて、建設業者の株式を取得することにより新たに当該建設業者を連結子会社とした場合の株式取得日等も審査基準日とすることができる。この場合、(2)の数値等の認定に当たっては、前記通知に準じた取扱いを行うものとする。

(2) 認定基準

1) 別表により算定された数値等を認定する。
2) 一の企業集団においては、1)により認定された数値等をもって経営事項審査を受ける建設業者(以下「代表建設業者」という。)は、建設業の種類毎に一建設業者のみである(告示附則五関係)。なお、一の企業集団に属する複数の建設業者がそれぞれ異なる建設業の種類の代表建設業者であることは認められる。

3 認定の申請手続き

(1) 企業集団及び企業集団についての数値等の認定(以下単に「認定」という。)の申請は、別紙一の例により「企業集団及び企業集団についての数値等認定申請書」(以下単に「申請書」という。)を提出してしなければならない。
(2) 申請書の記載内容は、申請者以外の当該企業集団に属する全ての会社が承認したものでなければならない。
(3) 認定の手続きは、国土交通省総合政策局建設業課において行う。
(4) 国土交通大臣は、認定を行ったときは、当該申請者に対して、別紙二の例により「企業集団及び企業集団についての数値等認定書」(以下単に「認定書」という。)を交付する。
(5) 一の企業集団に属する複数の建設業者が、それぞれ認定を申請する場合は、同日に申請しなければならない。

4 許可行政庁に対する経営事項審査申請等について

(1) 認定を受けた建設業者は、経営事項審査にあっては許可を受けた国土交通大臣(地方整備局長)又は都道府県知事に対して、当該申請書に認定書の写しを添えて、申請する(国土交通大臣又は都道府県知事が指定経営状況分析機関に経営状況分析を行わせることとしたときは、経営状況分析について準用する。)。なお、企業集団に属する建設業者の経営事項審査は、グループ経審に限られていることに留意すること。
(2) (1)において、自らが代表建設業者でない建設業の種類については、当該建設業に係る建設工事の種類別年間平均完成工事高(X一)と技術力(Z)の項目の数値を最低値として申請するものとする。
(3) 国土交通大臣(地方整備局長)又は都道府県知事は、グループ経審の結果を通知するときは、経営事項審査結果通知書に「グループ評価」と明記する。指定経営状況分析機関が経営状況分析の結果を通知するときも同様とする。
(4) 企業集団に属する会社の商号等は公表する。


別表

経営事項審査の項目
 
各項目の数値等の算定方法
X1
建設工事の種類別年間平均完成工事高

企業集団に属する全ての会社の建設工事の種類別年間平均完成工事高を合算し、算定する。
ただし、企業集団に属する建設業者相互間における建設工事の完成工事高は相殺消去しなければならない。相殺消去の方法は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。なお、金融庁組織令(平成一〇年政令第三九二号)第二四条に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。

X2
自己資本の額

企業集団に属する全ての会社の自己資本の額を合算し、算定する。
ただし、企業集団に属する親会社の子会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本及び企業集団に属する子会社相互間の投資とこれに対応する資本は、相殺消去しなければならない。相殺消去の方法は、完成工事高に準ずる。

 
建設業に従事する職員の数

企業集団に属する全ての会社の建設業従事職員数を合算して、算定する。

Y
経営状況

企業集団に属する親会社の連結財務諸表により算定するが、連結財務諸表の各勘定科目の数値を認定することによって、経営状況の項目の数値を認定したものとみなす。
なお、連結財務諸表原則に基づき連結財務諸表を作成する際の連結の範囲と、グループ経審における企業集団の範囲は必ずしも一致しないことに留意する。

Z
技術力

企業集団に属する全ての会社の建設業の種類別の技術職員の数を合算し、算定する。

W
労働福祉の状況(賃金不払件数を除く)

原則として、企業集団に属する全ての会社が加入又は導入している場合にのみ、加入又は導入しているものとして認める。

 
賃金不払の件数

企業集団に属する全ての会社の賃金不払件数を合算し、算定する。

 
工事の安全成績

企業集団に属する全ての会社の国内で施工する建設工事における死亡者数及び負傷者数を合算し、算定する。
ただし、同一建設工事について発生した業務災害によるものについては、重複してカウントしない。

 
営業年数

原則として、親会社の営業年数とする。

 
建設業経理事務士等の数

企業集団に属する全ての会社の建設業経理事務士等の数を合算し、算定する。



別紙1
<別添資料>



別紙2
<別添資料>


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