建設省厚第九一号
昭和五九年三月二九日



工事請負契約に係る指名停止等の措置要領

(指名停止)
第1 地方整備局(港湾空港関係事務に関することを除く。以下同じ。)の長(以下「部局長」という。)は、有資格業者(工事請負業者選定事務処理要領(昭和四一年一二月二三日建設省厚第七六号)第一一第二項に規定する有資格業者をいう。以下同じ。)が別表第1及び別表第2の各号(以下「別表各号」という。)に掲げる措置要件の一に該当するときは、情状に応じて別表各号に定めるところにより期間を定め、当該有資格業者について指名停止を行うものとする。
2 部局長が指名停止を行ったときは、当該地方整備局に所属する会計法(昭和二二年法律第三五号)第二九条の三第一項に規定する契約担当官等(以下「所属担当官」という。)は、工事の請負契約のため指名を行うに際し、当該指名停止に係る有資格業者を指名してはならない。当該指名停止に係る有資格業者を現に指名しているときは、指名を取り消すものとする。
(下請負人及び共同企業体に関する指名停止)
第2 部局長は、第1第一項の規定により指名停止を行う場合において、当該指名停止について責を負うべき有資格業者である下請負人があることが明らかになったときは、当該下請負人について、元請負人の指名停止の期間の範囲内で情状に応じて期間を定め、指名停止を併せ行うものとする。
2 部局長は、第1第一項の規定により共同企業体について指名停止を行うときは、当該共同企業体の有資格業者である構成員(明らかに当該指名停止について責を負わないと認められる者を除く。)について、当該共同企業体の指名停止の期間の範囲内で情状に応じて期間を定め、指名停止を併せ行うものとする。
3 部局長は、第1第一項又は前二項の規定による指名停止に係る有資格業者を構成員に含む共同企業体について、当該指名停止の期間の範囲内で情状に応じて期間を定め、指名停止を行うものとする。
(指名停止の期間の特例)
第3 有資格業者が一の事案により別表各号の措置要件の二以上に該当したときは、当該措置要件ごとに規定する期間の短期及び長期の最も長いものをもってそれぞれ指名停止の期間の短期及び長期とする。
2 有資格業者が次の各号の一に該当することとなった場合における指名停止の期間の短期は、それぞれ別表各号に定める短期の二倍(当初の指名停止の期間が一カ月に満たないときは、一・五倍)の期間とする。

一 別表第1各号又は別表第2各号の措置要件に係る指名停止の期間の満了後一カ年を経過するまでの間(指名停止の期間中を含む。)に、それぞれ別表第1各号又は別表第2各号の措置要件に該当することとなったとき。
二 別表第2第一号から第四号まで又は第五号から第八号までの措置要件に係る指名停止の期間の満了後三カ年を経過するまでの間に、それぞれ同表第一号から第四号まで又は第五号から第八号までの措置要件に該当することとなったとき(前号に掲げる場合を除く。)。

3 部局長は、有資格業者について情状酌量すべき特別の事由があるため、別表各号及び前二項の規定による指名停止の期間の短期未満の期間を定める必要があるときは、指名停止の期間を当該短期の二分の一まで短縮することができる。
4 部局長は、有資格業者について、極めて悪質な事由があるため又は極めて重大な結果を生じさせたため、別表各号及び第一項の規定による長期を超える指名停止の期間を定める必要があるときは、指名停止の期間を当該長期の二倍まで延長することができる。
5 部局長は、指名停止の期間中の有資格業者について、情状酌量すべき特別の事由又は極めて悪質な事由が明らかとなったときは、別表各号及び前各項に定める期間の範囲内で指名停止の期間を変更することができる。
6 部局長は、指名停止の期間中の有資格業者が、当該事案について責を負わないことが明らかとなったと認めたときは、当該有資格業者について指名停止を解除するものとする。
(指名停止の措置対象区域の特例)
第4 部局長は、有資格業者が別表第1第六号又は第八号の措置要件に該当する場合において当該有資格業者の安全管理の措置の不適切な程度を勘案し、所管する区域の一部を限定して指名停止を行うことができる。
2 部局長は、別表第1第六号又は第八号の措置要件に該当し指名停止の期間中の有資格業者について、安全管理の措置に関し勘案すべき特別の事由が明らかとなったときは、当該有資格業者について指名停止の措置対象区域を変更することができる。
(指名停止の通知)
第5 部局長は、第1第一項若しくは第2各項の規定により指名停止を行い、第3第五項の規定により指名停止の期間を変更し、若しくは第4第二項の規定により指名停止の措置対象区域を変更し、又は第3第六項の規定により指名停止を解除したときは、当該有資格業者に対し遅滞なくそれぞれ様式第1、様式第2又は様式第3により通知するものとする。
2 部局長は、前項の規定により指名停止の通知をする場合において、当該指名停止の事由が当該地方整備局の発注した工事に関するものであるときは、必要に応じ改善措置の報告を徴するものとする。
(随意契約の相手方の制限)
第6 所属担当官は、次項に掲げる場合を除き、指名停止の期間中の有資格業者を随意契約の相手方としてはならない。
2 所属担当官は、会計法第二九条の三第四項に規定する場合は、あらかじめ部局長の承認を受けて指名停止の期間中の有資格業者を随意契約の相手方とすることができる。
3 部局長は、前項の承認をしたときは、様式第4により国土交通大臣に報告するものとする。
(下請等の禁止)
第7 所属担当官は、指名停止の期間中の有資格業者が当該所属担当官の契約に係る工事の全部若しくは一部を下請し、若しくは受託し、又は当該工事の完成保証人となることを承認してはならない。
(指名停止の報告等)
第8 部局長は、第1第一項若しくは第2各項の規定により指名停止を行い、第3第五項の規定により指名停止の期間を変更し、若しくは第4第二項の規定により指名停止の措置対象区域を変更し、又は第3第六項の規定により指名停止を解除したときは、それぞれ様式第5、様式第6又は様式第7により国土交通大臣に報告するものとする。
2 国土交通大臣官房地方課長は、前項の規定による報告があった場合において、当該報告に係る事案が他の地方整備局における指名停止に関連すると認めたときは、遅滞なく、当該他の部局長に通知するものとする。
(指名停止に至らない事由に関する措置)
第9 部局長は、指名停止を行わない場合において、必要があると認めるときは、当該有資格業者に対し、書面又は口頭で警告又は注意の喚起を行うことができる。



別表第1

当該地方整備局の所管する区域内において生じた事故等に基づく措置基準

措置要件
期間

(虚偽記載)

 
1 当該地方整備局の発注する工事の請負契約に係る一般競争及び指名競争において、競争参加資格確認申請書、競争参加資格確認資料その他の入札前の調査資料に虚偽の記載をし、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上6カ月以内

(過失による粗雑工事)

 
2 当該地方整備局の所属担当官と締結した請負契約に係る工事(以下この表において「地方整備局発注工事」という。)の施工に当たり、過失により工事を粗雑にしたと認められるとき(かしが軽微であると認められるときを除く。)。
当該認定をした日から1カ月以上6カ月以内
3 当該地方整備局の所管する区域内における工事で前号に掲げるもの以外のもの(以下この表において「一般工事」という。)の施工に当たり、過失により工事を粗雑にした場合において、かしが重大であると認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上3カ月以内

(契約違反)

 
4 第2号に掲げる場合のほか、地方整備局発注工事の施工に当たり、契約に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から2週間以上4カ月以内

(安全管理措置の不適切により生じた公衆損害事故)

 
5 地方整備局発注工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、公衆に死亡者若しくは負傷者を生じさせ、又は損害(軽微なものを除く。)を与えたと認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上6カ月以内
6 一般工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、公衆に死亡者若しくは負傷者を生じさせ、又は損害を与えた場合において、当該事故が重大であると認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上3カ月以内

(安全管理措置の不適切により生じた工事関係者事故)

 
7 地方整備局発注工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、工事関係者に死亡者又は負傷者を生じさせたと認められるとき。
当該認定をした日から2週間以上4カ月以内
8 一般工事の施工に当たり、安全管理の措置が不適切であったため、工事関係者に死亡者又は負傷者を生じさせた場合において、当該事故が重大であると認められるとき。
当該認定をした日から2週間以上2カ月以内



別表第2

贈賄及び不正行為等に基づく措置基準

措置要件
期間

(贈賄)

 
1 次のイ、ロ又はハに掲げる者が当該地方整備局の職員に対して行った贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき。
逮捕又は公訴を知った日から

イ 有資格業者である個人又は有資格業者である法人の代表権を有する役員(代表権を有すると認めるべき肩書を付した役員を含む。以下「代表役員等」と総称する。)

4カ月以上12カ月以内

ロ 有資格業者の役員又はその支店若しくは営業所(常時工事の請負契約を締結する事務所をいう。)を代表する者でイに掲げる者以外のもの(以下「一般役員等」という。)

3カ月以上9カ月以内

ハ 有資格業者の使用人でロに掲げる者以外のもの(以下「使用人」という。)

2カ月以上6カ月以内
2 次のイ又はロに掲げる者が当該地方整備局の職員以外の国土交通省職員に対して行った贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき。
逮捕又は公訴を知った日から

イ 代表役員等

3カ月以上9カ月以内

ロ 一般役員等

2カ月以上6カ月以内
3 次のイ、ロ又はハに掲げる者が当該地方整備局の所管する区域内の他の公共機関の職員に対して行った贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき。
逮捕又は公訴を知った日から

イ 代表役員等

3カ月以上9カ月以内

ロ 一般役員等

2カ月以上6カ月以内

ハ 使用人

1カ月以上3カ月以内
4 次のイ又はロに掲げる者が当該地方整備局の所管する区域内の他の公共機関の職員に対して行った贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき。
逮捕又は公訴を知った日から

イ 代表役員等

2カ月以上6カ月以内

ロ 一般役員等

1カ月以上3カ月以内

(独占禁止法違反行為)

 
5 当該地方整備局が所管する区域内において、業務に関し私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条又は第8条第1項第1号に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき

(次号に掲げる場合を除く。)。

当該認定をした日から2カ月以上9カ月以内
6 次のイ又はロに掲げる者と締結した請負契約に係る工事に関し、独占禁止法第3条又は第8条第1項第1号に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から

イ 当該地方整備局の所属担当官

3カ月以上9カ月以内

ロ 当該地方整備局の所属担当官以外の国土交通省の所属担当官

2カ月以上9カ月以内

(談合)

 
7 有資格業者である個人、有資格業者の役員又はその使用人が当該地方整備局が所管する区域内における談合の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき(次号に掲げる場合を除く。)。
逮捕又は公訴を知った日から
2カ月以上12カ月以内
8 次のイ又はロに掲げる者と締結した請負契約に係る工事に関し、有資格業者である個人、有資格業者の役員又はその使用人が談合の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとき。
逮捕又は公訴を知った日から

イ 当該地方整備局の所属担当官

3カ月以上12カ月以内

ロ 当該地方整備局の所属担当官以外の国土交通官の所属担当官

2カ月以上12カ月以内

(建設業法違反行為)

 
9 当該地方整備局が所管する区域内において、建設業法(昭和24年法律第100号)の規定に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき

(次号に掲げる場合を除く。)。

当該認定をした日から1カ月以上9カ月以内
10 次のイ又はロに掲げる者と締結した請負契約に係る工事に関し、建設業法の規定に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から

イ 当該地方整備局の所属担当官

2カ月以上9カ月以内

ロ 当該地方整備局の所属担当官以外の国土交通省の所属担当者

1カ月以上9カ月以内

(不正又は不誠実な行為)

 
11 別表第1及び前各号に掲げる場合のほか、業務に関し不正又は不誠実な行為をし、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上9カ月以内
12 別表第1及び前各号に掲げる場合のほか、代表役員等が禁こ以上の刑に当たる犯罪の容疑により公訴を提起され、又は禁こ以上の刑若しくは刑法(明治40年法律第45号)の規定による罰金刑を宣告され、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき。
当該認定をした日から1カ月以上9カ月以内



様式第1
<別添資料>



様式第2
<別添資料>



様式第3
<別添資料>



様式第4
<別添資料>



様式第5
<別添資料>



様式第6
<別添資料>



様式第7
<別添資料>


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