地方建設局の所掌する工事を指名競争に付する場合において、指名業者の選定に当たり、建設業者の入札参加意欲を反映するとともに、当該工事の施工に係る技術的適性を把握するための技術資料の提出を建設業者から幅広く求める「公募型指名競争入札方式」に係る手続を定めたので、左記事項に留意の上、実施されたい。
1 対象工事
公募型指名競争入札方式の対象工事は、工事規模が概ね二億円以上七億五千万円未満の工事とする。ただし、緊急を要する場合その他公募型指名競争入札方式に係る手続により難い場合はこの限りでない。
2 技術資料の収集
地方建設局長又は事務所長(以下「地方建設局長等」という。)は、1に掲げる対象工事を発注しようとする場合においては、地方支分部局工事請負業者選定事務処理要領(昭和四一年一二月二三日付け建設省厚第七六号。以下「選定要領」という。)第16の指名基準を踏まえて、選定要領に基づく指名競争参加資格の認定を受けている者のうち技術資料の提出を求める対象者の範囲を決定した上で、3の技術資料の提出を求めるものとする。
3 技術資料の内容
技術資料の内容は、次に掲げるものの中から、当該工事の特性等に応じて地方建設局長等が選択するものとする。また、4の掲示の開始後速やかに、地方建設局長等は、技術資料の作成及び提出に係る事項等を記載した技術資料作成要領を交付するものとする。
(1) 施工実績
1) 同種又は類似の工事の施工実績
2) 近隣地域内における工事の施工実績
(2) 配置予定の技術者
1) 主任技術者又は監理技術者の予定者氏名(複数の候補者でも可)
2) 1)の予定者の資格、工事経験等
(3) 施工計画(当該工事が、施工計画審査タイプ(大規模構造物の工事、特殊な作業条件下の工事等であって高度な施工技術を必要とするものをいう。)である場合に限る。)
施工工法、仮設備計画、安全対策、環境対策等に関する技術的所見
(4) その他地方建設局長等が必要と認める事項
4 技術資料収集に係る掲示
3の技術資料を収集しようとする場合においては、地方建設局長にあっては当該地方建設局の本局及び当該工事を所掌する事務所において、事務所長にあっては当該事務所において次に掲げる事項を含む掲示を行うものとする。
(1) 工事の概要
(2) 技術資料の作成及び提出に係る事項
(3) 技術資料の提出を求める対象者に関する事項
(4) その他地方建設局長等が必要と認める事項
5 技術資料の審査
(1) 地方建設局長等は、提出された技術資料の審査を行い、審査の結果を踏まえ、選定要領第16の指名基準に基づき、技術資料を提出した者の中から当該工事の競争入札に参加する者を、入札・契約手続運営委員会の議を経て、指名するものとする。
(2) (1)の技術資料の審査を行うために、必要に応じて、地方建設局長にあっては当該地方建設局の本局に、事務所長にあっては当該事務所に技術審査会を設けるものとする。
(3) (2)の技術審査会の構成員は、原則として、地方建設局の本局の技術審査会にあっては技術審査官、契約管理官、当該工事を所掌する部の調査官等、契約課長、技術管理課長(建築事業に係る工事にあっては工務検査課長)、当該工事を所掌する課の長及び当該工事を所掌する事務所の長とし、事務所の技術審査会にあっては事務所長、副所長(事務)、担当副所長(技術)、経理課長(経理課が置かれていない事務所にあっては総務課長)及び当該工事を所掌する課の長とするものとする。
6 苦情申立て
(1) 地方建設局長等は、技術資料を提出した者のうち当該工事について指名しなかったものに対して、指名しなかった旨及び指名しなかった理由(以下「非指名理由」という。)を書面により通知するものとする。
(2) (1)の通知を受けた者は、通知をした日の翌日から起算して五日(行政機関の休日に関する法律(昭和六三年法律第九一号)第一条に規定する行政機関の休日(以下「休日」という。)を含まない。)以内に、書面により、地方建設局長等に対して非指名理由についての説明を求めることができるものとする。
(3) 地方建設局長等は、非指名理由についての説明を求められたときは、説明を求めることができる最終日の翌日から起算して五日(休日を含まない。)以内に書面により回答するものとする。
(4) (1)から(3)までに掲げる事項については、技術資料作成要領において明らかにするとともに、(2)に掲げる事項については、(1)の通知において明らかにするものとする。
(5) (1)の通知は、当該工事に係る指名通知と同時に行うとともに、非指名理由については、選定要領第16第六号に規定する指名基準の各事業(指名が特定の有資格業者に偏しないこと及び同号イからチまでの事項をいう。)のいずれの観点から指名しなかったかを明らかにするものとする。
(6) 地方建設局長等は、(3)の回答内容を入札・契約手続運営委員会に報告するものとする。
7 再苦情申立て
地方建設局長等は、技術資料作成要領及び6(3)の回答において、次に掲げる事項を明らかにするものとする。
(1) 地方建設局長等からの非指名理由の説明に不服がある者は、非指名理由の説明に係る書面を受け取った日から七日(休日を含まない。)以内に、書面により、地方建設局長に対して、再苦情の申立てを行うことができる旨及び再苦情申立てについては入札監視委員会が審議を行う旨
(2) 再苦情申立ての受付窓口及び受付時間
(3) 再苦情申立てに関する手続等を示した書類等の入手先
8 実施上の留意事項
(1) 技術資料の作成及び提出に要する費用は、資料の提出者の負担とするものとする。
(2) 技術資料は、提出者に無断で使用しないものとする。
(3) 技術資料に虚偽の記載をした者は、地方支分部局所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領(昭和五九年三月二九日付け建設省厚第九一号)に基づく指名停止を行うことがあるものである。
(4) (1)から(3)までに掲げる事項については、技術資料作成要領において明らかにするものとする。