アスファルト舗装工事については、近年建設業法違反事案が発生するなど、その施工体制に課題があるとの指摘があり、学識経験者、発注者、施工者で構成される「アスファルト舗装工事施工体制研究会」において望ましい施工体制とその実現方策について検討され、平成一四年四月に提言が出されたところである。この提言を踏まえ、国土交通省直轄工事の指名競争入札方式の手続き等について左記のとおり定めたので通知する。
1 対象工事
本通達の対象工事は「アスファルト舗装工事」として発注される工事であり、道路改良工事等で舗装工を一部含むものは対象としない。
2 指名にあたっての技術審査基準の作成
(1) 対象工事について平成一四年度内に、指名にあたっての技術審査基準を見直し、施工体制の評価を加味した技術審査基準を作成するものとする。
(2) 指名にあたっての技術審査基準は、3により定期的に実施する実態調査の内容を踏まえて、必要に応じ見直すものとする。
3 登録業者の施工体制の定期的な把握
(1) 平成一四年度に、所管区域内の「アスファルト舗装工事」に登録がある有資格業者を対象として、施工体制に関する実態調査(様式は別紙調査票のとおり。)(以下「実態調査」という。)を実施し、提出された資料の内容を指名の審査に用いるものとする。
(2) 施工体制の定期的な把握は、国土交通省直轄工事競争参加資格の申請時と同時期に、「アスファルト舗装工事」に登録を希望する業者に対して、別紙調査票の提出を求めることにより行う。ただし、平成一五・一六年度の国土交通省直轄工事競争参加資格の申請時には、3(1)で提出済みの業者は内容に変更がある場合のみ提出を求めることとする。
(3) 実態調査の実施にあたっては、業者に対し、
1) 提出した資料の内容に大幅な変更が生じたときは、すみやかに登録がある地方整備局の局長に当該変更の内容を申し出なければならないこと
2) 提出した資料の内容が事実と相違し、請負契約の相手方として不適当であると認められる場合は、「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(昭和五九年三月二九日付け建設省厚第九一号)による指名停止措置が行われる場合があること
3) 提出した資料の内容が4にしたがい公表及び通知がなされることを周知するものとする。
(4) (3)1)の大幅な変更とは、技術審査基準による評価に影響する変更であり、地方整備局ごとに定めるものとする。
4 実態調査の公表等
(1) 実態調査により把握した施工体制の内容は公表するものとし、所管区域内の関係都道府県の土木担当部局に通知するものとする。
(2) 地方整備局は公表した実態調査についての問い合わせに対する窓口を設置するものとする。
5 公募型指名競争入札方式、工事希望型指名競争入札における技術資料
対象工事のうち、公募型指名競争入札方式、工事希望型指名競争入札方式によるものについては、技術資料の内容は「公募型指名競争入札方法の手続きについて」(平成六年六月二一日付け建設省厚発第二六四号、建設省技調発第一三二号)、「工事希望型指名競争入札方式の手続きについて」(平成七年三月二二日付け建設省厚発第一二号、建設省技調発第四六号)によるものに加え、当該工事の施工体制に関する次の事項を含むことが出来るものとする。
(1) 主任技術者又は監理技術者以外の配置予定技術者数
(2) 技能者数、及びそのうちの自社員数
(3) 主要な使用機械、及びそれらの自社保有、リース、レンタルの別
(4) 表層工、基層工、上層路盤工を下請けさせる予定の場合には予定企業との関係。なお、予定企業名は不要である。
(5) その他地方整備局長が必要と認める事項
6 性能規定方式、総合評価落札方式による発注
アスファルト舗装工事の発注においては性能規定方式、総合評価落札方式を積極的に活用するものとする。
7 工事の平準化
アスファルト舗装工事については、繁忙期と端境期の差が特に大きいことから、年間を通じた工事の平準化に努めることとする。