首題の件について予算決算及び会計令臨時特例第四柔の規定に基き大蔵当局と協議中のところ、昭和二七年一〇月二七日付蔵計第二四七九号で昭和二七年度に限って実施することに異存がない旨回答があったので、当省所掌に係る建設工事(当省所管予算をもって施行する工事)のうち、請負に付するものについては、公共工事の前払金保証事業に関する法律第五条の規定に基き登録を受けた保証事業会社の保証に係る工事に限り、次に掲げる範囲及び割合において前金払の特約をすることができることになったからこれが活用を図られたい。
工事の請負代価の一〇分の三以内の額。但し、前金払をした後において工事の変更等の事由により請負代価を減額した場合においては、先に支払った前払金の額をこえない範囲内において改訂請負代価に対し一〇分の四の割合の額に達するまでは、これを前払金として認めるものとする。
1 前払金の管理及び使途の監査について
支払った前払金については、その管理及び使途について、公共工事の前払金保証事業に関する法律第二七条及び前払金保証約款第一九条の規定並びに保証事業会社がその指定銀行との間に締結する業務委託契約書に基いて、保証事業会社又はその指定銀行をして厳重な監査を行わしめるとともに左の措置をとるものとする。
(1) 支出負担行為担当官の定める工事の関係官は、請負者、保証事業会社又はその指定銀行から要請があったときは、適宜業務委託契約書第三条の証明資料(例えば材料搬入等の証明書)を発行し、前払金の不当使用の阻止に努める。
(2) 前払金の使途が適正でないと認めるときは、保証事業会社をして業務委託契約書第六条により爾後の前払金の払出を中止させることができる。
2 工事請負契約について
(1) 工事請負契約書には、公共工事の前払金保証事業に関する法律第二条第四項に規定する「保証事業会社」と同条第二項に規定する「前払金の保証」に関する契約を締結し、且つ、当該保証契約証書を発注者に寄託することを条件に、工事の請負代価の一〇分の三以内の額(但し、前金払をした後において工事の変更等の理由により請負代価を減額した場合においては、先に支払った前払金の額をこえない範囲内において改訂請負代価に対し一〇分の四の割合の額に達するまでは、これを前払金として認めることができる。)を前金払いすることができる旨を記載することができるものとする。
(2) 前金払の特約条項を記載した工事請負契約書には、請負者が支払を受けた前払金を当該請負工事の材料費、労務費、損料、動力費、支払運賃、修繕費及び仮設費として必要な経費以外の支払に充てることを禁止する旨を記載しなければならない。
(3) 工事請負契約書には、前払金の支払が行われた工事について工事代価の出来高払をするときは、左に掲げる金額の範囲内で行う旨を記載しなければならない。
(イ) 性質上不可分の工事の既済部分に対する支払金額は、既済部分に対する請負代価の一〇分の九から、既済部分に対する代価に相当する額の全請負代価に対する割合を前払金額に乗じたものを減じた額
(ロ) 性質上可分の工事の完済部分に対する支払金額は、完済部分に対する請負代価から、完済部分に対する代価に相当する額の全請負代価に対する割合を前払金額に乗じたものを減じた額
3 前払金保証契約証書の寄託
発注者が前払金保証契約証書の寄託を受ける場合においては、証書原本の外、その写一通の提出を求め、原本は、発注者(支出負担行為担当官)が自ら又はその指定する職員をして保管させるものとし、証書の写一通は支出官に回付し、計算証明規則第二一条の支出計算書の証拠書類とする