

建設省厚第二一号
昭和四二年三月三〇日
地方建設局請負工事監督検査事務処理要領
第1章 総則
(通則)
第1 地方建設局の所掌する工事の請負契約の履行の監督及び検査の実施に関する事務の取扱いについては、会計法(昭和二二年法律第三五号。以下「法」という。)、予算決算及び会計令(昭和二二年勅令第一六五号。以下「令」という。)、契約事務取扱規則(昭和三七年大蔵省令第五二号。以下「規則」という。)、建設省所管会計事務取扱規程(昭和三五年建設省訓令第一号。以下「規程」という。)その他の法令に定めるもののほか、この要領の定めるところによるものとする。
(監督及び検査の実施の細目)
第2 部局長(地方建設局の長をいう。以下同じ。)は、規程第三六条の七第一項の規定により法第二九条の一一第一項に規定する工事の請負契約の適正な履行を確保するため必要な監督(以下「監督」という。)及び同条第二項に規定する工事の請負契約についての給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事の既済部分の確認を含む。)をするため必要な検査(以下「検査」という。)の実施についての細目を定めるときは、次章及び第3章によるものとする。
第2章 監督
(監督の体制)
第3 監督は、支出負担行為担当官若しくは契約担当官又はこれらの代理官(以下「本官」という。)が締結した工事の請負契約(以下「本官契約」という。)にあっては当該本官以外の監督職員(規則第一七条第一項に規定する監督職員をいう。以下同じ。)が、分任支出負担行為担当官又は分任契約担当官(以下「分任官」という。)が締結した工事の請負契約(以下「分任官契約」という。)にあっては監督職員が行なうものとする。
2 分任官契約の監督を行なう場合において、監督に係る工事の規模、監督に必要な技術の程度その他技術的な理由(以下「技術的条件」という。)を勘案し分任官が自ら監督を行なう必要がないと認めるときは、当該分任官以外の監督職員のみにより監督を行なうことができるものとする。
(監督業務の分類)
第4 監督業務は、監督総括業務、現場監督総括業務及び一般監督業務に分類するものとし、これらの業務の内容は、それぞれ次の各号に掲げるとおりとするものとする。
一 監督総括業務
イ 工事請負契約書(昭和四八年四月四日付け建設省厚発第一〇〇号)に基づく契約担当官等の権限とされる事項のうち契約担当官等が必要と認めて委任したものの処理
ロ 契約の履行についての契約の相手方に対する必要な指示、承諾又は協議で重要なものの処理
ハ 関連する二以上の工事の監督を行なう場合における工事の工程等の調整で重要なものの処理
ニ 工事の内容の変更、一時中止又は打切りの必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の契約担当官等(法第二九条の三第一項に規定する契約担当官等をいう。以下同じ。)に対する報告
ホ 現場監督総括業務及び一般監督業務を担当する監督職員の指揮監督並びに監督業務の掌理
二 現場監督総括業務
イ 契約の履行についての契約の相手方に対する必要な指示、承諾又は協議(重要なもの及び軽易なものを除く。)の処理
ロ 設計図、仕様書その他の契約関係図書(以下「契約図書」という。)に基づく工事の実施のための詳細図等(軽易なものを除く。)の作成及び交付又は契約の相手方が作成したこれらの図書(軽易なものを除く。)の承諾
ハ 契約図書に基づく工程の管理、立会い、工事の実施状況の検査及び工事材料の試験又は検査の実施(他の者に実施させ、当該実施を確認することを含む。以下同じ。)で重要なものの処理
ニ 関連する2以上の工事の監督を行なう場合における工事の工程等の調整(重要なものを除く。)の処理
ホ 工事の内容の変更、一時中止又は仕切りの必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の監督総括業務を担当する監督職員に対する報告
ヘ 一般監督業務を担当する監督職員の指揮監督並びに現場監督総括業務及び一般監督業務の掌理
三 一般監督業務
イ 契約の履行についての契約の相手方に対する必要な指示、承諾又は協議で軽易なものの処理
ロ 契約図書に基づく工事の実施のための詳細図等で軽易なものの作成及び交付又は契約の相手方が作成したこれらの図書で軽易なものの承諾
ハ 契約図書に基づく工程の管理、立会い、工事の実施状況の検査及び工事材料の試験又は検査の実施(重要なものを除く。)
ニ 工事の内容の変更、一時中止又は打切りの必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の現場監督総括業務を担当する監督職員に対する報告
ホ 第6第四項の規定により任命された監督員にあっては、第6第六項の規定により任命された監督員の指揮監督及び一般監督業務の掌理
(監督職員の担当業務等)
第5 本官契約又は分任官契約の監督を行なう監督職員は、総括監督員、主任監督員及び監督員とし、それぞれ監督総括業務、現場監督総括業務及び一般監督業務を担当するものとする。
2 技術的条件を勘案し必要がないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、総括監督員、総括監督員及び主任監督員又は監督員(主任監督員が置かれている場合に限る。)をそれぞれ置かないことができるものとし、総括監督員を置かない場合における主任監督員は監督総括業務を、総括監督員及び主任監督員を置かない場合における監督員は監督総括業務及び現場監督総括業務を、監督員を置かない場合における主任監督員は一般監督業務を、それぞれあわせて担当するものとする。
(監督職員の任命基準等)
第6 本官契約の総括監督員は、当該工事を所掌する地方建設局の事務所又は地方建設局の本局(以下「本局」という。)の出張所(以下「所掌事務所」という。)の長(営繕工事(事業費をもってする営繕工事を除く。以下同じ。)である場合において、所掌事務所が置かれていないときは、本局の営繕監督室長)を任命するものとする。
2 分任官契約の総括監督員は、当該分任官が自らこれにあたるものとする。ただし、第3第二項の規定に基づき、分任官以外の監督職員のみにより監督を行なう場合においては、所掌事務所の工事を担当する副所長を任命するものとする。
3 主任監督員は、営繕工事以外の工事にあっては当該工事を所掌する地方建設局の事務所の出張所(以下「所掌出張所」という)の長又は工事を担当する建設監督官(所掌出張所及び工事を担当する建設監督官が置かれていないときは、所掌事務所の工事を担当する課長)を、営繕工事にあっては所掌事務所の営繕監督官(所掌事務所に営繕監督官が置かれていないときは、所掌事務所の工事を担当する課長。所掌事務所も置かれていないときは、本局の営繕監督官)を任命するものとする。
4 監督員は、営繕工事以外の工事にあっては所掌出張所の工事を担当する係長又は主任(所掌出張所が置かれていない場合は、主任監督員が建設監督官であるときを除き、所掌事務所の工事を担当する係長)、営繕工事にあっては主任監督員が営繕監督官である場合を除き、所掌事務所の工事を担当する係長を任命するものとする。
5 技術的条件及び工事を所掌する組織における職員の配置状況により第3項又は前項の規定によることが困難であると認められるときは、これらの規定にかかわらず、当該技術的条件を勘案し、監督を厳正かつ適確に行なうことができると認められる者(以下「監督適任者」という。)を任命することができるものとする。
6 技術的条件を勘案し特に必要があると認められるときは、当該技術的条件に応じ、第四項又は前項の規定によるほか、第四項の規定にかかわらず、さらに、監督適任者を監督員に任命することができるものとする。
7 主任監督員が建設監督官又は営繕監督官である場合において、技術的条件を勘案し必要があると認めるときは、当該技術的条件に応じ、監督適任者を監督員に任命することができるものとする。
(分任官が監督を委託する場合の承認)
第7 分任官は、令第一〇一条の八の規定により国の職員以外の者に委託して監督を行なわせようとする場合は、あらかじめ、部局長の承認を受けなければならないものとする。
(監督委託契約書の作成)
第8 令第一〇一条の八の規定による国の職員以外の者への監督の委託は、工事の内容、第一一に規定する監督の技術的基準及び第一二の規定を勘案し、監督の方法、契約担当官等に連絡し、又は報告すべき事項その他必要な事項を記載した契約書を作成して行なわなければならないものとする。
(監督職員の任命)
第9 監督職員の任命は、工事の請負契約ごとに行なうものとする。
(契約の相手方への通知)
第10 契約担当官等は、監督職員又は令第一〇一条の八の規定により監督を委託した国の職員以外の者の官職又は氏名を、工事の請負契約ごとに、遅滞なく、別記様式第一による監督職員通知書により、契約の相手方に通知するものとする。これらの者に変更があった場合も同様とする。
(監督の技術的基準)
第11 監督職員が監督を行なうにあたって必要な技術的基準は、別に定めるところによるものとする。
(監督に関する図書)
第12 監督職員は、次の各号に掲げる図書(契約の相手方から提出された図書を含む。)をそれぞれの担当事務に応じて作成し、及び整理して監督の経緯を明らかにするものとする。
一 工事の実施状況を記載した図書
二 契約の履行に関する協議事項(軽易なものを除く。)を記載した書類
三 工事の実施状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査の事実を記載した図書
四 その他監督に関する図書
第3章 検査
(検査の種類)
第13 検査の種類は、次に掲げるとおりとするものとする。
一 完成検査 工事の完成を確認するための検査
二 既済部分検査 工事の完成前に代価の一部を支払う必要がある場合において、工事の既済部分(性質上可分の工事の完済部分を含む。以下同じ。)を確認するための検査
(検査の体制)
第14 検査は、原則として、本官契約にあっては当該本官以外の検査職員(規則第一九条第一項に規定する検査職員をいう。以下同じ。)が、分任官契約にあっては分任官が自ら行なうものとする。
2 分任官契約について、特別の技術を要する検査であるとき、同一の時期に多数の検査が競合するときその他分任官が自ら検査を行なうことが困難又は不適当と認められる特別の理由があるときは、分任官及びその他の検査職員又は分任官以外の検査職員のみにより検査を行なうことができるものとする。
3 二人以上の検査職員により検査を行なう場合において、必要があるときは、それぞれの検査職員の検査の対象を工事の施工区間、工事の種別等により定め、又は他の検査職員を指揮監督して検査を行ない、その結果を総括する検査職員を定めることができるものとする。
(検査職員の任命基準)
第15 本官契約の検査職員は、次に掲げる者を任命するものとする。
一 営繕工事以外の工事 工事検査官
二 営繕工事 工務検査課長
2 本官契約の検査を行なう場合において、特別の技術を要する検査であるとき、同一の時期に多数の検査が競合するとき又は前項各号に掲げる者に事故があるときは、前項の規定にかかわらず、検査を厳正かつ適確に行なうことができると認められる者(以下「検査適任者」という。)を検査職員に任命することができるものとする。
3 第一四第二項の規定により検査職員により検査を行なうときは、検査適任者を検査職員に任命するものとする。
(検査職員の任命)
第16 検査職員の任命は、検査ごとに行なうものとする。
(監督の職務と検査の職務の兼職)
第17 令第一〇一条の七の特別の必要がある場合は、次の各号の一に該当する検査を行なう場合とするものとする。
一 検査の時期における災害その他異常な事態の発生によって検査を行なう工事現場への交通が著しく困難であるため監督職員以外の職員により行なうことが著しく困難な検査
二 検査を行なうために特別の技術を要するため監督職員以外の職員により行なうことが著しく困難な検査
三 維持修繕に関する工事で、当該工事の施工後直ちに行なわなければ給付の完了の確認が著しく困難な検査
(検査の技術的基準)
第18 検査職員が検査を行なうにあたって必要な技術的基準は、別に定めるところによるものとする。
(検査調書)
第19 検査職員が検査を行なった結果給付が完了していることを確認した場合に作成する工事検査調書は、別記様式第二によるものとする。
2 検査職員が検査を行なった結果、給付が工事の請負契約の内容に適合しないことを確認した場合は、別記様式第三による工事検査調書を作成するものとする。
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