

建設省厚契第三一号
平成一一年四月一日
地方建設局委託設計業務等調査検査事務処理要領
第1章 総則
(通則)
第1 地方建設局の所掌する設計業務等の委託契約(土木設計業務等委託契約及び建築設計業務委託契約をいう。以下同じ。)の履行の調査及び検査の実施に関する事務の取扱いについては、会計法(昭和二二年法律第三五号。以下「法」という。)、予算決算及び会計令(昭和二二年勅令第一六五号。以下「令」という。)、契約事務取扱規則(昭和三七年大蔵省令第五二号。以下「規則」という。)、建設省所管会計事務取扱規程(昭和三五年建設省訓令第一号。以下「規程」という。)その他の法令が監督及び検査の実施に関し定めるもののほか、この要領の定めるところによるものとする。
(調査及び検査の実施の細目)
第2 部局長(地方建設局の長をいう。以下同じ。)は、法第二九条の一一第一項の規定及び規程第三六条の七第一項の規定に準じて行う設計業務等の委託契約の適正な履行を確保するため必要な調査(以下「調査」という。)並びに法第二九条の一一第二項に規定する契約についての給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行う設計業務等の既済部分の確認を含む。)をするため必要な検査(以下「検査」という。)の実施についての細目を定めるときは、次章及び第三章によるものとする。
第2章 調査
(調査の体制)
第3 調査は、支出負担行為担当官若しくは契約担当官又はこれらの代理官(以下「本官」という。)が締結した設計業務等の委託契約(以下「本官契約」という。)にあっては当該本官以外の調査職員(規則第一八条第一項に規定する監督職員に準ずるものをいう。以下同じ。)が、分任支出負担行為担当官又は分任契約担当官(以下「分任官」という。)が締結した設計業務等の委託契約(以下「分任官契約」という。)にあっては調査職員が行うものとする。
2 分任官契約の調査を行う場合において、調査に係る設計業務等の規模、調査に必要な技術の程度その他技術的な理由(以下「技術的条件」という。)を勘案し分任官が自ら調査を行う必要がないと認めるときは、当該分任官以外の調査職員のみにより調査を行うことができるものとする。
(調査業務の分類)
第4 調査業務は、総括調査業務、主任調査業務及び一般調査業務に分類するものとし、これらの業務内容は、それぞれ次の各号に掲げるとおりとするものとする。
一 総括調査業務
イ 土木設計業務等委託契約書(平成七年六月三〇日付け建設省厚契発第二六号)又は建築設計業務委託契約書(平成一〇年一〇月一日付け建設省厚契発第三七号)に基づく契約担当官等の権限とされる事項のうち契約担当官等が必要と認めて委任したものの処理
ロ 発注者の意図する成果物を完成させるための契約の相手方に対する業務に関する指示で重要なものの処理
ハ 契約図書(契約書及び土木設計業務等委託契約における設計図書(以下「設計図書」という。)又は建築設計業務委託契約における設計仕様書(以下「設計仕様書」という。)をいう。以下同じ。)の記載内容に関する契約の相手方の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答で重要なものの処理
ニ 契約の履行に関する契約の相手方との協議で重要なものの処理
ホ 関連するその他の業務との工程等に関する調整で重要なものの処理
ヘ 業務の内容の変更、一時中止又は契約の解除の必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の契約担当官等(法第二九条の三第一項に規定する契約担当官等をいう。以下同じ。)に対する報告
ト 主任調査業務及び一般調査業務を担当する調査職員の指揮監督並びに調査業務の掌理
二 主任調査業務
イ 発注者の意図する成果物を完成させるための契約の相手方に対する業務に関する指示(重要なもの及び軽易なものを除く。)の処理
ロ 契約図書の記載内容に関する契約の相手方の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答(重要なもの及び軽易なものを除く。)の処理
ハ 契約の履行に関する契約の相手方との協議(重要なもの及び軽易なものを除く。)の処理
ニ 業務の進捗状況の確認、設計図書又は設計仕様書の記載内容と履行内容との照合その他契約の履行状況の調査で重要なものの処理
ホ 関連するその他の業務との工程等に関する調整(重要なものを除く。)の処理
ヘ 業務の内容の変更、一時中止又は契約の解除の必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の総括調査業務を担当する調査職員に対する報告
ト 一般調査業務を担当する調査職員の指揮監督並びに主任調査業務及び一般調査業務の掌理
三 一般調査業務
イ 発注者の意図する成果物を完成させるための契約の相手方に対する業務に関する指示で軽易なものの処理
ロ 契約図書の記載内容に関する契約の相手方の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答で軽易なものの処理
ハ 契約の履行に関する契約の相手方との協議で軽易なものの処理
ニ 業務の進捗状況の確認、設計図書又は設計仕様書の記載内容と履行内容との照合その他契約の履行状況の調査(重要なものを除く。)
ホ 業務の内容の変更、一時中止又は契約の解除の必要があると認めた場合における当該措置を必要とする理由その他必要と認める事項の主任調査業務を担当する調査職員に対する報告
ヘ 第六第五項又は第六項の規定により任命された調査員にあっては、第六第八項の規定により任命された調査員の指揮監督及び一般調査業務の掌理
(調査職員の担当業務等)
第5 本官契約又は分任官契約の調査を行う調査職員は、総括調査員、主任調査員及び調査員とし、それぞれ総括調査業務、主任調査業務及び一般調査業務を担当するものとする。
2 技術的条件を勘案し必要がないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、総括調査員、総括調査員及び主任調査員又は調査員(主任調査員が置かれている場合に限る。)をそれぞれ置かないことができるものとし、総括調査員を置かない場合における主任調査員は総括調査業務を、総括調査員及び主任調査員を置かない場合における調査員は総括調査業務及び主任調査業務を、調査員を置かない場合における主任調査員は一般調査業務を、それぞれあわせて担当するものとする。
3 二以上の分野を含む設計業務等の調査を行う場合は、各分野に調査職員を置くものとする。ただし、技術的条件を勘案し必要がないと認められるときは、一名の調査職員が二以上の分野の調査を担当することができるものとする。
(調査職員の任命基準等)
第6 本官契約の総括調査員は、営繕工事(事業費をもってする営繕工事を除く。以下同じ。)以外に係る設計業務等にあっては当該設計業務等を所掌する地方建設局の事務所若しくは地方建設局の本局(以下「本局」という。)の出張所(以下「所掌事務所」という。)の長、又は本局の当該設計業務等を担当する課(以下「所掌課」という。)の課長若しくは建設専門官を、営繕工事に係る設計業務にあっては本局の所掌課の課長、課長補佐又は営繕設計官等(営繕設計官、営繕設計審査官又は営繕監督官をいう。以下同じ。)を任命するものとする。
2 分任官契約の総括調査員は、当該分任官が自らこれにあたるものとする。ただし、第三第二項の規定に基づき、分任官以外の調査職員のみにより調査を行う場合においては、所掌事務所の設計業務等を担当する副所長を任命するものとする。
3 本官契約の主任調査員は、営繕工事以外に係る設計業務等にあっては所掌事務所の所掌課の課長、又は本局の所掌課の設計業務等を担当する課長補佐を、営繕工事に係る設計業務にあっては本局の所掌課の営繕設計官等又は設計業務を担当する係長を任命するものとする。
4 分任官契約の主任調査員は、所掌事務所の所掌課の課長、建設専門官又は建設監督官を任命するものとする。
5 本官契約の調査員は、営繕工事以外に係る設計業務等にあっては所掌事務所の設計業務等を担当する係長又は本局の所掌課の設計業務等を担当する係長を、営繕工事に係る設計業務にあっては本局の所掌課の設計業務を担当する係長を任命するものとする。
6 分任官契約の調査員は、所掌事務所の設計業務等を担当する係長を任命するものとする。
7 技術的条件及び設計業務等を所掌する組織における職員の配置状況により第三項、第四項、第五項又は前項の規定によることが困難であると認められるときは、これらの規定にかかわらず、当該技術的条件を勘案し、調査を厳正かつ適確に行うことができると認められる者(以下「調査適任者」という。)を任命することができるものとする。
8 技術的条件を勘案し特に必要があると認められるときは、当該技術的条件に応じ、第五項、第六項又は前項の規定によるほか、第五項又は第六項の規定にかかわらず、さらに、調査適任者を調査員に任命することができるものとする。
(分任官が調査を委託する場合の承認)
第7 分任官は、令第一〇一条の八の規定に準じて国の職員以外の者に委託して調査を行わせようとする場合は、あらかじめ、部局長の承認を受けなければならないものとする。
(調査委託契約書の作成)
第8 令第一〇一条の八の規定に準じて行う国の職員以外の者への調査の委託は、設計業務等の内容、第一一に規定する調査の技術的基準及び第一二の規定を勘案し、調査の方法、契約担当官等に連絡し、又は報告すべき事項その他必要な事項を記載した契約書を作成して行わなければならないものとする。
(調査職員の任命)
第9 調査職員の任命は、設計業務等の委託契約ごとに行うものとする。
(契約の相手方への通知)
第10 契約担当官等は、調査職員又は令第一〇一条の八の規定に準じて調査を委託した国の職員以外の者の官職又は氏名を、設計業務等の委託契約ごとに、遅滞なく、別記様式第一による調査職員通知書により、契約の相手方に通知するものとする。これらの者に変更があった場合も同様とする。
(調査の技術的基準)
第11 調査職員が調査を行うにあたって必要な技術的基準は、別に定めるところによる。
(調査に関する図書)
第12 調査職員は、次の各号に掲げる図書(契約の相手方から提出された図書を含む。)をそれぞれ担当事務に応じて作成し、及び整理して調査の経緯を明らかにするものとする。
一 設計業務等の実施状況を記載した図書
二 契約の履行に関する協議事項(軽易なものを除く。)を記載した書類
三 その他調査に関する図書
第3章 検査
(検査の種類)
第13 検査の種類は、次に掲げるとおりとするものとする。
一 完了検査 設計業務等の完了を確認するための検査
二 既済部分検査 設計業務等の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において、設計業務等の既済部分(性質上可分の設計業務等の完済部分を含む。以下同じ。)を確認するための検査
(検査の体制)
第14 検査は、原則として、本官契約にあっては当該本官以外の検査職員(規則第二〇条第一項に規定する検査職員をいう。以下同じ。)が、分任官契約にあっては分任官が自ら行うものとする。
2 分任官契約について、特別の技術を要する検査であるとき、同一の時期に多数の検査が競合するときその他分任官が自ら検査を行うことが困難又は不適当と認められる特別の理由があるときは、分任官及びその他の検査職員又は分任官以外の検査職員のみにより検査を行うことができるものとする。
3 二人以上の検査職員により検査を行う場合において、必要があるときは、それぞれの検査職員の検査の対象を設計業務等の分野等により定め、又は他の検査職員を指揮監督して検査を行い、その結果を総括する検査職員を定めることができるものとする。
(検査職員の任命基準)
第15 本官契約の検査職員は、本局の所掌課の課長又は課長補佐を任命するものとする。
2 本官契約の検査を行う場合において、特別の技術を要する検査であるとき、同一の時期に多数の検査が競合するとき又は前項各号に掲げる者に事故があるときは、前項の規定にかかわらず、検査を厳正かつ的確に行うことができると認められる者(以下「検査適任者」という。)を検査職員に任命することができるものとする。
3 第一四第二項の規定により検査職員により検査を行うときは、検査適任者を検査職員に任命するものとする。
(検査職員の任命)
第16 検査職員の任命は、検査ごとに行うものとする。
(調査の職務と検査の職務の兼職)
第17 令第一〇一条の七の特別な必要がある場合に準じ、検査職員及び調査職員の職務を兼ねることができる場合は、次の各号の一に該当する検査を行う場合とするものとする。
一 検査を行うために特別の技術を要するため、調査職員以外の職員により行うことが著しく困難な検査
二 工事予定地等において行われる調査業務が含まれる場合において、検査の時期における災害その他異常な事態の発生によって検査を行う調査現場への交通が著しく困難であるため調査職員以外の職員により行うことが著しく困難な検査
(検査の技術的基準)
第18 検査職員が検査を行うにあたって必要な技術的基準は、別に定めるところによるものとする。
(検査調書)
第19 検査職員が検査を行った結果給付が完了していることを確認した場合に作成する設計業務等検査調書は、別記様式第二によるものとする。
2 検査職員が検査を行った結果、給付が設計業務等の委託契約の内容に適合しないことを確認した場合は、別記様式第三による設計業務等検査調書を作成するものとする。
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