計宅政発第二一一号
昭和四五年一〇月二三日

各都道府県知事あて

建設省計画局長通知


宅地建物取引業者が受けることのできる報酬額について


宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額については宅地建物取引業法(昭和二七年法律第一七六号)第一七条第一項の規定により、昭和四〇年建設省告示第一一七四号において定められているところであるが、今般、報酬額の地域間の不均衡を解消し、その合理化を図るため、別添のとおり昭和四五年建設省告示第一五五二号が定められ、本年一二月一日から施行されることとなったので、特に左記の諸点に留意のうえ、その施行に遺憾のないよう御措置願いたい。

記

一 告示の運用について

(一) 告示第一(業者が売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係

イ この規定は、宅地建物取引業者(以下「業者」という。)が宅地又は建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬について依頼者のそれぞれ一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の双方から報酬を受ける場合及び依頼者の一方のみから報酬を受ける場合のいずれにあっても、依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならないこと。
ロ 「交換に係る宅地若しくは建物の価額」とは、交換に係る宅地又は建物の適正かつ客観的な市場価格をさすものであり、その算定にあたっては必要に応じ不動産鑑定業者の鑑定評価を求めること。
ハ 「交換に係る宅地又は建物の価格に差があるとき」とは、交換差金が支払われる場合等交換に係る両方の物件の価額が異なることをさし、「これらの価額のうちいずれか多い価額」とは、交換に係る両方の物件の価額のうち、いずれか多い方をさすものであること。

(二) 告示第二(業者が売買又は交換の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係

イ 「第一の計算の方法により算出した額の二倍」とは、売買に係る代金の額又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額)を左表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額をさすものであること。

二〇〇万円以下の金額
一〇〇分の一〇
二〇〇万円をこえ四〇〇万円以下の金額
一〇〇分の八
四〇〇万円をこえる金額
一〇〇分の六

ロ 「当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行なわれる場合に代理の依頼者のほか売買又は交換の相手方からも報酬を受ける場合をさすものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と売買又は交換の相手方から受ける報酬の額の合計額がイの「第一の計算方法により算出した金額の二倍」をこえてはならないものであること。

(三) 告示第三(業者が貸借の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係

イ 前段の規定は業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して受けることのできる報酬について、その合計額の限度額のみを定めたものであり、貸借の媒介に関しては、売買又は交換の媒介の場合と異なり、依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額、割合等については特段の規制がないものであること(したがって、報酬の合計額がこの限度内であれば依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよく、また、依頼者の一方のみから報酬を受けることもできるものであること。)。
ロ 「宅地又は建物の通常の借賃」とは、当該宅地又は建物が賃貸借される場合に通常定められる適正かつ客観的な資料をさすものであり、その算定にあたっては、必要に応じて不動産鑑定業者の鑑定評価を求めること。
ハ 後段の規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して業者が受けることのできる報酬について、前段に規定する報酬額の合計額の範囲内において依頼者の一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の承諾を得ている場合を除き、依頼者の双方から報酬を受ける場合及び依頼者の一方のみから報酬を受ける場合のいずれにあっても、依頼者の一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならないこと。
ニ 「居住の用に供する建物」とは、もっぱら居住の用に供する建物をさすものであり、居住の用に供する建物で事務所、店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれないものであること。
ホ 「当該媒介の依頼を受けるにあたって当該依頼者の承諾を得ている場合」とは、当該媒介の依頼を受けるにあたって、依頼者から借賃の一月分の二分の一に相当する金額以上の報酬を受けることについての承諾を得ている場合をさすものであり、その場合においては、依頼者から受ける報酬の合計額が借賃の一月分に相当する金額をこえない限り、当該承諾に係る依頼者から受ける報酬の額、割合等については特段の規制がないものであること。

なお、この依頼者の承諾は、業者が依頼者から媒介の依頼を受けるにあたつて得ておくことが必要であり、依頼後に承諾を得ても後段に規定する承諾とはいえず後段の規制を受けるものであること。また、この承諾は、口頭又は文書のいずれによって得てもよいが、将来紛争の発生するおそれのあるような場合には、依頼者の意思を明らかにしておくため、文書によつて得ておくことが望ましいものであること。

(四) 告示第四(業者が貸借の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係

「当該貸借の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行なわれる場合に代理の依頼者のほか貸借の相手方からも報酬を受ける場合をさすものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が、借賃の一月分に相当する金額をこえてはならないものであること。

(五) 告示第五(権利金の授受がある場合の特例)関係

イ この規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については適用されないものであること。
ロ 「権利金」とは、名儀のいかんを問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって、返還されないものをいい、いわゆる権利金、礼金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還されない金銭はこれに該当するが、いわゆる敷金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還される金銭はこれに該当しないものであること。

(六) 告示(告示第一から第五までの規定によらない報酬の受領の禁止)関係

イ 業者は、告示第一から第五までの規定によるほかは依頼者の依頼によって行なう広告の料金に相当する額を除き報酬を受けることができないものであること。したがつて、告示第一から第五までの規定による報酬及び依頼者の依頼によって行なう広告の料金に相当する額以外にいわゆる案内料、申込料や依頼者の依頼によらずに行なう広告の料金に相当する額の報酬を受領することはできないものであること。
ロ この規定には、業者が依頼者の特別の依頼により行なう遠隔地における現地調査等に要する費用に相当する額の金銭を依頼者から提供された場合にこれを受領すること等依頼者の特別の依頼により支出を要する特別の費用に相当する額の金銭で、その負担について事前に依頼者の承諾があるものを別途受領することまでも禁止する趣旨は含まれていないものであること。

(七) 附則関係

この告示は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の契約でこの告示の施行日以降に成立したものの代理又は媒介に関して業者が受けることのできる報酬の額について適用されるものであり、この告示の施行日前に成立したものについては、報酬の授受がこの告示の施行日以降に行なわれても、なお従前の例によるものとされていること。

二 告示の周知徹底措置について

今回の告示の趣旨及び内容について、その施行日までの間に、業者はもちろん、一般大衆に対しても十分その周知徹底を図ること。また、告示の施行後においても、あらゆる機会をとらえて業者の指導、広報活動等を行ない、これが遵守されるよう措置すること。

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