建設省経動発第五〇号
昭和六一年七月三〇日

業界団体の長あて

建設省建設経済局長通達


流通機構活性化モデル事業制度について

近年、住宅ストックの増加、住替え需要の増大等により、中古住宅、特にマンションの流通量は着実に増加しており、不動産流通市場の整備・近代化が重要な政策課題となつている。
このため、昭和五七年の媒介契約制度の施行以来、建設省においては、標準媒介契約約款の作成・普及、価格査定マニュアルの作成・普及、流通機構の整備等の施策を講じてきたところである。
このうち、流通機構については、不動産の円滑な流通を図る上で大きな役割を果たすとともに、中小仲介業者の協業化の推進のための方策としても期待されており、その活性化を図つていくことが特に緊急の課題となつている。
しかしながら、流通機構の実態を見ると、登録物件数、成約率とも低水準にあり、特に中小企業系流通機構は十分にその機能を果たしているとは言えない状況にある。
以上のような状況に鑑み、今般、流通機構の活性化を図るため、別添のとおり「流通機構活性化モデル事業実施要綱」を定め、昭和六一年七月三〇日から実施することとしたので、貴団体の認定に係る流通機構に対する周知徹底に努めるとともに、貴団体の認定に係る流通機構がモデル指定を受けた場合には、流通機構活性化モデル事業の適正な実施のために必要な援助等を行われたく、通知する。



(別添)

流通機構活性化モデル事業実施要綱

第一 目的

この要綱は、不動産流通市場の整備・近代化を推進するため、手付金保証事業、高度情報化事業等の流通機構の活性化のための事業を総合的に実施する流通機構に対し、建設省が指定を行い、必要な助言、指導等を行う制度を確立し、もつて購入者等の利益の保護と不動産流通の円滑化に寄与することを目的とする。

第二 定義

この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 流通機構

宅地建物取引業者間で広く不動産物件情報を交換し合い、協同して契約相手の探索を行う組織で、別紙一に定める要件を満たすものとして別紙二に掲げる法人が認定したものをいう。

二 流通機構活性化モデル事業

この要綱で定めるところに従つて行われる流通機構の活性化のための事業をいう。

三 認定事業者団体

別紙二に掲げる法人で、流通機構を認定したものをいう。

第三 モデル指定の申請

(1) 流通機構(二以上の流通機構が一体として流通機構活性化モデル事業を行おうとする場合には、その連合体。以下同じ。)は、その活性化のため必要があるときは、少なくとも次の各号に掲げる事業に関する計画を含む流通機構活性化事業計画を定めて建設省に提出し、流通機構活性化モデル事業を実施する流通機構としての指定(以下「モデル指定」という。)を申請することができる。

一 手付金保証事業

会員(流通機構の構成員をいう。以下同じ。)が媒介する不動産(流通機構に登録されたものに限る。)の売買契約が、売主の債務不履行その他一定の事由により解除され又は失効し、売主が買主に対して手付金を返還する債務が発生した場合において、その返還債務の全部又は一部を当該流通機構その他の者が保証する事業(当該媒介を行つた会員が自ら手付金返還債務の全部又は一部を保証し、その保証債務を流通機構その他の者が再保証する事業を含む。)。

二 登録促進事業

会員が売買の媒介又は代理の依頼を受けた不動産を流通機構に登録して契約の相手方を探索することを促進する事業。具体的には、
1) 依頼を受けた時から二週間以内に当該不動産を流通機構に登録する義務を会員に課し、そのための担保措置を定めた内規を制定すること
2) 広報誌による登録促進の呼びかけ等の登録促進策を講ずること

等を行うものとする。
三 成約報告促進事業

不動産の売買契約の成立した事例に関する情報(所在地、価格、面積、法令上の制限等)の報告を促進する事業。具体的には、
1) 依頼を受けた物件に関する売買契約が成立してから遅滞なく、流通機構に対して当該契約に関する一定の事項を報告する義務を会員に課し、そのための担保措置を定めた内規を制定すること
2) 報告を受けた取引事例を整理し、必要に応じ会員に提供すること

等を行うものとする。
四 高度情報化事業

建設省及び(財)不動産流通近代化センターがとりまとめた「不動産流通標準情報システム(レインズ)設計書」に準拠して開発された情報システムを導入し、流通機構及びその会員の高度情報化への対応を推進する事業。

(2) 流通機構は、モデル指定の申請に当たつては、認定事業者団体を経由するものとする。

第四 モデル指定

建設省は、流通機構活性化事業計画を定めた流通機構から認定事業者団体を経由してモデル指定の申請があつた場合において、次の各号に掲げる要件に該当すると認めるときは、モデル指定を行うことができるものとする。
一 流通機構活性化事業計画が第三(1)の各号に定める事業に関する計画を含むものであること。
二 流通機構活性化事業計画を早期かつ適正に実施できる見込みがあること。

第五 流通機構活性化事業計画の変更

モデル指定を受けた流通機構が流通機構活性化事業計画を変更しようとするときは、事前に、認定事業者団体を経由して、建設省に案を示してその了承を得るものとする。

第六 モデル指定の取消し

建設省は、モデル指定を受けた流通機構が次の各号に定める事由のいずれかに該当すると認められる場合には、モデル指定を取り消すことができる。
一 流通機構活性化事業計画を正当な理由なく実施しないこと。
二 流通機構活性化事業計画を適正に実施しないこと。
三 流通機構活性化事業計画を建設省の了承を得ずに変更すること。

第七 助言等

建設省は、流通機構活性化モデル事業の適正な実施を図るため、モデル指定を受けた流通機構に対し、必要な助言、指導若しくは勧告を行い、又は報告若しくは資料の提出を求めるものとする。



附 則

この要綱は、昭和六一年七月三〇日から適用する。



別紙一
一 常時相当数の新規登録物件数があることにより、迅速で、かつ適正な価額による取引が行われる可能性が十分に高いと認められる宅地建物取引業者間の情報交換システムであること。
二 単独の宅地建物取引業者によるものでないこと。
三 物件流通情報の提供を業とする者及び広告媒体は除くものとする。
四 登録物件情報の交換が流通機構の構成員に対して毎月一回以上行われること。
五 登録物件情報の内容について正確性が確保されているものであること。
六 流通機構の構成員が継続的に情報交換に参加し、相互に協力して媒介等を行うよう措置されていること。
七 流通機構の運営規程及び構成員に対する倫理規程が適切な内容で明文化されているものであること。
八 媒介依頼者等からの苦情の処理について担当窓口が設置されているものであること。
九 流通機構の責任体制が整備されていること。



別紙二
(社) 住宅産業開発協会
(社) 全国住宅宅地協会連合会
(社) 全国宅地建物取引業協会連合会
(社) 全日本不動産協会
(社) 都市開発協会
(社) 日本高層住宅協会
(社) 日本ハウスビルダー協会
(社) 不動産協会


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