建設省経動発第五四号
平成元年九月二七日

各都道府県宅地建物取引業法所管担当部長あて

建設省建設経済局不動産業課長通達


リゾートクラブ会員権の取引に対する指導監督について


国民の余暇時間の増大、生活様式の多様化、所得水準の向上等を背景として、近年、リゾートクラブ会員権の取引が急増しているところであるが、その販売勧誘方法、契約内容等をめぐり紛争が跡を絶ない。
リゾートクラブ会員権は、宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有する共有会員制のものと宿泊施設等のリゾート施設を所有する事業者に対して会員が預託金を預託することによってリゾート施設を利用する権利を取得する預託会員制のものと大別されるが、このうち、共有会員制のリゾートクラブ会員権の売買若しくは交換又は売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介(以下「売買等」という。)を業として行う行為は、宅地建物取引業に該当し、宅地建物取引業法(以下「法」という。)が適用されるものである。
したがって、共有会員制のリゾートクラブ会員権(以下「共有会員制権」という。)の取引については、購入者等の利益の保護と共有制会員権の流通の円滑化とを図るため、左記事項に特に留意の上、業者に対する指導監督を強化せられたい。

一 重要事項の説明について

共有制会員権の売買等を行う宅地建物取引業者は、その相手方等に対して売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に宅地建物取引主任者をして法第三五条第一項各号に掲げる重要な事項について書面を交付して説明させなければならないが、法第三五条一項各号に掲げる事項は宅地建物取引業者が説明すべき事項のうち最小限の事項を規定したものであり、これらの事項以外にも1)いわゆる一室当たりに換算した口数、2)宿泊施設以外の附帯施設(プール等)の概要、3)当該施設以外に利用可能な宿泊施設の概要、4)利用料金、5)予約調整の方法、6)会員権の買取り制度の概要、7)会員権の譲渡についての条件、8)利用条件の変更手続等共有制会員権特有の重要な事項については、併せて説明するように指導すること。なお、共有制会員権特有の重要な事項について故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為は、法第四七条第一号に違反する場合があるものと解されること。

二 手付金等の保全措置について

宅地建物取引業者が共有制会員権の売買を自ら売主として行う場合には、会員権価額のうち土地及び建物の代金に係る部分については、法第四一条及び第四一条の二に規定する手付金等の保全措置を講じなければならない旨周知徹底を図ること。

三 報酬額について

共有制会員権の売買、交換又は貸借の代理又は媒介においては、会員権価額のうち土地及び建物の代金に係る部分については、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める告示(昭和四五年一〇月二三日建設省告示第一五五二号)が適用される旨周知徹底を図ること。

四 その他

誇大広告等の禁止、いわゆるクーリング・オフ制度その他宅地建物取引業法の規定の適用について周知徹底を図ること。

All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport