建設省経動発第三九号
平成五年四月一日

各都道府県宅建業法所管部長あて

建設省建設経済局不動産業課長通達


金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う宅地建物取引業法の運用について

今般、「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律」(平成四年法律第八七号)が施行されたことに伴い、新たに設立される信託銀行子会社の業務範囲及び地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲が別添のとおり定められ、大蔵省から通達されたところである。
貴職におかれては、今般の信託銀行子会社及び地域金融機関の信託業務の範囲には、現在の信託銀行の業務と異なり、不動産の仲介業務等が含まれないこと等、左記の事項に留意のうえ、宅地建物取引業法の運用に遺憾なきよう処理されたい。

一 今回定められた業務範囲には、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和一八年法律第四三号)(以下「兼営法」という。)第一条第一項に規定する信託業務のうち、次のものは含まれないこと。

1) 信託業法(大正一一年法律第六五号)第五条第一項第三号に規定する「不動産売買ノ媒介、不動産貸借ノ媒介」業務。
2) 宅地建物取引業に該当する信託業務(別添通達 記一、(2)へ、但し書に該当するもの(同ト、ないしリ、において同じ)及び同記二、ロ、但し書(同ハ、について同じ)に該当するもの)。

二 上記一により、信託銀行子会社及び地域金融機関は、不動産売買の媒介又は不動産の貸借の媒介及び宅地建物取引業に該当する信託業務について兼営法第一条第一項の認可は受けられないことから、宅地建物取引業法(昭和二七年法律第一七六号)第七七条第三項に基づく届出を行えないこと。


(別添)
蔵銀第六一七号
平成五年四月一日
各金融団体代表者殿
大蔵省銀行局長 寺村信行

信託銀行子会社の業務範囲及び地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲について

今般、「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律」(平成四年法律第八七号)が施行されたことに伴い、新たに設立される信託銀行子会社の業務範囲及び地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲を左記のとおり定めたので、ご了知の上、貴傘下金融機関に周知徹底されたい。
一 信託銀行子会社の業務範囲

信託銀行子会社の当初の業務範囲については、次のとおりとする。
(1) 銀行法第一〇条ないし第一二条により認められる業務
(2) 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和一八年法律第四三号。以下「兼営法」という。)第一条第一項に規定する信託業務のうち、次に掲げるもの

イ 金銭信託のうち、証券投資信託法第二条に規定する証券投資信託
ロ 金銭信託以外の金銭の信託のうち、主として有価証券で運用することを目的とする指定単独運用の信託(いわゆるファンドトラスト)、金信託、従業員持株信託
ハ 有価証券の信託
ニ 金銭債権の信託
ホ 動産の信託
ヘ 土地及びその定着物の信託。但し、信託財産の処分を信託目的の全部又は一部とするもの、委託者以外の者が受益者となるもの、及び信託受益権の売買・交換又はその代理・媒介を除く(以下ト、ないしリ、において同じ)。
ト 地上権の信託
チ 土地の賃借権の信託
リ ヘ、ないしチの信託のうち、建物等の建築又は土地の造成(以下「建築等」という。)を行い、土地、地上権若しくは土地の賃借権(以下「土地等」という。)を管理・運用することを目的とする信託(以下「土地信託」という。)において、土地等を有する者が建築等の費用に充当するために信託する金銭と当該土地等の包括信託
ヌ 相続税法第二一条の四に規定する特別障害者扶養信託(いわゆる特定贈与信託)
ル 信託法第六六条に規定する公益信託
(注) 「信託銀行子会社」とは、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行令(平成五年政令第三一号)第三条第二項の表の上欄に掲げる信託業務を営む銀行及び証券会社が証券取引法(昭和二三年法律第二五号)第四三条の二第一項の認可を受けて株式を所有する信託業務を営む銀行をいう。

二 地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲

地域金融機関が本体で行うことができる信託業務については、次のとおりとする。
兼営法第一条第一項に規定する信託業務のうち、次に掲げるもの
イ 動産の信託
ロ 土地信託。但し、信託財産の処分を信託目的の全部又は一部とするもの、委託者以外の者が受益者となるもの、及び信託受益権の売買・交換又はその代理・媒介を除く。
ハ 包括信託(一、(2)リと同じ。)
ニ 相続税法第二一条の四に規定する特別障害者扶養信託(いわゆる特定贈与信託)
ホ 信託法第六六条に規定する公益信託
(注) 「地域金融機関」とは、地方銀行、第二地方銀行協会加盟銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合、信用金庫連合会、信用協同組合連合会、労働金庫連合会、農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会及び水産加工業協同組合連合会をいう。



(参考)

事務連絡
平成五年四月一日
各金融機関担当役員

専務理事殿

大蔵省銀行局
銀行課長 北村歳治

信託銀行子会社の業務範囲及び地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲に係る留意事項について

「信託銀行子会社の業務範囲及び地域金融機関が本体で行うことができる信託業務の範囲について」(平成五年四月一日付蔵銀第六一七号)通達の取扱いに係る留意事項を左記のとおり定めたので、ご了知の上、貴傘下金融機関に周知徹底されたい。
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和一八年法律第四三号)第一条第一項に規定する信託業務のうち、「不動産売買ノ媒介又ハ不動産ノ賃借ノ媒介」業務を行うことができない金融機関は、宅地建物取引業法(昭和二七年法律第一七六号。以下「宅建業法」という。)第七七条第三項の届出を行えないこと、及び宅建業法に違反する行為を含む信託は取り扱えないことに十分留意するものとする。


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