各都道府県知事あて
記
![]() |
(別添) 土地利用基本計画作成要領
最近改正 昭和六三年一〇月一九日63国土利第一九九号
一 趣旨
土地利用基本計画(以下「基本計画」という。)は、土地取引規制、開発行為の規制、遊休土地に関する措置等を実施するための基本となる計画であり、国土利用計画(全国計画及び都道府県計画)を基本とし、公害の防止、自然環境及び農林地の保全、歴史的風土の保存、治山・治水等に配慮しつつ、土市計画法(昭和四三年法律第一〇〇号)農業振興地域の整備に関する法律(昭和四四年法律第五八号)、森林法(昭和二六年法律第二四九号)、自然公園法(昭和三二年法律第一六一号)、自然環境保全法(昭和四七年法律第八五号)等(以下「個別規制法」という。)の個別の土地利用規制法と相まって適切かつ合理的な土地利用を図るための上位計画として位置づけられるものである。
二 基本計画の構成
基本計画は、国土利用計画法第九条第二項第一号から第五号までに掲げる五地域(以下「五地域」という。)の範囲を図面表示したもの(以下「計画図」という。)及び土地利用の調整等に関する事項を文章表示したもの(以下「計画書」)という。)とする。
三 五地域の基準
五地域の基準は、次のとおりとする。
(一) 都市地域
都市地域は、一体の都市として総合的に開発し、整備し、及び保全する必要がある地域であり、都市計画法第五条により都市計画区域として指定されることが相当な地域とする。
(二) 農業地域
農業地域は、農用地として利用すべき土地があり、総合的に農業の振興を図る必要がある地域であり、農業振興地域の整備に関する法律第六条により農業振興地域として指定されることが相当な地域とする。
(三) 森林地域
森林地域は、森林の土地として利用すべき土地があり、林業の振興又は森林の有する諸機能の維持増進を図る必要がある地域であり、森林法第二条第三項に規定する国有林の区域又は同法第五条第一項の地域森林計画の対象となる民有林の区域として定められることが相当な地域とする。
(四) 自然公園地域
自然公園地域は、優れた自然の風景地で、その保護及び利用の増進を図る必要がある地域であり、自然公園法第二条第一号の自然公園として指定されることが相当な地域とする。
(五) 自然保全地域
自然保全地域は、良好な自然環境を形成している地域で、その自然環境の保全を図る必要がある地域であり、自然環境保全法第一四条の原生自然環境保全地域、同法第二二条の自然環境保全地域又は同法第四五条第一項に基づく都道府県条例による都道府県自然環境保全地域として指定されることが相当な地域とする。
四 計画図の表示
(一) 計画図における地域区分は、三の基準による五地域区分を別紙一の方法により表示する。
(二) 計画図は、五万分の一の縮尺の図面を使用するものとし、参考図面として一〇万分の一、一五万分の一又は二〇万分の一のいずれかの縮尺の総括図を作成するものとする。
(三) 五地域の土地利用規制に直接的に関連する次の地域・地区等については、その範囲を計画図に、参考表示である旨注記のうえ、別紙一の方法により表示することはさしつかえない。
ア 都市地域における次の区域又は地域
(ア) 市街化区域(都市計画法第七条第一項の市街化区域をいう。)
(イ) 市街化調整区域(同項の市街化調整区域をいう。)
(ウ) 市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画が定められていない都市計画区域の用途区域(同法第八条第一項第一号の用途地域をいう。)
イ 農業地域における農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項の農用地区域をいう。)
ウ 森林地域における次の森林の区域
(ア) 保安林(森林法第二五条第一項の保安林をいう。)の区域
(イ) 国有林(同法第二条第三項の国有林をいう。)及び地域森林計画対象民有林(同法第五条第一項の森林計画区に係る民有林をいう。)の区域
エ 自然公園地域における次の地域又は地区
(ア) 特別地域(自然公園法第一七条第一項及び第四二条第一項の特別地域をいう。)
(イ) 特別保護地区(同法第一八条第一項の特別保護区域をいう。)
オ 自然保全地域における次の地域又は地区
(ア) 原生自然環境保全地域(自然環境保全法第一四条第一項の原生自然環境保全地域をいう。)
(イ) 特別地区(同法第二五条第一項及び第四六条第一項の特別地区をいう。)
五 計画書の表示
(一) 計画書には、土地利用の基本方向、五地域区分の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針、土地利用上配慮されるべき公的機関の開発保全整備計画等を記載するものとする。
(二) 土地利用の基本方向については、国土利用計画(全国計画及び都道府県計画)の「国土の利用に関する基本構想」その他の計画事項に示された国土利用の基本方向の要旨及び五地域のそれぞれの設定の主旨に基づき、それぞれの関係制度の運用基準からみた土地利用上の基本的事項等について記載するものとする。
(三) 五地域区分の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針については、次の事項を、アにあっては四の(三)に示した五地域の土地利用規制に直接的に関連する地域・地区等のそれぞれの相互の複合又は競合の関係を検討し、当該地域の自然的・経済的・社会的条件を考慮して、イにあってはアの事項を基本とし、人口、産業、土地取引、土地利用転換、主要施設の整備・開発等土地利用の現況と動向等を総合的に勘案して、記載するものとする。
ア 都道府県の実情に即した土地利用の優先順位、土地利用の誘導の方向等
イ 特に土地利用の調整が必要と認められる地域の土地利用調整上留意すべき基本的事項
なお、五地域区分の重複する地域における土地利用の調整指導方針を検討するに当たっての参考事項を例示すれば別紙二のとおりである。
(四) 土地利用上配慮されるべき公的機関の開発保全整備計画については、相当規模にわたる面的広がりを持つ公的機関を主体とする開発保全整備計画につき、その位置、事業目的、規模等を別表に掲げ、当該計画が土地利用上配慮されるべきものであることを記載することができるものとする。
(五) 計画書の目次を例示すれば別紙三のとおりである。
|
![]() |
別紙一 地域・地区等の範囲の表示方式
その他
![]() (注)
1 境界線が一致する場合の優先順位は、都市、農業、森林、自然公園、自然保全の各地域の順位とし、参考表示の地域・地区等は、その後の順序とする。
2 凸凹のはげしい海岸線、点在する島の海岸線等で定められる自然公園地域の場合で、その範囲を土地の区域で図示することが困難な場合は、海域上の線で包括的に表示してさしつかえない。
3 紋様欄のSTはスクリーントーンの番号の表示である。
4 色欄のCF表示は、東洋インク(株)のカラーファインダの色調番号の参考である。なお基図は、ねずみ色(CF5285)文字は黒とする。
|
![]() |
別紙二 五地域区分の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針を検討するにあたっての参考事項
第一 土地利用の優先順位、土地利用の誘導の方向等(五の(三)のア)
一 都市地域――農業地域
(一) 市街化区域及び用途地域(市街化区域内の用途地域を除く。以下同じ。)以外の都市地域――農用地区域
農用地としての利用を優先するものとする。
(二) 市街化区域及び用途地域以外の都市地域――農用地区域以外の農業地域
土地利用の現況に留意しつつ、農業上の利用との調整を図りながら、都市的な利用を認めるものとする。
二 都市地域――森林地域
(一) 都市地域――保安林の区域
保安林としての利用を優先するものとする。
(二) 市街化区域及び用途地域――保安林の区域以外の森林地域
原則として、都市的な利用を優先するのが、緑地としての森林の保全に努めるものとする。
(三) 市街化区域及び用途地域以外の都市地域――保安林の区域以外の森林地域
森林としての利用の現況に留意しつつ、森林としての利用との調整を図りながら都市的な利用を認めるものとする。
三 都市地域――自然公園地域
(一) 市街化区域――自然公園地域
自然公園としての機能をできる限り維持するよう調整を図りながら、都市的利用を図っていくものとする。
(二) 市街化調整区域――特別地域
自然公園としての保護及び利用を優先するものとする。
(三) 市街化調整区域――特別地域以外の自然公園地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
四 都市地域――自然保全地域
(一) 市街化調整区域――特別地区
自然環境としての保全を優先する。
(二) 市街化調整区域――特別地区以外の自然保全地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
五 農業地域――森林地域
(一) 農業地域――保安林区域
保安林としての利用を優先するものとする。
(二) 農用地区域――保安林区域以外の森林地域
原則として、農用地としての利用を優先するものとするが、農業上の利用との調整を図りながら、森林としての利用を認めるものとする。
(三) 農用地区域以外の農用地域――保安林と区域以外の森林地域
森林としての利用を優先するものとするが、森林としての利用との調整を図りながら、農業上の利用を認めるものとする。
六 農業地域――自然公園地域
(一) 農業地域――特別地域
自然公園としての保護及び利用を優先するものとする。
(二) 農業地域――特別地域以外の自然公園地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
七 農業地域――自然保全地域
(一) 農業地域――特別地区
自然環境としての保全を優先するものとする。
(二) 農業地域――特別地区以外の自然保全地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
八 森林地域――自然公園地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
九 森林地域――自然保全地域
両地域が両立するよう調整を図っていくものとする。
第二 特に土地利用の調整が必要と認められる地域の土地利用調整上留意すべき基本的事項(五の(三)のイ)
(注)
一 「対象となる五地域の重複の組合せ」は、例えば、都市地域と農業地域が重複し、さらにこれに加えて部分的に森林地域が重複している場合には、「一 都市地域と農業地域 二 都市地域と森林地域」と記載すること。
二 「特に土地利用の調整が必要と認められる地域」は、旧市町村単位以上で設定すること。
三 「土地利用調整上留意すべき基本的事項」で用いる地目別区分は、農地、採草放牧地、森林及び原野並びに住宅地、工業用地、事務所・店舗等用地、その他(公用・公共施設用地等)、保護施設用地及びこれらを総称する施設用地とすること。また、面積表示は行わないこと。
|
![]() |
別紙三 計画書の目次
○○○土地利用基本計画書
(前文)土地利用基本計画策定の趣旨
一 土地利用の基本方向
(一) 国土利用の基本方向
(二) 土地利用の原則
((一)) 都市地域
((二)) 農業地域
((三)) 森林地域
((四)) 自然公園地域
((五)) 自然保全地域
二 五地域区分の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針
(一) 土地利用の優先順位、土地利用の誘導の方向等
(二) 特に土地利用の調整が必要と認められる地域の土地利用調整上留意すべき基本的事項
三 土地利用上配慮されるべき公的機関の開発保全整備計画
(計画の位置、事業目的、規模等は別表に掲げること)
(参考)土地利用基本計画図地域区分別面積
|
![]() |
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport |