55国土利第四五五号
昭和五五年一二月二四日

国土庁土地局土地利用調整課長から土地対策担当部長あて

通達


非居住者が譲受人となる土地取引に関する届出の事務処理について


外国為替及び外国貿易管理法(昭和二四年法律第二二八号。以下「外為法」という。)の非居住者が行う土地取引については、従来同法により許可制がとられていたが、今般外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律(昭和五四年法律第六五号)の施行(昭和五五年一二月一日)による外為法の改正により、許可制は廃止され、必要な範囲で届出制がとられることとなった。即ち、改正後の同法第六条第一項第六号に掲げる非居住者が本邦内の不動産又はこれに関する権利を取得しようとするときは、外国為替の管理に関する省令(昭和五五年大蔵省令第四四号)別表第二の四に定める取得の場合を除き、その取引内容等を大蔵大臣に届け出なければならず、大蔵大臣はこれに対し一定の場合に勧告し、又は変更若しくは中止を命ずることができることとなっている。
これによって国土利用計画法の運用が何ら変更されるものでないことはもとよりであるが、外為法に基づく届出に係る土地取引が国土利用計画法の届出制の対象となるものである場合には、双方の届出の調整の必要を生じることも考えられるので、当分の間、外為法の非居住者が譲受人となる土地取引についての届出が提出されたときは、速やかに届出書の写し一部を添えて、本職あて御連絡を願いたい。



(参考)

○外国為替及び外国貿易管理法(抄)

(昭和二十四年)
(法律第二百二十八号)

(定義)

第六条 この法律又はこの法律に基づく命令の適用を斉一にするため、次に掲げる用語は、次の定義に従うものとする。
一〜四}(略)

五 「居住者」とは、本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。
六 「非居住者」とは、居住者以外の自然人及び法人をいう。

七〜十六}(略)
2 (略)

(資本取引)

第二十条 資本取引とは、次に掲げる取引又は行為(第二十六条第一項各号に掲げるものが行う同条第二項に規定する対内直接投資等に該当する行為を除く。)をいう。
一〜七}(略)

八 居住者による外国にある不動産若しくはこれに関する権利の取得又は非居住者による本邦にある不動産若しくはこれに関する権利の取得

九、十}(略)

(資本取引の届出等)

第二十二条 居住者又は非居住者が次の各号に掲げる資本取引(第二十四条第一項に規定する資本取引に該当するものを除く。)の当事者となろうとするときは、政令で定める場合を除き、当該各号に定める区分に応じ、当該居住者又は非居住者は、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該資本取引の内容、実行の時期その他の政令で定める事項を大蔵大臣に届け出なければならない。ただし、第二号及び第三号に掲げる資本取引の当事者となろうとする場合であつて、当該当事者の一方が大蔵大臣の指定を受けた証券会社(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する証券会社及び外国証券業者に関する法律(昭和四十六年法律第五号)第二条第二号に規定する外国証券会社をいう。以下この項において「指定証券会社」という。)であるとき又は当該資本取引の媒介、取次ぎ若しくは代理をする者が指定証券会社であるときは、この限りでない。
一〜六}(略)

七 第二十条第八号に掲げる資本取引のうち、非居住者による本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得 非居住者
2〜4}(略)
(資本取引に係る内容の審査及び変更勧告等)

第二十三条 前条第一項第一号に掲げる資本取引(居住者による非居住者からの金銭の借入契約に基づく債権の発生等に係る取引を除く。)及び同項第四号から第七号までに掲げる資本取引について、同項の規定による届出をした居住者又は非居住者は、大蔵大臣が当該届出を受理した日から起算して二十日を経過する日までは、当該届出に係る資本取引を行つてはならない。ただし、大蔵大臣は、当該届出に係る資本取引の内容その他からみて特に支障がないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。
2 大蔵大臣は、前項の届出に係る資本取引が行われた場合には、次に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認められるときに限り、当該資本取引の届出をした者に対し、政令で定めるところにより、当該資本取引の内容の変更又は中止を勧告することができる。ただし、当該変更又は中止を勧告することができる期間は、当該届出を受理した日から起算して二十日以内とする。

一 国際金融市場に悪影響を及ぼし、又は我が国の国際的信用を失うことになること。
二 我が国の金融市場又は資本市場に悪影響を及ぼすことになること。
三 我が国の特定の産業部門の事業活動その他我が国経済の円滑な運営に悪影響を及ぼすことになること。
四 我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げ、又は国際的な平和及び安全を損ない、若しくは公の秩序の維持を妨げることになること。

3 前項の規定による勧告を受けた者は、第一項の規定にかかわらず、当該勧告を受けた日から起算して二十日を経過する日までは、同項の届出に係る資本取引を行つてはならない。
4 第二項の規定による勧告を受けた者は、当該勧告を受けた日から起算して十日以内に、大蔵大臣に対し、当該勧告を応諾するかしないかを通知しなければならない。
5 前項の規定により勧告を応諾する旨の通知をした者は、当該勧告をされたところに従い、当該勧告に係る資本取引を行わなければならない。
6 第四項の規定により勧告を応諾する旨の通知をした者は、第一項又は第三項の規定にかからわず、当該勧告を受けた日から起算して二十日を経過しなくても、当該勧告に係る資本取引を行うことができる。
7 第二項の規定による勧告を受けた者が、第四項の規定による通知をしなかつた場合又は当該勧告を応諾しない旨の通知をした場合には、大蔵大臣は、当該勧告を受けた者に対し、当該資本取引の内容の変更又は中止を命ずることができる。ただし、当該変更又は中止を命ずることができる期間は、第二項の規定による勧告を行つた日から起算して二十日以内とする。
8 前各項に定めるもののほか、資本取引の内容の変更又は中止の勧告の手続その他これらの勧告に関し必要な事項は、政令で定める。

○外国為替管理令(昭和五十五年政令第二百六十号)(抄)

(資本取引の届出等)

第十二条

1〜3}(略)

4 法第二十二条第一項に規定する政令で定める場合は、大蔵大臣が同項各号に掲げる資本取引の当事者、内容その他からみて同項の規定による届出がされなくても法の目的を達成するため特に支障がないと認めて指定した資本取引を行おうとする場合とする。

5〜7}(略)

○外国為替の管理に関する省令(昭和五十五年大蔵省令第四十四号)(抄)

(届出を要しない資本取引の指定)

第十五条 令第十二条第四項の規定に基づき大蔵大臣が届出を要しない資本取引として指定するものは、大蔵大臣が別に定めるもののほか、別表第二に掲げるものとする。
別表第二 届出を要しない資本取引(第十五条関係)
一〜三}(略)

四 次のいずれかに該当する本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得

イ 非居住者が当該非居住者又は当該非居住者の親族若しくは使用人その他の従業者の居住の用に供するため行う本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得
ロ 本邦において非営利目的の業務を行う非居住者が当該業務の遂行の用に供するため行う本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得
ハ 非居住者が当該非居住者の事務所(当該事務所がその設置について法第二十六条第三項の規定に基づく届出を要する支店等である場合には、当該届出が受理され、かつ、その設置をすることができることとなつているものに限る。)の用に供するため行う本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得
ニ 非居住者による相続又は遺贈に基づく本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得
ホ 非居住者による他の非居住者からの本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得

五 (略)


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