建設官発第九八四号
昭和二六年一〇月一三日

各都道府県知事あて

建設省管理局長通牒


土地収用法の施行について


新土地収用法の施行に必要な準備的措置に関しては、とりあえず先般事務主管課長会議等を通じて打合せを行った次第であるが、同法の施行期日に関しては、過日閣議において、来る一二月一日から施行されることに決定され、土地収用法施行令及び同施行規則は、近日中に公布されることになった。よって、右施行に伴う諸準備については、左記要領により万遺憾なきよう格段の配慮を煩わしたい。

一 収用委員会の委員及び予備委員の任命については、去る九月八日附建設官発第八六六号の通牒をもって詳細を示し、且つ、主管課長会議において打合せをした次第であるが、本法施行期日たる一二月一日以前にあらかじめ任命に必要なる都道府県議会の同意を得ておき、施行後直ちに任命するよう措置せられたい。
二 土地収用法施行令及び同施行規則は、近日中に官報で公布される筈であるが、都道府県において諸準備を行う上の参考のため、同施行令及び規則案を別冊の通り送付するから参考とせられたい。
三 本法の施行のために必要があるから、本法第二六条第一項、第三〇条第二項、第三三条、第五七条、第五八条、第六五条第五項等に基く都道府県条例及び規則等を本法施行前に制定するよう措置せられたい。
四 収用委員会は、従来の収用審査会とその性質を異にし、知事とも独立し、起業者側及び土地所有者又は関係人側の双方の何れにも偏せず、中立公正に裁決を行う機関であるから、この委員会の庶務を扱う事務局の機構もこれに即応して独立専任の事務局を設けるのが理想であるが、事件の件数が僅少であることと、財政負担の過重を避けるため、専任者も必ずしも置くの要はなく、便宜都道府県の職員を兼務せしめて差支えないこととなっている。しかしながら、収用委員会の裁決就中補償金の決定の公正中立を維持することは、新法の特に強調するところであって、従前の収用審査会の運営の実際にみるように、この補償金の決定が、起業者である都道府県又は事業認定機関である知事の立場に影響され、起業者側に偏して行われることのないように又そのように行われたとの一般の誤解をさけるように致されたく、従って次の諸点に配意せられたい。

(イ) 委員会の庶務を扱う職員は、事業の認定を扱う職員又は起業者側に偏する虞のある業務に携わる職員のみをもって構成されることを極力避けるよう致されたい。
(ロ) 委員会は、委員が主体となって運営されるべきであって、委員会の庶務を扱う職員が委員会を支配するが如き結果とならざるよう致されたい。

五 以上の外、施行上の細部にわたる諸点については、運用上種々疑義もあることと思われるので、更に本法施行上遺漏なきを期するため一〇月下旬頃左記の点について打合会を開催する予定であるから、本法並びに附属法令の解釈運営等について、あらかじめ御検討の上、主管課長を出席せしめられたい。

(イ) 土地収用法並びに附属法令の解釈運営に関する説明及び質疑応答
(ロ) 収用委員会の委員の任命状況の調査
(ハ) 都道府県条例、規則等の進捗状況の調査

追って、会議の日時及び会場については、別に通知する。

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