計総発第一八号
昭和四三年二月二日

各地方建設局長・各都道府県知事あて

建設省計画局長通達


裁決手続開始の決定、登記等について

標記については、左記の要領により処理されたい。

(1) 裁決手続開始の決定の方法については、法令上は何ら規定されていないが、裁決手続開始の登記の嘱託にあたり、登記原因を証する書面として裁決手続開始決定書の正本が必要となるので、裁決手続開始の決定は、書面で行なうこと。
(2) 二筆以上の土地について、その土地所有者が同一人であって関係人のない場合、又は土地所有者が同一人でかつ関係人が同種の権利を有する場合(たとえば、関係人が地上権者であるときは、各種の土地について共通して地上権を有する場合)においては、一括して一個の裁決手続開始決定をすることができる。
(3) 裁決手続開始決定書には、起業者の名称、事業の種類、裁決手続の開始を決定する土地の所在、地番、地目及び地積等(決定する土地の区域が一筆の土地の一部であるときは、その旨及び当該一部の地積を記載し、図面を添附してその区域を明示すること。)、土地所有者の氏名及び住所、土地に関して権利を有する関係人の氏名、住所及びその権利の種類(既登記の権利については、その登記の申請書の受付年月日及び受付番号を含む。)並びに裁決手続の開始を決定した年月日を記載し、会長及び決定に加わった委員はこれを署名押印すること。
(4) 土地収用法施行規則第一七条の三の裁決手続開始の決定の公告の方法は、都道府県の公報によられたい。また、公告には、裁決手続開始決定書に記載した全ての事項(添附図面を除く。)を掲載すること。
(5) 裁決手続開始の登記の嘱託は、別紙様式の登記嘱託書によること。この登記嘱託書に添附すべき登記原因を証する書面は、裁決手続開始決定書の正本(添附図面を含む)である。
(6) 裁決手続開始決定書の正本には、正本である旨及び正本作成年月日を記載し、収用委員会の印章を押すこと。
(7) 裁決手続開始決定書の土地の表示が一筆の土地の一部であるとき、土地所有者若しくは関係人(差押債権者及び仮差押債権者を除く。)の表示が、登記名義人の表示と符合しないとき又はこれらの権利者が登記名義人から権利を承継したものであるとき等の場合は、起業者が裁決手続開始決定書の正本(添附図面を含む。)を代位原因を証する書面として、所要の代位登記を完了した後に、裁決手続開始の登記の嘱託をすること。
(8) 起業者が、添附書類の一部を省略して裁決を申請した場合においては、申請に係る土地が一筆の土地の一部であることが明らかであり、かつ、申請に係る土地のどの部分であるかを示すことができないときは、収用委員会は、裁決手続開始の決定をすることができないので、起業者は、申請後はすみやかに土地調書を作成し、添附書類の補充を早急に行なうこと。
(9) 漁業権、鉱業権等登録されている権利については、裁決手続開始の登録を、登録行政庁に嘱託する必要があるので、注意すること。


別紙
<別添資料>


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