建設省会発第二七五号
平成元年三月三一日

建設大臣官房長から建設大臣官房会計課長各地方建設局長、北海道開発局長、沖縄総合事務局長あて

通達


消費税導入に伴う物品購入契約等の取扱いについて


平成元年一月一〇日に開催された新税制実施円滑化推進本部第一回会合において、「消費税の円滑な実施のための対策」がとりまとめられたことに伴い、同年二月一〇日付け蔵計第一九六号により消費税導入後の政府調達に係る入札について別紙一のとおり大蔵省主計局長から通知され、また、その実施に伴う基本的方針が別紙2のとおり決定されたところである。これらの趣旨を踏まえ、建設省の所管に係る物品購入契約等の取扱いは、左記によることとしたので、その実施に当たっては、遺憾なきよう取り計らわれたい。

I 適用範囲

この通達による取扱いは、建設本省、施設等機関、国土地理院及び地方建設局の所掌する政府調達(支出原因契約)のうち、工事等(消費税の導入に伴う直轄工事等の取扱いについて(平成元年二月八日付け建設省厚発第二五号)記の第一に規定する工事等をいう。)の契約を除く、物品購入契約その他の契約(以下「物品購入契約等」という。)で、消費税法(昭和六三年法律第一〇八号)適用日以後に契約を締結するものから適用する。

II 入札方法

契約担当官等は、物品購入契約等を一般競争又は指名競争に付そうとするときは、一から六までの方法により行うものとする。ただし、次に掲げる契約については、従前どおりの入札方法により行うものとする。
一 商品券等の物品切手の買入契約その他非課税取引に係る契約
二 交換契約その他国の支出原因契約と収入原因契約が混在する契約、土地と建物の一括買入契約その他非課税取引と課税取引が混在する契約など、入札書に記載される書面上の金額が消費税法に規定する消費税の課税標準と一致しないこととなる契約

1 予定価格を総額で定める物品購入契約等については、契約の申込みの誘引である入札公告又は指名通知書に「落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の一〇〇分の三に相当する額を加算した金額(当該金額に一円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)をもって落札価格とするので、入札者は、消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約希望金額の一〇三分の一〇〇に相当する金額を入札書に記載すること。」の旨の文言を付すとともに、現場説明等によりその旨了知させるものとする。
2 予定価格を単価で定める物品購入契約等については、入札公告又は指名通知書に「落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の一〇〇分の三に相当する額を加算した金額をもって落札価格とするので、入札者は、消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約希望金額の一〇三分の一〇〇に相当する金額を入札書に記載すること。」の旨の文言を付すとともに、現場説明等によりその旨了知させるものとする。
3 入札公告又は指名通知において、その都度、一又は二のとおり条件を明示することにより、入札書には各入札者の見積もった契約希望金額の一〇三分の一〇〇に相当する金額を記載させることとし、契約金額は入札書に記載される書面上の金額に当該金額の一〇〇分の三に相当する額を上乗せしたものとする。
4 入札書に記載される書面上の金額は、法律上の入札価格の一〇三分の一〇〇に相当する額となるが、これは、課税事業者の場合には消費税抜きに相当する額となり、免税事業者の場合には、単に課税事業者と同一の間尺で比較できるようにするために用いられる計算上算出される額となる。したがって、入札書の書面上の金額に上乗せされる一〇〇分の三に相当する金額は、免税事業者の場合には、消費税分ではないので留意すること。
5 消費税法附則第一一条第一項及び第二項の規定により消費税の税率が一〇〇分の六とされる普通乗用自動車の買入に係る契約を競争に付そうとする場合においては、一、三及び四の規定中「一〇〇分の三」とあるのは「一〇〇分の六」と、「一〇三分の一〇〇」とあるのは「一〇六分の一〇〇」と読み替えて、これらの規定を適用するものとする。
6 事務の便宜上、予算決算及び会計令(昭和二二年勅令第一六五号)第七九条に規定する予定価格を記載した書面(予定価格調書)に、入札書に記載された金額と比較する価格を「入札書比較価格○○円」と記載するものとする。

III 随意契約

IIの取扱いは、随意契約(口頭により見積りの依頼をするものを除く。)によろうとする場合に準用する。この場合において、IIの1から6までの規定中「入札公告又は指名通知書」とあるのは「見積依頼書」と、「落札決定に」とあるのは「随意契約の相手方を決定するのに」と、「入札書」とあるのは「見積書」と、「落札価格」とあるのは「契約価格」と、「入札者」とあるのは「契約申込者」と、「入札公告又は指名通知」とあるのは「見積りの依頼」と、「各入札者」とあるのは「各契約申込者」と、「入札価格」とあるのは「相手方の申込みに係る価格」と、「に係る契約を競争に付そうとする場合」とあるのは「を随意契約によろうとする場合」と読み替えるものとする。

IV 予定価格の算定

1 予定価格は、予算決算及び会計令第八〇条第二項の規定により適正に定めなければならないこととされているので、II又はIIIの取扱いをする場合でも、当該入札又は見積りに課税事業者が参加しないことが事前に明らかであるという特別な事情がある場合を除き、当該入札又は見積りに係る取引に課せられる消費税分を考慮して適正に算定するものとする。なお、課税事業者が参加しないことが事前に明らかであるという特別の事情がある場合においても、仕入れに係る消費税分を考慮して適正に予定価格を算定する必要があるので留意すること。
2 1でいう特別な事情がある場合とは、一つの地域に免税事業者しか存在していない場合、免税事業者が試験測量機器に係る特許権等を独占して保有している場合など、契約の執行に当たって、契約担当官等が事前に調査しなくても、指名しようとする者又は見積りを依頼しようとする者が免税事業者であると確認できる場合とする。

V 契約書

課税事業者に係る契約書の作成については、競争による契約であるか随意契約であるかを問わず、契約金額のほか、当該契約に係る取引に課せられる消費税額を明示するものとする。ただし、契約書を省略する場合はこの限りでない。

〔記載例〕

第○条 売買代金は、金○○○○○○円(うち消費税額○○○円)とする。
2 前項の消費税額は、消費税法第二八条第一項及び第二九条の規定に基づき売買代金に一〇三分の三を乗じて得た額である。


(別紙一、二 略)


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