発計第二五号
昭和三四年五月一一日

都道府県知事及び五大市長あて

建設事務次官通達


墓地計画標準について(抄)


このたび都市計画又は都市計画事業として決定する場合における墓地計画標準を別紙のとおり定めたから、今後この標準により処理されたい。



別紙

墓地計画標準

第一 計画方針

墓地は、都市の総合的な土地利用計画に基づき、静寂な環境にその位置を選定するものとし、墓地の諸施設は、周囲に及ぼす影響を考慮し、風致美観に留意して計画するものとする。

第二 計画

1 配置

墓地の配置は、次の事項を考慮して計画するものとする。
(1) 市街地に近接せず、かつ、将来の発展を予想し市街化の見込のない位置であつて、市街地からおおむね一時間以内で到達できる位置であること。ただし、既設墓地を整備して納骨堂とするときであつて、かつ、やむを得ないときにおいては、この限りでない。
(2) 土地の取得及び管理経営が容易であつて、将来必要が生じた場合は拡張の余地があること。
(3) 緑地系統の一環として配置すること。
(4) 美田良畑を避けるとともに、場合によつては傾斜地、荒ぶ地等の利用を考慮すること。
(5) 主要な道路、鉄道及び軌道に接しないこと。
(6) 火葬場と併置しないこと。
(7) 都市計画区域内に適地のない場合は区域外に選定すること。この場合、必要に応じて、関係市町村との共同施設とすることも考慮すること。

2 規模

墓地の面積は一箇所おおむね一〇ヘクタール以上とすること。ただし、小都市であつて墓地の総所要面積が一〇ヘクタールにみたないとき及び納骨堂を主体とするときは、この限りでない。

3 境域

墓地の境域は、次の事項を考慮して定めるものとする。
(1) あらかじめ設計を考慮して定めること。
(2) 静寂の地であり、かつ、修景の要素を包含すること。
(3) 一般の交通路線が境域内を通過しないこと。
(4) 墓地の等級に著しい差の生じない地であること。

第三 設計

1 地割

墓所の墓地面積に対する割合は、土地の状況、墓地の種類及び管理経営の便を考慮して定めるものとし、墓所面積を全墓地面積の三分の一以下とする。

2 墓地

(1) 一墓地の面積は四平方メートル以上とすること。
(2) 墓地内通路は、幅員二メートルを標準とすること。
(3) 墓所各等級の適正な割合に留意すること。
(4) 必要に応じ、宗派別埋葬を考慮すること。

3 園路

(1) 幹線となる主要園路の幅員は、六メートル以上とし、必要な箇所には自動車の回転し得る広場を設けること。
(2) 支線園路は、幅員三メートル以上とすること。
(3) 葬祭場その他の施設を墓地内に設けるときは、墓域を通過することなく入口から直行できる園路を設けること。

4 修景

(1) 既存の風致は、保存するよう極力努めること。
(2) 墓地外縁部は、植樹帯で囲むこと。
(3) 広場、休憩地等には、花壇、噴水、壁泉、彫像、パーゴラ、あづまや等の修景施設を適宜配置すること。

5 施設

墓地に必要な最小限の施設は、事務所、休憩所、水道又は井戸及び駐車場とし、その他必要に応じて葬祭場、納骨堂等を設けるものとする。これらの施設は、次の事項を考慮して配置するものとする。
(1) 事務所、葬祭場、花販売所は、主要入口付近に設けること。
(2) 休憩所は事務所、葬祭場に附属するもののほか、小規模のものを適宜配置すること。

第五 都市計画 都市計画事業決定資料

1 都市計画として決定する場合の提出資料

(1) 計画理由書
(2) 現況説明書
(3) 工費概算書
(4) 設計予定説明書
(5) 墓地統計表(下記様式による)
(6) 既設墓地分布図1/10,000
(7) 配置図1/10,000(/都市計画一般図を利用のこと。/既設墓地分布図に含めても可/)
(8) 現況図1/3,000以上
(9) 計画区域図1/3,000以上(現況図と併用しても可)
(10) 設計予想図1/3,000以上
<別添資料>
2 都市計画事業として決定する場合の提出資料

都市計画事業として決定する場合は、前項の資料のほか、次の資料を提出すること。
(1) 事業区域図
(2) 設計説明書(前項の(4)設計予定説明書に代わるもの)
(3) 設計図1/1,200以上(前項の(10)設計予想図に代わるもの)
(4) 事業費明細表及び財政計画書


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