都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成四年法律第八二号)は平成四年六月二六日に、都市計画法施行令及び建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成五年政令第一七〇号)は平成五年五月一二日に、都市計画法施行規則及び建築基準法施行規則の一部を改正する省令(平成五年建設省令第八号)は同年六月二一日に、それぞれ公布され、いずれも同年六月二五日から施行された。
本改正は、先の地価高騰に対応した総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図る必要があり、また、最近の都市化の進展に対応して、良好な市街地の環境を整備し、都市の秩序ある発展を図ることがますます必要となっているとの認識の下に、適切な住環境の保護等を図るための用途地域制度の整備、公共施設を備えた健全な市街地の整備と併せて土地の有効利用等を図るための地区計画制度の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、計画的な市街地の整備を図るための開発許可制度の改善、技術開発の進展等を踏まえた防火に関する規制の適正化を図るための木造建築物に係る制限の合理化等を行おうとするものである。
今後、本改正の趣旨を踏まえ、左記の事項に十分留意して、その運用に遺憾のないようにされたく、命により通達する。また、貴管下関係機関に対しても、この旨周知方お願いする。
一 都市計画法の内容の充実について
(一) 改正後の用途地域の決定、市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定等は、今後の都市計画、特に土地利用計画の根幹的な枠組みを形成するものとして全国的な取組を要することとなるものであり、また、適切に住環境の保護等を図り、適正かつ合理的な土地利用を通じて適正な地価水準の実現に寄与する総合的な土地政策の一環としての法改正の趣旨は、これらの都市計画等が適切に決定されることによって初めて具現するものであること。
これにかんがみ、法改正の趣旨を踏まえ、各都市計画区域における都市計画上の課題と対応等の検討を十分に尽くして、土地利用の方向の一層の明確化・詳細化又はその適時適切な見直しを図り、改正後の用途地域に関する都市計画の的確な決定及び適正な運用に努めること。
また、地区計画制度において創設された誘導容積制度の活用等により、適正な土地の有効利用の促進と良好な市街地の形成の促進を図ること。
(二) 市町村が定める都市計画である特別用途地区及び地区計画の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設並びに三大都市圏の都市開発区域等における用途地域の決定権限の都道府県知事から市町村への委譲等の措置により、市町村の都市計画に関する権限の拡充が図られたことにかんがみ、これらの改正制度の積極的活用により地域に密着したきめの細かい都市計画の推進に努めるとともに、組織の充実、関係職員の研修等を含め、市町村の都市計画に関する執行体制の一層の強化を図ること。この場合において、市町村と都道府県知事の緊密な連携により、都市計画の総合性及び一体性の確保に一層努めること。
(三) 今回の改正が全国の市街地における土地利用に広範な影響を及ぼすと考えられることにかんがみ、具体の用途地域等に関する都市計画の決定及び市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定に当たっては、住民の意見を反映させるための措置を十分に講ずることはもとより、これを契機として都市計画制度に対する住民等の一層の理解と協力を得ることに努めること。
二 開発許可制度の改善について
開発許可制度については、制度創設以降の社会経済の変化を踏まえつつ、特に市街化区域内農地等の宅地化を始めとした市街化の進展、無秩序な開発の進行等に対応して、開発許可の技術基準の見直し、三大都市圏の一定の市街化区域における開発許可の規制対象規模の引下げ等の改正を行ったものであるので、開発行為等の規制の実施に当たっては、制度の改正の趣旨を踏まえ、市街地の計画的な整備が図られるよう特に留意すること。
三 都市計画区域等における建築規制の合理化について
(一) 近年の建築物の用途、形態等の多様化及び複雑化に対応し、市街地における活発な建築活動をそれぞれの地域の特性にふさわしい良質な住宅等の建築ストックの形成や良好な市街地環境の形成へと適切に誘導する上で、建築行政の果たすべき役割の重要性にかんがみ、今回改正された都市計画区域内の建築物の制限の運用に当たっては、違法な用途転用を含めた建築規制違反の防止等のための措置の厳正な執行に努めるとともに、誘導容積制度等の運用に当たっては、建築計画の内容に応じた合理的な建築規制を行うよう一層努めること。
(二) 都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造の制限に関する条例並びに都市計画区域内の用途地域の指定のない区域における容積率制限等の強化のための措置が今回新たに設けられたことにかんがみ、都市計画により制限と密接に関連した土地利用制限としての一貫性を保ちつつ、無秩序な建築活動に伴う市街地環境の悪化の防止に資する適正な制限となるよう十分留意の上、これらの制度を積極的に活用すること。
四 木造建築物に係る建築規制の合理化等について
(一) 近年の木造に関する防火技術の向上等を踏まえ、一定の耐火性能を有する木造建築物について、従来の耐火構造及び耐火建築物に準じた性能基準として、準耐火構造及び準耐火建築物の規定を創設したので、この趣旨を十分踏まえた制度の運用に努めるとともに、建築基準法第四〇条に基づく条例等の改正に際しても、この趣旨が実現されるよう留意すること。
(二) 近年の地域の核となる文化的遺産の重要性にかんがみ、地方公共団体が指定した文化財等で条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が担保されている建築物であって、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したものについては、国宝、重要文化財等と同様にその歴史的・文化的価値を損なわずに保存することを可能とするため、建築基準法の規定の適用を除外することとしたので、この趣旨を十分踏まえた制度の適切な運用に努めること。
(三) 近年、様々な態様の建築物が出現してきていることを踏まえ、建築物の定義を明確化するとともに、一定の基準に適合する簡易な構造の建築物について、その特徴に応じた制限の緩和を行うこととしたので、今回の改正の趣旨を踏まえ、適正な制度の運用が行われるよう努めること。