建設省経企発第四号
平成四年四月一日

三大都市圏の都府県及び指定都市の担当部長あて

建設省建設経済局宅地開発課長、建設省都市局都市計画課長、建設省都市局都市再開発課長、建設省都市局区画整理課長通達


三大都市圏の特定市の市街化区域農地に係る計画的な宅地化及び公共施設の整備を伴った貸家住宅の建設の促進のための優良な宅地化計画の認定等の事務の施行について


今般、地方税法(昭和二五年法律第二二六号)、地方税法施行令(昭和二五年政令第二四五号)及び地方税法施行規則(昭和二九年総理府令第二三号)の一部改正が行われ、市街化区域農地について長期営農継続農地制度の廃止による固定資産税等の課税の適正化措置が実施されることに伴い、市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合には固定資産税等の軽減措置が創設され(当該措置は、当分の間、三大都市圏の特定市の区域内に所在する市街化区域農地(以下「特定市街化区域農地」という。)に限ることとされている。)、また、特定市街化区域農地を転用し、良好な居住環境の整備のための公共施設の整備を伴って良質な貸家住宅を新築した場合の固定資産税等の減額措置が拡充されることとなった。
近年の地価高騰により、大都市地域において勤労者が良質な住宅・宅地を確保することが極めて困難になるなど大都市地域における住宅・宅地供給は内政上の重要課題となっており、これを強力に推進していく必要がある。また、一方では、良好な都市環境の形成に資するため、市街化区域農地の計画的な保全の必要性も高まってきている。
このため、都市計画において、平成四年末までに特定市街化区域農地について保全する農地と宅地化する農地を明確に区分することとしており、保全する農地については、計画的な保全が図られるよう、市街化調整区域への編入又は生産緑地地区の指定を行い、宅地化する農地については、市街化区域農地の無秩序な宅地化による虫食い的な開発を防止するため、計画的な宅地化を促進することとしている。
この計画的な宅地化を税制面から支援するため、固定資産税等の軽減措置等が講じられたが、これは計画的な街づくりに極めて有効なものであるので、十分に活用されたい。
これらの税制上の特例措置の適用に当たっては、新たに都府県知事又は市長が、開発行為の許可、土地区画整理事業等の実施に係る事前協議開始等の証明の手続を行うことが必要とされているほか、一定の場合に、当該宅地の造成に係る計画が優良であることの認定等の手続を行うことが必要とされているが、これらの事務については、以下の事項に留意し、管下の市長又は特別区の区長に周知徹底し、円滑な事務の遂行が図られるようお願いする。なお、本通達の内容については、関係省庁とも協議済みであるので、念のため申し添える。
第1 計画的な宅地化の促進について

I 基本的な考え方

1 都市計画において宅地化する農地とされた特定市街化区域農地については、計画的な宅地化を図ることが基本であるので、土地区画整理事業等の面的開発事業の積極的実施、きめ細かな街づくりを行うことが可能な地区計画制度、住宅地高度利用地区計画制度の活用等により、計画的な市街地形成及び宅地供給の促進を図られたい。
2 このため、税制においても、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律(平成三年法律第七号)第二条による改正後の地方税法(以下「新地方税法」という。)附則第二九条の五の規定において、特定市街化区域農地について、都市計画法(昭和四三年法律第一〇〇号)第二九条の許可(以下「開発許可」という。)を受けて行う開発行為、土地区画整理法(昭和二九年法律第一一九号)による土地区画整理事業の実施等により計画的な宅地化を図る場合に固定資産税及び都市計画税の軽減を行うこととされている。

特に、今後市街化区域への編入等により新たに課税の適正化措置の対象となる特定市街化区域農地については、固定資産税の軽減率の適用(新地方税法附則第一九条の三第一項ただし書)が受けられるが、計画的な宅地化を図る場合には固定資産税の軽減措置が受けられることとなり、この計画的な宅地化を図る場合の軽減措置の方が軽減率の適用に比べてより有利な制度となっているので、以下の事項に留意しつつ、その積極的な活用を図られたい。

II 計画的な宅地化のための手続の開始

1 新地方税法附則第二九条の五の規定により特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置に係る徴収猶予を受けるためには、平成四年末までに特定市街化区域農地の所有者自ら計画的な宅地化のための手続を開始したことについて、当該特定市街化区域農地の所有者の申告に基づき市長の認定を受けなければならないこと。

ここでいう手続の開始とは、特定市街化区域農地の所有者が開発許可の申請、土地区画整理事業の施行の認可に係る申請等を行ったこと又は都道府県知事若しくは市長に対してこれらの事業の実施に係る事前協議を開始したことであること。
また、当該特定市街化区域農地の所有者が市長の認定を受けるための申告を行う際には、開発許可の申請、土地区画整理事業の施行の認可に係る申請等については、都府県知事又は市長が当該申請等を受理したことを証する書類(以下「申請等受理証」という。)が必要とされており(地方税法施行規則の一部を改正する省令(平成三年自治省令第九号)による改正後の地方税法施行規則(以下「新規則」という。)附則第八条の三第二項第一号イ)、また、事前協議の開始については、都府県知事又は市長に対する事前協議が開始されたことを証する書類(以下「事前協議書」という。)が必要とされていること(新規則附則第八条の三第二項第一号ロ)。

2 申請等受理証

(1) 申請等受理証は、特定市街化区域農地について、次に掲げる申請等(地方税法施行令の一部を改正する政令(平成三年政令第八二号)第二条による改正後の地方税法施行令(以下「新令」という。)附則第一四条の五第一項第一号から第七号まで)の受理を行った旨を当該特定市街化区域農地の所有者の申請に基づき、都府県知事又は市長が証するものであること。

1) 都市計画法第二九条による開発許可の申請
2) 土地区画整理法第四条第一項の土地区画整理事業の施行(個人施行)の認可又は同法第一四条第一項の土地区画整理組合の設立の認可の申請
3) 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法(昭和四八年法律第一〇二号)第三条第一項の土地区画整理事業の施行の要請
4) 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五〇年法律第六七号。以下「大都市地域住宅等供給促進法」という。)第一一条第二項の特定土地区画整理事業又は第三〇条第二項の住宅街区整備事業の施行の要請
5) 大都市地域住宅等供給促進法第三三条第一項の住宅街区整備事業の施行(個人施行)の認可又は第三七条第一項の住宅街区整備組合の設立の認可の申請
6) 農住組合法(昭和五五年法律第八六号)第六七条第一項の農住組合の設立の認可の申請
7) 優良な宅地化計画の認定の申請(III参照)

(2) 申請の様式は、様式1によること。

3 事前協議証書

(1) 事前協議証書は、2(1)に掲げる申請等について、特定市街化区域農地の所有者と開発行為等の許認可を担当する都府県又は市の担当部局との間で、当該特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図るための具体的な検討が開始されたことを証するものであること。

なお、ここでいう具体的な検討が開始されたこととは、計画的な宅地化に係る土地の区域及び事業手法が所要の図書等により明らかになることであること。

(2) なお、事前協議証書により新地方税法附則第二九条の五第一項に規定する認定を受けるための申告を行う場合には、二の申請等受理証は、不要であること。
(3) 申請の様式は、様式二によること。

III 優良な宅地化計画の認定について

1 優良な宅地化計画の認定の考え方

(1) 特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置の適用を受けるに当たって、開発許可を要しない宅地の造成に係る計画が建設大臣の定める基準に適合していることについての市長の認定(新令附則第一四条の五第一項第七号。以下「優良な宅地化計画の認定」といい、当該認定に係る計画を「優良な宅地化計画」という。)は、「地方税法施行令の規定に基づき建設大臣の定める基準を定めた件(平成三年九月二〇日付建設省告示第一六六四号)」に定める基準(以下「優良な宅地化計画の認定基準」という。)に基づき、行うものである。
(2) なお、優良な宅地化計画の認定は、当該認定が行われても認定どおりの宅地造成が法的に担保されるものではないので、認定を行った後は、認定どおりの宅地造成が確実に実施されるよう指導に努められたい。

2 認定の基準

優良な宅地化計画の認定基準の運用に当たっては、以下の諸点な留意されたい。
(1) 優良な宅地化計画の認定基準の第一・第一号(一、〇〇〇平方メートル以上の宅地の造成についての宅地としての安全性に関する事項及び道路、給水施設、排水施設その他宅地に必要な施設に関する事項に係る基準)の運用について

都市計画法施行令第二三条の二から第二九条まで及び都市計画法施行規則第二〇条から第二七条までを基準に判断すること。

(2) 優良な宅地化計画の認定基準の第一・第二号(一、〇〇〇平方メートル未満の宅地の造成についての宅地としての安全性に関する事項及び道路、給水施設、排水施設その他宅地に必要な施設に関する事項に係る基準)の運用について

1) ロ(安全上必要な措置)については、都市計画法施行令第二八条並びに都市計画法施行規則第二三条及び第二七条を基準に判断すること。
2) ハ(道路の構造)については、都市計画法施行規則第二四条を基準に判断すること。
3) ホ(排水施設)については、都市計画法施行令第二六条第一号から第三号まで並びに都市計画法施行規則第二二条及び第二六条を基準に判断すること。

(3) 優良な宅地化計画の認定基準の第二(その他優良な宅地の供給に必要な事項)について

1) 他の法令に関する適法性の審査は、原則として宅地造成等規制法のほか、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、砂防法、森林法、自然公園法、自然環境保全法等について行い、必要に応じて関係条例についても審査すること。
2) 他の法令により許可、認可等の処分を必要とする場合は、原則として認定時までに当該処分を受けることが望ましいが、認定時に当該処分を受けていない場合であっても、当該処分のなされることが確実であり、適法に工事が行われるものである場合は認定して差し支えないこと。

(4) 宅地の用途に関すること

1) 優良な宅地化計画の認定に際しては、宅地の用途は特に問わないものであること。すなわち、特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置の目的は、特定市街化区域農地の転用、計画的な宅地化による都市的な土地利用への転換の促進とその際の公共施設等の整備充実を図ることであり、宅地の用途は必ずしも住宅系の用途に限定されるものではないこと。
2) 第二に掲げる貸家住宅を新築する場合の固定資産税等の減額措置に関しては、宅地の用途は一定の貸家住宅の敷地の用に供されることが要件となっているが、優良な宅地化計画の認定の際の要件とはなっていないものであること。

3 申請の手続

(1) 優良な宅地化計画の認定の申請に必要な書類は、開発許可の申請に必要な書類に準じたものが要求されている点に留意すること(新規則附則第八条の三第一項各号)。
(2) 申請の様式は、様式三によること。

IV 宅地化のための計画策定等

1 新地方税法附則第二九条の五の規定により特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置に係る納税義務の免除を受けるためには、平成五年末までに計画的な宅地化のための計画策定等がなされたことについて、特定市街化区域農地の所有者の申請に基づき市長の確認を受けなければならないこと。

ここでいう計画策定等とは、開発許可、土地区画整理事業の施行の認可等、地区計画における地区整備計画等の都市計画の決定等であること。
また、特定市街化区域農地の所有者が市長の確認を受けるための申請を行う際には、宅地化のための計画策定等がなされたことを証する書類(以下「計画策定等を証する書類」という。)及び対象となる特定市街化区域農地が宅地化のための計画の区域内にあることを証する書類(優良な宅地化計画の認定の場合を除く。以下「区域内証書」という。)が必要とされていること(新規則附則第八条の三第二項第二号)。

2 なお、徴収猶予に係る固定資産税等の納税義務が免除されるための市長の確認に係る計画策定等は、徴収猶予を受けるための市長の認定に係る計画的な宅地化のための手続の開始と手続的に対応するものでなくてもよいものとされていること。すなわち、例えば開発許可の申請により市長の認定を受け固定資産税の徴収猶予を受けていた特定市街化区域農地の所有者が、開発許可を受ける前に当該特定市街化区域農地について地区計画における地区整備計画に係る都市計画の決定がされた場合には、その決定につき市長の確認を受け徴収猶予に係る固定資産税の納税義務の免除を受けることができる点に留意すること。
3 計画策定等を証する書類

計画策定等を証する書類については、以下に定める書類とすること。
(1) 開発許可(新令附則第一四条の五第二項第一号関係)

開発許可の通知の文書(都市計画法第三五条第二項)の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号イ)

(2) 土地区画整理事業

1) 個人施行及び組合施行(新令附則第一四条の五第二項第二号関係)

土地区画整理事業の施行の認可(土地区画整理法第四条第一項)又は土地区画整理組合の設立の認可(同法第一四条第一項)に係る認可書の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

2) 公共団体施行及び行政庁施行(新令附則第一四条の五第二項第三号関係)

土地区画整理事業の事業計画の決定(土地区画整理法第五二条第一項又は同法第六六条第一項)の公告の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ハ)

3) 公団等施行(新令附則第一四条の五第二項第四号関係)

施行規程及び事業計画の認可(土地区画整理法第七一条の二第一項又は住宅・都市整備公団法第四一条第一項)に係る認可書の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

(3) 住宅街区整備事業

1) 個人施行及び組合施行(新令附則第一四条の五第二項第五号関係)

住宅街区整備事業の施行の認可(大都市地域住宅等供給促進法第三三条第一項)又は住宅街区整備組合の設立の認可(同法第三七条第一項)に係る認可書の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

2) 公共団体施行(新令附則第一四条の五第二項第六号関係)

住宅街区整備事業の事業計画の決定(大都市地域住宅等供給促進法第五二条第一項)の公告の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ハ)

3) 公団等施行(新令附則第一四条の五第二項第七号関係)

住宅街区整備事業の施行規程及び事業計画の認可(大都市地域住宅等供給促進法第五八条第一項)に係る認可書の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

(4) 農住組合(新令附則第一四条の五第二項第八号関係)

農住組合の設立の認可(農住組合法第六七条第一項)に係る認可書の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

(5) 地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画(新令附則第一四条の五第二項第九号関係)

地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画についての都市計画の決定(都市計画法第二〇条第一項)の告示の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ハ)

(6) 優良な宅地化計画(新令附則第一四条の五第二項第一〇号関係)

開発許可を要しない宅地の造成に係る計画について、市長による優良な宅地化計画の認定書(様式三により認定を受けたもの)の写し(新規則附則第八条の三第二項第二号ニ)

4 区域内証書

区域内証書については、以下に定める特定市街化区域農地の所有者の申請に基づく書類とすること。
(1) 開発許可(新令附則第一四条の五第二項第一号関係)

都市計画法第三五条第二項の規定により開発許可の通知をした者が当該開発行為の区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号イ)

(2) 土地区画整理事業

1) 個人施行及び組合施行(新令附則第一四条の五第二項第二号関係)

土地区画整理法第四条第一項又は第一四条第一項の規定により認可した者が当該認可に係る区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

2) 公共団体施行、行政庁施行及び公団等施行(新令附則第一四条の五第二項第三号及び第四号関係)

土地区画整理事業の施行者が当該事業計画に係る区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ及びハ)

(3) 住宅街区整備事業

1) 個人施行及び組合施行(新令附則第一四条の五第二項第五号関係)

大都市地域住宅等供給促進法第三三条第一項又は第三七条第一項の規定により認可をした者が当該認可に係る区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

2) 公共団体施行及び公団等施行(新令附則第一四条の五第二項第六号及び第七号関係)

住宅街区整備事業の施行者が当該事業計画に係る区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ及びハ)

(4) 農住組合(新令附則第一四条の五第二項第八号関係)

農住組合法第六七条第一項の規定により認可をした者が当該組合の区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ロ)

(5) 地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画(新令附則第一四条の五第二項第九号関係)

地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画に係る都市計画を決定した者が当該都市計画に係る区域内に申請に係る土地が所在することを証する書類(新規則附則第八条の三第二項第二号ハ)

(6) 申請の様式は、様式四によること。

V 申請等の時期について

新地方税法附則第二九条の五の規定により特定市街化区域農地の計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置を受けるための手続は、以下のとおりとなっているので、認定又は確認に係る事務の施行について遺漏のないよう取り計らわれたい。
1 計画的な宅地化のための手続は、平成三年四月一日から平成四年一二月三一日までの間に開始されなければならないが(新地方税法附則第二九条の五第一項)、その手続が開始されたことにつき市長の認定を受けるための市長への申告は、平成四年四月一日から平成五年一月三一日までの間になされなければならないこと(同条第二項)。
2 宅地化のための計画策定等は、平成三年四月一日から平成五年一二月三一日までの間になされなければならないが(同条第一項)、その計画策定等がなされたことにつき市長の確認を受けるための市長への申請は、平成四年四月一日から平成六年一月三一日までの間になされなければならないこと(同条第三項)。
3 したがって、平成三年四月一日以降に行われた計画的な宅地化のための手続については、新地方税法の施行前のものであっても、申請等に基づき確認等を行って差し支えないこと。

ただし、計画的な宅地化を図る場合の固定資産税等の軽減措置の適用の対象となる土地は、平成四年一月一日において特定市街化区域農地であるものに限られており、同日までに農地法(昭和二七年法律第二二九号)第四条第一項又は第五条第一項の転用届が出された農地は、当該措置の適用対象から除かれるものであること。

第2 公共施設の整備を伴った貸家住宅の建設の促進について

I 基本的考え方

1 新地方税法附則第一一条の四第三項並びに第一六条第三項及び第四項に規定する特定市街化区域農地を転用して貸家住宅を新築した場合の不動産取得税及び固定資産税の減額措置を見直し、従来の減額措置を拡充するとともに、対象となる貸家住宅の敷地の用に供する土地が良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることについて都府県知事又は市長の認めるものに限ることとされたものである。
2 なお、この減額措置は、貸家住宅の敷地の用に供する土地が特定市街化区域農地から転用される際に、新地方税法附則第二九条の五第一項の規定の適用を受けなかった場合においても適用できる点に留意されたい。

II 良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることの認定について

1 新地方税法附則第一一条の四第三項並びに第一六条第三項及び第四項に規定する特定市街化区域農地を転用して貸家住宅を新築した場合の固定資産税等の減額措置を受けるためには、当該貸家住宅の敷地の用に供する土地が良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることについて、特定市街化区域農地の所有者等の申請に基づき都府県知事又は市長が認めることが必要とされていること。

ここにいう良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることとは、開発許可等の内容に適合した宅地の造成がされたこと等(新令附則第八条第五項第一号から第三号まで及び第一二条第八項第一号から第三号まで)又は建設大臣の定める基準に適合した優良な宅地の造成がされたこと(新令附則第八条第五項第四号及び第一二条第八項第四号)であること。
また、良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることにつき都府県知事又は市長が認めるための申請を行う際には、以下の書類(新規則附則第三条の二の七第一号から第四号まで及び第七条第二項第一号から第四号まで)の添付が必要とされていること。

2 開発許可の内容に適合した宅地の造成がされた土地に係る添付書類

開発許可の内容に適合した宅地の造成がされた土地(新令附則第八条第五項第一号及び第一二条第八項第一号)に係る添付書類については、次によること。
(新規則附則第三条の二の七第一号及び第七条第二項第一号)
(1) 検査済証(都市計画法第三六条第二項)の写し
(2) 区域内証書

なお、区域内証書については、第1IV4(1)を準用し、申請の様式は、様式四によること。
また、不動産取得税の減額を受ける場合にも、区域内証書が必要とされているが、固定資産税の減額を受けるため区域内証書の交付を受けた場合には、当該証明をもって、不動産取得税の減額を受けるための都府県知事への申請に係る区域内証書についての市長による証明とすることができるものであること(以下区域内証書については同じ。)。

3 土地区画整理事業又は住宅街区整備事業の換地処分の公告がされた土地に係る添付書類

土地区画整理事業又は住宅街区整備事業が施行され、換地処分の公告がされた土地(新令附則第八条第五項第二号及び第一二条第八項第二号)に係る添付書類については、次によること(新規則附則第三条の二の七第二号及び第七条第二項第二号)。
(1) 換地処分の公告(土地区画整理法第一〇三条(農住組合法第八条第一項において適用する場合及び大都市地域住宅等供給促進法第八三条において準用する場合を含む。))の写し
(2) 区域内証書

なお、区域内証書については、第1IV4(2)及び(3)を準用し、申請の様式は、様式四によること。

4 計画策定等の内容に適合した宅地の造成がされた土地に係る添付書類

計画策定等の内容に適合した宅地の造成がされた土地(新令附則第八条第五項第三号及び第一二条第八項第三号)に係る添付書類は、新地方税法附則第二九条の五第一項の確認を受けたこと及び当該確認に係る計画策定等の内容に適合した宅地の造成がされたものであることについての市長の証明がされた書類とされており、(新規則附則第三条の二の七第三号及び第七条第二項第三号)、このうち当該確認に係る計画策定等の内容に適合した宅地の造成がされたものであることについての市長の証明(以下「計画的宅地造成の証明」という。)に当たっては、以下の点に留意されたい。
(1) 計画的宅地造成の証明は、次に掲げる計画策定等について、それぞれに定める宅地の造成等が行われたことを証するものであること。

1) 開発許可 開発許可の内容に適合した宅地の造成
2) 土地区画整理事業又は住宅街区整備事業 事業計画の認可又は公告の内容に適合した土地の区画形質の変更等
3) 農住組合 当該農住組合の行う事業手法に応じ、事業計画の内容に適合した宅地の造成
4) 地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画 地区計画における地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画の内容に適合した宅地の造成
5) 優良な宅地化計画 優良な宅地化計画の認定の内容に適合した宅地の造成

(2) なお、宅地造成等を行う場合の事業手法としては、開発許可、土地区画整理事業又は住宅街区整備事業が一般的であり、農住組合が宅地造成等を行う際も実際の事業手法としては前記三手法のいずれかによるものであり、また、地区整備計画又は住宅地高度利用地区計画の区域内における宅地造成等を行う際もこの三手法のいずれかによることが通常である。そして、この三手法による場合は、前記第2II2又は3に定める添付書類を提出すれば足りるものであること。
(3) 不動産取得税の減額を受ける場合にも、市長による計画的宅地造成の証明が必要とされている(新規則附則第三条の二の七第三号)が、固定資産税の減額を受けるため市長による計画的宅地造成の証明がされた場合には、当該証明をもって、不動産取得税の減額を受けるための都府県知事への申請に係る市長による計画的宅地造成の証明とすることができるものであること。
(4) 申請の様式は、様式五(A)によること。

5 優良な宅地の造成がされた土地に係る添付書類

優良な宅地の造成がされた土地(新令附則第八条第五項第四号及び第一二条第八項第四号)に係る添付書類は、建設大臣の定める基準に適合した宅地の造成がされたものであることについて市長の証明(以下「優良宅地の証明」という。)がされた書類とされており(新規則附則第三条の二の七第四号及び第七条第二項第四号)、当該優良宅地の証明に当たっては、以下の点に留意されたい。
(1) 優良宅地の証明の基準となる建設大臣の定める基準は、優良な宅地化計画の認定基準であること。すなわち、優良な宅地化計画の認定基準は、新地方税法附則第二九条の五第一項の市長の認定及び確認のための基準となるとともに、同法附則第一一条の四第三項並びに附則第一六条第三項及び第四項の都府県知事又は市長の認定の基準ともなるものである。したがって、その運用に当たっては、第1IIIを参考とすること。
(2) 優良宅地の証明は、新地方税法附則第一一条の四第三項並びに第一六条第三項及び第四項に規定する貸家住宅の敷地の用に供する土地が、既に特定市街化区域農地を転用して公共施設の整備が行われたものであり、優良な宅地化計画の認定基準に適合するものであることを証するものであること。
(3) 土地区画整理事業又は住宅街区整備事業にあっては、換地処分の公告がされる以前であって仮換地の指定がされた段階において貸家住宅を新築した場合、当該貸家住宅の敷地の用に供する土地は、新令附則第八条第五項第二号及び第一二条第八項第二号に規定する土地には該当しないが、公共施設の整備が行われたものであることについて優良宅地の証明を受けた場合には、公共施設の整備を伴って貸家住宅を新築した場合の固定資産税等の減額措置を受けられるものであること。
(4) 不動産取得税の減額を受ける場合にも、市長による優良宅地の証明が必要とされている(新規則附則第三条の二の七第四号)が、固定資産税の減額を受けるため市長による優良宅地の証明がされた場合には、当該証明をもって、不動産取得税の減額を受けるための都府県知事への申請に係る市長による優良宅地の証明とすることができるものであること。
(5) なお、新令附則第八条第五項第四号及び第一二条第八項第四号に基づく優良宅地の証明は、開発許可等の内容に適合した宅地の造成がされたこと等(新令附則第八条第五項第一号から第三号まで及び第一二条第八項第一号から第三号まで)の証明が受けられないもので、優良な宅地化計画の認定基準に適合した宅地の造成がされた土地について、良好な居住環境の整備のための公共施設の整備が行われたものであることを証するものである点に留意すること。
(6) 申請の様式は、様式五(B)によること。



様式〔略〕


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