発計第二〇号
昭和二九年六月一日

知事あて

建設事務次官通知


都市計画排水施設設計標準について


今般都市計画施設として行う場合の排水施設計画標準を、別紙の通り定めたから、爾今本標準により処理されたい。

都市排水施設調査資料

第一 現況調査

1 図面

当該都市の排水に関係する区域を含む縮尺1/10,000以上の平面図に排水現況を下記様式により記入すること。

事項
凡例
 
註記
排水路
 
 
プラッシアンブルー実線
幅員1米以上の排水路を対象とする。流下方向を記入し主要水路流末に於ては最高、平均、最低の各水位及び潮位を添記すること。
用水路
 
 
サツプ実線
幅員1米以上の用水路を対象とする流下方向を記入すること。
ポンプ場
 
 
プラッシアンブルー
 
扉門
 
 
プラッシアンブルー
 
防潮堤並びに改修済み堤防
 
 
ブラック実線
 
排水区域
 
 
プラッシアンブルー鎖線
各水路毎の排水区域を明示しその面積(ha)を添記すること。
干潮区域
 
 
クロームイエロー実線
 
下水道築造認可区域
 
 
クリムソンレーキ鎖線
築造許可一般図を添付し認可年月日を添記すること。
下水道計画区域
 
 
バイオレット鎖線
 

2 調書

図面対照番号
水路名称
平均
 
水路長
護岸状況
ポンプ能力扉門の状況
遊水地面積容量
その他施設状況
摘要
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
m
m
m
 
 
 
 
ポンプは農林省補助、扉門は河川改修に伴い建設省直轄施行など事業主体を記入すること。
第二 災害調査

1 図面

現況調査平面図にトレーシングペーパーを貼布して下記様式により記入すること。

事項
凡例
 
註記
水路
 
 
プラッシアンブルー実線
 
浸水地区
 
 
バーミリオン実線
地区番号名称を記入すること。
年平均一回浸水区域
プラッツアンブルー淡色にて塗りつぶす。
 
 
年平均二回浸水区域
クロームイエロー淡色にて塗りつぶす。
 
 
年平均二回以上浸水区域
サップグリーン淡色にて塗りつぶす。
 
 

2 調書

最近五ケ年間における災害について調査すること。
<別添資料>
都市排水施設計画標準

第一 計画

1 都市排水施設計画の策定に当っては、現在市街地及び将来の市街化を予想される区域について専ら雨水の緊急排除を目的とする施設の整備を目途とし、この観点から、市街地に影響を与える、山地、農耕地等よりの流入水についても充分に配慮された適正な計画となるよう留意すること。
2 都市排水施設は土地利用状態並びに交通、衛生、防災等都市構成に関する諸施設を勘案し綜合的に計画すること。
3 排水路の選定に当っては準用河川及び農業用水を除くと共に既設下水道並びに下水道計画との関連を十分考慮した上必要と認められる主要排水路を選定すること。

第二 設計

1 排水区域

排水区域は地形、地物その他の状況を勘案し各排水区域相互間の調整を図って決定すること。

2 排水路

(1) 排水量

排水量の算出に当っては十分に調査検討を行うものとし、特に下記事項に留意すること。
a 降雨強度は3年に1回程度の最大時間降雨量を標準として決定すること。
b 流出係数は概ね次の標準によること。

種類
係数
種類
係数
家屋稠密の都市の中心地
0.70〜0.90
公園、広場、空地
0.10〜0.30
家屋稠密の住宅地
0.50〜0.70
芝生、牧場、耕地
0.05〜0.25
家屋稠密でない住宅地
0.25〜0.50
森林地滞
0.01〜0.20

c 流量計算には実験公式を採用すること。

(2) 水路の配置

a 既設水路を極力利用し、短区間の施工により相当の効果を発揮するようにすること。
b 迂回、曲折等を極力避け最も速かに幹線排水路及び吐口に流出させること。
c 吐口は当該排水路の流末の河海湖沼の自然状況及び利用状況等を十分調査の上決定すること。
d 鉄軌道、用水路並びに交通量又は地下埋設物等の多い街路等との交叉を極力避けること。
e 施行後の土地利用並びに施設の維持管理に支障のないようにすること。
f 街路、公園等他の都市計画施設との調整を図り齟齬を来たさないようにすること。

(3) 構造

a 水路断面は排水区域の状況を精査して算出した流量により決定すること。
b 水路勾配は概ね流速0.6〜3.0m/Secを保たせるよう留意して決定すること。
c 急勾配の水路は洗掘、流達時間の短縮による流量の激増などを考慮して適宜堰を設けて調節し、又緩勾配のものについては、遊水池、泥溜、スクーリン等、工法並びに施設の設置に留意する他、自然流下不能の場合にはポンプ場を設けること。
d 水路は開渠を原則として道路を横断する場合、道路沿に設置する場合、勾配の緩なる場合等維持管理上止むを得ないときは暗渠とするか、或は将来暗渠となし得るような構造とする。
e 水路の計画高水位下の構造はコンクリート或は練石積等にて強固なものとすること。
f 鉄軌道、道路沿に水路を築造する場合は活荷重による振動も十分考慮すること。
g 海岸に自然流下する水路の構造については漂砂、波浪、浸透水の影響も十分考慮すること。

(4) ポンプ施設

a ポンプの動力は原則としてディーゼルエンジンを使用すること。
b ポンプは単基設置を極力避け、なるべく各種能力のポンプを組合せること。
c 原動機は高水位以上の位置を選び強固な基礎の上に設置すること。
d ポンプ場前面には、必ず沈砂池及びスクーリンを設けること。

第三 図面

1 計画決定に要する図面

(1) 一般図

現況調査図面に下記様式により計画排水施設並に同排水区域を併記すること。

事項
凡例
 
註記
計画排水路
 
 
バーミリオン実線
流下方向を記入のこと。
計画ポンプ場
 
バーミリオン
 
計画排水区域
 
 
バーミリオン鎖線
 

(2) 計画図

縮尺1/3,000以上実測図に下記様式により計画排水施設並に同排水区域を記入すること。

事項
凡例
 
註記
排水路場
 
 
バーミリオン実線
流下方向及び幅員を記入すること。
計画ポンプ
 
 
バーミリオン実線
ポンプ場の位置並に形状を図示すること。
計画排水区域
 
 
バーミリオン鎖線
 

2 事業決定に要する図面

(1) 一般図

縮尺1/10,000以上の平面図に下記様式により記入すること。

事項
凡例
 
註記
計画排水路
 
 
バーミリオン実線
計画決定排水路はすべて記入すること。
事業排水路
 
 
バーミリオン実線
事業決定区間を淡バーミリオンで塗りつぶし幅員、延長、執行年度割を明示すること。
計画ポンプ場
 
 
バーミリオン
計画ポンプ場をすべて記入すること。
事業ポンプ場
 
 
バーミリオン
円内を淡バーミリオンで塗りつぶす。
排水区域
 
 
バーミリオン鎖線
 

(2) 設計図

縮尺1/600以上の

平面図
縦断図
横断図
構造図

第四 表示

1 都市計画として決定する場合

○○○都市計画排水施設
都市計画排水施設を次のように定める。

番号
名称
起点
終点
主な経過地
幅員「メートル」
延長「メートル」
排水区域「ヘクタール」
摘要
××
××排水路
××町字×××
××番地
××町大字××
××番地
 
 
 
 
断面

▲幅×深△

但し
○○ポンプ場
○○町大
字○○
○○番地先
 
○○
「メ
平方
ートル」
 

揚水能力毎秒

○○立方米

「別紙図面表示の通り」

2 都市計画事業として決定する場合

○○○都市計画排水施設事業及びその執行年度割

第一 都市計画排水施設中第××号××排水路を次のように都市計画事業とする。

番号
名称
起点
終点
主な経過地
幅員「メートル」
延長「メートル」
排水区域「ヘクタール」
摘要
××
××排水路
××町字×××
××番地
××町大字××
××番地
 
 
 
 
延長の一部
但し
○○ポンプ場
○○町大
字○○
○○番地先
 
○○
「メ
平方
ートル」
 
揚水能力毎秒

○○立方米

「別紙図面表示の通り」

第二 前項の事業の執行年度割を次のように定める。

昭和  年度  約  割
昭和  年度  約  割


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