下水道法施行令の一部を改正する政令(平成六年政令第二一五号)が平成六年七月一日に公布、施行されたところであるが、改正の要旨及び運用上の留意点は以下のとおりであるので、遺憾のないようにされたい。
1 改正の要旨
市街地における浸水対策の促進を図るとともに、地下水涵養に寄与し、また、合流式下水道における越流水の水質改善に資するために、下水道に接続するために各戸において設置する排水設備を、雨水貯留浸透機能を有する構造のものとすることが必要な場合もある。しかし、現在、排水設備の構造については、下水道法施行令(以下「令」という。)第八条第三号において、「漏水を最少限度のものとする措置が講ぜられていること」が要求されており、雨水貯留浸透機能を有する排水設備の設置が同号の規定に違反するのではないかという疑義が生じていた。
今回の改正は、雨水貯留浸透機能を有する排水設備の設置が可能である旨の文言を条文上設けることにより、前記のような解釈上の疑義を解消するため、令第八条第三号について所要の改正を行ったものである。
2 運用上の留意点
(1) 「雨水を排除すべきもの」とは、雨水桝等の雨水のみを排除することを目的とした排水設備を指すものであり、汚水が含まれる構造となっている場合は、ただし書は適用されないものである。したがって、合流式下水道に係る排水設備で汚水と雨水を分離する構造となっていないものについては、雨水のみを排除する桝等を新たに設ける等の必要がある。
(2) 「雨水を地下に浸透させる機能を有するもの」とは、多孔管のほか、貯留浸透桝等のいわゆる雨水貯留浸透機能を有する排水設備を広く指すものである。
(3) 雨水を地下に浸透させる機能を有する排水設備の設置に当たっては、当該排水設備から雨水が地中に浸透することにより道路の構造に支障を及ぼすことのないよう留意すべき旨、下水道管理者は排水設備を設置する者に対し周知を図られたい。