47首圏発第五〇三号
昭和四七年一一月九日

東京都知事、神奈川県知事、埼玉県知事、横浜市長及び川崎市長あて

首都圏整備委員会事務局長通達


首都圏整備法等の一部を改正する法律及び首都圏整備法施行令等の一部を改正する政令の施行について


首都圏整備法等の一部を改正する法律(昭和四十七年法律第八十七号)は、昭和四十七年六月二十二日公布され、昭和四十七年十二月一日から施行されることになつており、また、首都圏整備法施行令等の一部を改正する政令(昭和四十七年政令第三百三十六号。以下「改正令」という。)も昭和四十七年九月二十一日公布され、同法の施行と同時に施行されることとなつている。
とくに、今回の改正により首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律(昭和三十四年法律第十七号。以下「法」という。)の目的に、既成市街地への産業及び人口の過度の集中を防止することに合わせて、都市環境の整備及び改善を図ることが加えられるとともに、制限施設の基準面積の引き下げ、工業等制限区域の拡大等の措置が講ぜられたほか、許可の基準等も改正されることとなつたので、今後次の事項に留意のうえ法の施行に遺憾のないよう貴職の特段の配慮を煩わしたい。
以上標記法律及び政令の施行にあたり、命によつて通達する。

一 既成市街地の区域について(首都圏整備法施行令第二条及び改正令附則第二項関係)

(1) 既成市街地の区域は、東京都の特別区の存する区域及び武蔵野市の区域並びに三鷹市、横浜市、川崎市及び川口市の区域のうち別表に掲げる区域を除く区域となり、従来の約九百十平方キロメートルから約九百二十二平方キロメートルに拡大された。

具体的には、昭和四十年一月一日以降に公有水面埋立法第二二条の竣功認可のあつた埋立地が既成市街地になつた。また、武蔵野市は全域が既成市街地となるとともに、三鷹市、横浜市及び川崎市については宅地造成等による地形の変更に合わせて若干の調整を行つた。
三鷹市、横浜市、川崎市及び川口市については、既成市街地の区域の表示方法が該当区域列挙方式から除外区域列挙方式に改められた。
したがつて、今後横浜市及び川崎市の地先水面で、昭和四十七年十二月一日以後において竣功認可をうけた埋立地も自動的に既成市街地の区域に編入されることとなるので留意されたい。

(2) 別表において内閣総理大臣が定めることとされている区域は、すでに昭和四十七年十月六日に首都圏整備委員会告示第三号として官報に告示したとおりである。

なお、この告示は、昭和四十七年十二月一日から適用されることとなるので念のためつけ加える。

二 工業等制限区域について(首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律施行令(昭和三十四年政令第五十二号。以下「施行令」という。)第四条関係)

(1) 工業等制限区域は、首都圏整備法施行令第二条で定められた既成市街地の区域とされている区域とされ、あの面積も従来の約七百八平方キロメートルから約九百二十二平方キロメートルとなつた。したがつて、昭和四十七年十二月一日以後において公有水面埋立法第二十二条の竣功認可をうけた埋立地も自動的に既成市街地に編入されることとなるとともに、工業等制限区域に編入されることとなるので、埋立てについては関係者間で事前に十分調整することとされたい。ただし、昭和四十七年十二月一日以後に公有水面埋立法第二十二条の竣功認可のあつた埋立地で、工業の用に供する目的をもつてする埋立てとして同法第二条の免許のあつたもののうち、同日前に国際復興開発銀行等からの外資の受入れに関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第二項の規定に基づき政府が保証した地方債を財源として、その埋立てが行なわれたものに係る区域については、改正令附則第四項の規定に基づき昭和四十七年十二月一日から起算して六年間は工業等制限区域から除外されることとなるので留意されたい。
(2) 施行令第四条第二項により備え付けるものとされている工業等制限区域を明示した図面についても、竣功認可のあつた埋立地をその都度調整し、閲覧に不備のないよう措置されたい。

なお、昭和四十七年十二月一日からあらたに工業等制限区域になる区域について、同日以前に関係人から請求があつた場合においても閲覧に供することが望ましいので、早急に図面を調整し、備え付けるものとされたい。

三 作業場の基準面積について(法第二条第五項及び施行令第三条関係)

作業場の最低基準面積が五百平方メートルに引き下げられたが、精米業、印刷業等の別表に掲げる八業種の基準面積は従来どおり一千平方メートルにすえおかれることとなつた。

四 制限施設の新設又は増設に対する許可について(法第四条第一項ただし書)

法第四条第一項ただし書の規定による処分を行なう場合には、建築基準法、公有水面埋立法等の施行を担当する関係内部部局とよく意見を調整し、すみやかに処理するように努めることとされたい。

五 許可の基準及び承認手続について(法第八条関係)

(1) 法第八条第一項の許可の基準については、今回の法律改正により全面的に改訂されたので、その解釈及び運用については、別途通知するところによられたい。
(2) 今回の法律改正により、新設又は増設後の床面積の合計が三千平方メートル未満の作業場については、国土庁長官その他の関係行政機関の長の承認を得ることを要しないこととなつたが、制度の運用の実態を把握する必要があるので、処理案件については国土庁大都市圏整備局あて報告することとされたい。

六 経過措置の廃止について

首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第百三十八号)附則第三項および第四項の規定に基づく教室の増設に係る適用除外措置並びに施行令附則第二項並びに首都圏整備法施行令及び首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和三十九年政令第三百六十五号)附則第二項の規定に基づく許可の基準の経過措置は、今回の改正で廃止することとされた。

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