47首圏発第五〇四号
昭和四七年一一月九日

東京都知事、神奈川県知事、埼玉県知事、横浜市長及び川崎市長あて

首都圏整備委員会事務局長通達


首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の解釈及び運用について


首都圏整備法等の一部を改正する法律及び首都圏整備法施行令等の一部を改正する政令の施行については、昭和四十七年十一月九日付け47首圏発第五〇三号首都圏整備委員会事務局長依命通達「首都圏整備法等の一部を改正する法律及び首都圏整備法施行令等の一部を改正する政令の施行について」によつて通達したところであるが、貴職におかれては、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の解釈及び運用に関し、左記事項に留意のうえ、その施行に遺憾のないよう御配慮願いたい。
なお、昭和四十年三月十一日付け40首圏発第七九号首都圏整備委員会事務局長通知「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律の解釈及び運用について」は廃止するものとする。

一 制限施設について(法第二条関係)

制限施設に関する用語の意義は次のとおりとする。
(1) 製造業

(イ) ここにいう製造業は、「日本標準産業分類」(行政管理庁編)の昭和三十四年四月一日現在のものにおおむね準拠することをしているが、異なる点は、修理業及び施行令第一条に規定する業種はすべて製造業に含めないこととしたこと、自家用生産等の直接営利を目的としない製造活動例えば従業員に支給する衣服工場等は製造業から除外すること(昭和三十四年七月二十四日付け34首圏発第二〇三号―一―(2)及び昭和三十四年八月十二日付け34首圏発第二一七号参照)としていることである。

また、一事業所が卸小売等の製造業以外の経済活動を主としており、これに附随して製造業を行なつている場合においても施行令第一条第九項又は第十号に該当する場合を除き製造業の用に供する工場として取扱う(三四首圏発第二〇三号―二参照)。

(ロ) 施行令第一条第四号の生パン又は生菓子の製造業には生あん製造業が含まれるものとする。

施行令第一条第五号の食品冷凍業には枝肉等から冷凍のカツト肉、スライス肉等を製造する業種が含まれるものとする。
また、施行令第一条第十号については、つぎの(2)にいう一の団地の要件に該当すれば一の団地のなかに数企業が立地する場合もありうるが、施行令第一条第十号にいう業種は問屋、倉庫、ストツクヤード等の製造業以外の事業に附随して当該同一企業の行なう流通加工業等の製造業をいうものとする。

(2) 一の団地

一の団地とは、建築基準法でいう敷地より若干広い概念であり、連接している土地のほか幅の狭い道路、水路等によつて分離されている場合でも用途上不可分の関係にあり社会通念上まとまつた一区画の土地と認められるものとする。

(3) 作業場

作業場とは、工場のうち製造若しくは加工又は仕上、仕分、包装、選別、荷造等の作業を継続して行なう場所であり、生産工程と直接関連のない研究室、変電所、ボイラー室、公害防止施設、産業廃棄物の処理施設、工業用水回収利用施設等は作業場に含まれない。
また、作業を行なう場所であつても建築物の中にあるものでなければ原則として作業場としない。ただし、造船所の船台、専ら野天で行なわれている製かん工場、橋梁組立工場等屋外で相当な施設、設備を設けて継続的に作業を行なうことを常態とするものについては、作業場と認定することがある。

(4) 床面積

建築基準法施行令第二条第一項第四号本文の延べ面積と同様とする。

(5) 工場の種類

工場の種類は、当該工場が営む製造業の業種によつて分類する。工場が営む製造業が二以上ある場合には、その主要業種を当該工場の業種とする(34首圏発第二〇三号―一―(1)参照)。

(6) 一工場

一の団地内において業として製造業が行なわれている場合は、経営主体が同一である限り一単位の工場として取扱う。

(7) 教室

教室とは講義室をいい、実験室、実習室、演習室、図書室等は含まないが、名称の如何を問わず、継続的に学生又は生徒に講義を行なう場所は教室とする。

(8) 作業場の基準面積

別表において基準面積が一千平方メートルの八業種については、いずれも「日本標準産業分類」(行政管理庁編昭和四十七年三月改訂)に準拠することとしたが、異なる点は生めん製造業であり、これはめん類製造業のうち乾めんを製造する業種を除いたものである。

二 経過措置について(法第六条関係)

工事中とは、単に工事の計画を有し建築基準法第六条第一項の規定に基づく建築の確認を受けた程度ではなく、現実に第三者から工事が行なわれている状態が認識できる程度の客観性を有していることを必要とする。すなわち、工事者が当該作業場又は教室に係る工場又は学校の新増設工事等の一環として基礎工事に着手している程度に達していることを要する。

三 承認手続について(法第八条関係)

法第八条第二項及び第十四条の関係行政機関とは許可の申請のあつた制限施設に係る製造業又は学校を所管する行政機関をいい、学校については文部省、製造業についてはその所管に従つて、それぞれ通商産業省、農林省、大蔵省、運輸省又は厚生省等である。
なお、公有水面埋立法第二十二条の竣功認可のあつた埋立地に係る場合にあつては、法第八条第二項及び第十四条に規定する関係行政機関に公有水面埋立法を所管する行政機関を含めるものとする。

四 認可の基準について(法第八条関係)

制限施設の新設又は増設は原則として禁止されているものであるので、法第八条第一項の許可の基準は次の解釈に準拠して厳正に運用するものとする。
(1) 法第八条第一項第一号

当該制限施設の新設又は増設が工業等制限区域内にある作業場又は教室の移転に伴つて行なわれる場合で、原則として従前の作業場又は教室と同規模のものと認められる等工業等制限区域内における人口(人口という概念は工場の従業員という概念より広い。)の増大をもたらすこととならないと認められ、さらにその移転が都市計画等において定められた土地利用計画に沿つて行なわれるものであるとともに、移転工場跡地が都市環境の整備及び改善に資するように利用される見込みがあり、かつ新工場の設置が公害の防止その他環境の保全に配意されたものであると認められる場合とし、作業場又は教室の移転が都市環境の整備及び改善に著しく寄与するとみとめられるときは、従前の作業場又は教室の規模より若干増加する場合であつても法第八条第一項第一号に該当する場合があるものとする。なお、運用にあたつては中小企業の高度化について十分配慮するものとする。

(2) 法第八条第一項第二号

公害の防止のため又は産業廃棄物の処理の施設を設置するため、生産工程又は生産方式を変え、その結果従来の作業場の床面積を増加させる必要がある場合(たとえば大気汚染防止のため動力源を重油、石炭から電力にきりかえる場合、地盤沈下の防止のため水源を地下水から工業用水に転換する場合等をいう。)をいい、公害防止施設又は産業廃棄物の処理施設が副産物を産出する場合もこれに含まれる。

(3) 法第八条第一項第三号及び施行令第五条第三号

大学、高等専門学校又は各種学校を設置している者が、改正法施行の際における工業等制限区域内において学生、生徒数を増加することなく基準充足のために当該学校の用に供する教室を新設又は増設する場合を原則とするが、当該教室が存していた団地のこの改正法の施行の際における区域内において大学又は高等専門学校の用に供する教室を新設又は増設する場合には、学生、生徒数が若干増加する場合であつても、真に止むをえないものと認められるときには例外的に本号に該当するものとする。

(4) 法第八条第一項第三号及び施行令第五条第四号

本号の規定の趣旨は、本法によれば一の団地内における制限施設の作業場又は教室をその床面積の合計を増加しないで、改築する場合は規制の対象とはならないわけであるが、改築でないとみなされる場合についても、本号の要件に該当すれば一度廃止され又は滅失したものについてもその再建を許可しようとする特例措置である。

(5) 法第八条第一項第三号及び改正令附則第三項

本項において「都市環境の著しい悪化をもたらすこととならないと認められるとき」とは、当該制限施設の新設又は増設が都市計画、港湾計画等において定められた土地利用計画に即しており、かつ、周辺一帯における人口密度、交通状況その他の環境を充分に考慮し、公害の発生等により人口集中の著しい地域における住民の生活環境を悪化させないと判断される場合とする。

五 許可の承継について(法第九条関係)

法第九条第一項の事業の譲渡には、単なる工場施設の売買等による移転の場合は含まない。

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