都再発第八七号
昭和四四年一二月二三日

都道府県知事・指定都市の長あて

建設事務次官通達


都市再開発法の施行について


都市再開発法(昭和四四年法律第三八号)、同法施行令(昭和四四年政令第二三二号)及び同法施行規則(昭和四四年建設省令第五四号)は、それぞれ昭和四四年六月三日、同年八月二六日及び同年一一月二六日に公布されたが、本法は旧公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律(昭和三六年法律第一〇九号)及び旧防災建築街区造成法(昭和三六年法律第一一〇号)を統合整備した総合的な都市再開発を推進する法律であり、市街地について建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備を一体的に行なう市街地再開発事業等について規定し、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とするものである。
本法に規定する市街地再開発事業の施行及び市街地再開発組合の指導、監督にあつては、左記の諸点に留意し、遺憾のないようにされたく、命により通達する。
なお、貴管下関係市町村に対しても、この旨周知徹底方取り計らわれたい。

1 産業、人口の集中による過密化と不合理な土地利用により都市機能が低下し、都市環境が悪化しつつある現状にかんがみ、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、高度利用地区の指定を積極的に行ない、再開発を強力に推進すること。
2 市街地再開発事業は用途地域内の市街地について都市環境の整備と土地の高度利用を実現するための新しい手法を備えた都市計画事業の一であり、街づくりの手法として都市一般に行なわれるべきものであるので、大都市のみならず中小都市においても積極的に推進すること。
3 市街地再開発事業の施行が予定される地区については、法定手続に入る前に説明会の開催等により、法の趣旨及び当該地区における再開発計画の概要を関係権利者に十分かつ具体的に周知させ、事業に対する積極的な協力態勢が確保されるように努めること。
4 施行地区内の関係権利者で、その権利又は資力が零細であるために市街地再開発事業によつて整備される施設建築物に入居することのできない者その他事業の施行により地区外に転出することとなる者に対する補償その他救済措置について十分に配慮すること。
5 住宅不足の著しい地域における市街地再開発事業の施行にあたつては、都市計画上支障のない限り、当該地域における住宅不足の解消に寄与するよう住宅の建設に努めること。
6 市街地再開発組合及びその参加組合員については、設立の認可の際にその資力及び信用について十分な審査を行なう等組合の事業運営の適正化が確保されるよう指導、監督すること。
7 市街地再開発事業の積極的な推進のために、必要に応じ、行政組織の強化、所要の人員の配置等の措置を講ずること。
8 本法制定の際、国会において別紙のとおりの附帯決議がなされているので、その趣旨を十分尊重すること。


別紙

都市再開発法案に対する附帯決議

(参議院建設委員会)
政府は、都市再開発法の施行にあたり次の諸点について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一 市街地再開発事業により建設される住宅については、国民生活の実態に応じて利用ができるようなものとするよう指導すること。
一 市街地再開発組合の設立にあたつては、事業内容等を周知徹底し、同意を得られない者の立場も十分に考慮して、極力円満に設立手続を進めるよう指導すること。
一 市街地再開発事業の実施に伴い、権利を失うこととなる零細な居住者の補償等について、十分に配慮すること。
一 従来の防災建築街区造成事業が行なわれていたような地方の中小都市においても、市街地再開発事業が積極的に推進されるよう指導すること。
一 市街地再開発事業は、機能の低下した中小商店街並びに建築用途の混在している都市環境が不良な地区等について優先的に行なうよう措置すること。
一 市街地再開発事業の推進を図るため、補助、融資等の助成措置について特段の配慮をすること。

右決議する。


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