建設省住街発第五二号
平成七年五月二五日

各都道府県建築主務部長あて

建設省住宅局市街地建築課長通達


都市再開発法等の一部を改正する法律の施行について


都市再開発法等の一部を改正する法律(平成七年法律第一三号)、都市計画法施行令及び建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成七年政令第二一四号)及び建築基準法施行規則を改正する省令(平成七年建設省令第一五号)によりそれぞれ改正された後の建築基準法(以下「法」という。)、建築基準法施行令(以下「令」という。)、建築基準法施行規則(以下「規則」という。)については、平成七年五月二五日付け建設省都計発第七二号、建設省住街発第五一号をもって建設省都市局長、建設省住宅局長から通達されたところであるが、その細目及び運用の方針は左記のとおりであるので、関係市町村に対してもこの趣旨を十分周知されるとともに、今後の施行に遺憾のないよう措置されたい。

第1 前面道路幅員による容積率制限の合理化(法第五二条第八項及び第九項並びに令第一三五条の四の五関係)

1 前面道路幅員による容積率制限の緩和に係る建築物の後退距離の算定上、次に掲げるものについては、建築物から除くものとすること。

イ ひさしその他これに類する建築物の部分で小規模なもの
ロ 建築物の地盤面下の部分
ハ 道路に沿って設けられる高さが二メートル以下の門又は塀で一定の構造のもの
ニ 隣地境界線に沿って設けられる高さが二メートル以下の門又は塀
ホ 歩廊、渡り廊下その他これらに類する建築物の部分で、特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況を考慮して規則で定めたもの
このうち、特定行政庁が規則で定めた歩廊等については、昭和六二年一二月三日付け建設省住指発第三九五号住宅局長通達「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について」の第2の3の(2)に準じること。
また、建築物の後退距離の算定に当たっては、次の諸点に留意すること。

(1) 後退距離は、「建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のもの」であり、ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除くほかは、軒、バルコニー、出窓、屋外階段等も含めた建築物全体のうち道路に最も近い点で、前面道路ごとに敷地単位で算定すること。
(2) 後退距離の算定において建築物から除く部分の高さ(軒の高さを含む。)は、前面道路の路面の中心から算定すること。
(3) 「道路に沿って設けられる高さが二メートル以下の門又は塀(高さが一・二メートルを超えるものにあっては、当該一・二メートルを超える部分が網状その他これに類する形状であるものに限る。)」とは、高さが一・二メートルを超える部分が金網で造られているなど採光、通風等の道路上の環境に支障のないものであること。

2 壁面線又は壁面の位置の制限が、地盤面からの高さにより異なる位置に定められている等立体的に定められている場合においては、前面道路の境界線からの水平距離が最小となる壁面線又は壁面の位置の制限として定められた限度の線(以下「壁面線等」という。)について、本規定を適用すること。なお、地盤面から一定の高さの部分についてのみ、壁面線の指定等がある場合においては、本規定の適用はないものであること。
3 本規定を適用した場合においては、壁面線等と前面道路の境界線との間の部分の面積は、敷地面積に算入しないこととされているため、規則別記第一号様式及び第一三号様式において、当該部分を敷地面積に算入しないこととした場合における敷地面積を記入するものであること。
4 本規定は、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成四年法律第八二号)第一条の規定による改正前の都市計画法(以下「旧都市計画法」という。)第八条第一項第一号に規定する用途地域のうち、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域及び住居地域においても適用があること。

第2 道路斜線制限の合理化(法第五六条第三項及び第四項並びに令第一三〇条の一二関係)

1 法第五六条第四項においていわゆるセットバック規定を適用する際の後退距離の算定に当たり、建築物から除かれる部分である物置等の小規模な突出部等については、昭和六二年一二月三日付け建設省住指発第三九五号住宅局長通達「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について」の第二の三の(2)及び同日付け建設省住指発第三九六号、建設省住街発第一一〇号、建築指導課長、市街地建築課長通達「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について」の第9の1に準じること。
2 本規定は、旧都市計画法第八条第一項第一号に規定する用途地域のうち、第二種住居専用地域及び住居地域においても適用があること。

第3 建築協定(第六九条、第七〇条、第七五条の二及び第七六条の三等関係)

1 土地区画整理事業等における仮換地に対応する従前の権利に基づき建築協定が締結された土地については、仮換地の指定後に、これと異なる換地処分がなされた場合には、当該土地は、建築協定区域から除かれるものであること。
2 建築協定区域隣接地は、将来において当該土地が建築協定区域の一部となることが望ましいものとして定めるものであるため、建築協定区域から飛び離れた土地であることは適当ではなく、建築協定区域と一体性を有する土地であること。なお、建築協定区域隣接地は、これまでの建築協定と同様に、建築物の敷地として利用されていない土地についても定めることができるものであるが、隣接地に当該土地を含むことをもって宅地化等を促進することを意味するものではないこと。
3 建築協定区域隣接地は、建築協定区域内の土地所有者等が建築協定に定めるものであり、当該建築協定区域隣接地内の土地所有者等の権利に対して何ら制限を加えるものではないが、本制度の円滑な運用の観点から、建築協定区域隣接地内の土地所有者等に対しては、あらかじめ制度の趣旨等について周知を図ることが望ましいものであること。
4 法第七五条の二第二項に基づき特定行政庁に対して書面でその意思を表示する際の書面の様式については、建築協定区域隣接地制度の円滑な運用を図るため、あらかじめ特定行政庁において定めておくことが望ましいこと。

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